亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

CLO市場瓦解も(ヨーロッパで弾けそうな泡ぶく)

2024年03月27日 18時08分42秒 | 金市場

3月26日のNY金は、ロンドンの午前、NY時間の早朝に一時2200.60ドルまで買われた。

イスラエルとハマス間の停戦への話し合いの決裂が伝えられた中東情勢や、ロシアが抱える紛争を巡る地政学リスクも意識されたとみられる。

先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)通過後、手掛かり材料を欠く中で、四半期末と月末が迫っていることで利益確定や持ち高(ポジショ)調整の売りをこなしながら買い優勢の流れとなった。ただし、最終的には上げ幅を削って前日比0.80ドル高の2177.20ドルと小幅に続伸で終わった。朝方弱かったドルが終盤に戻りに転じると、ファンドと見られる売りに前日終値水準まで押し戻された。

なお、NYコメックスでは中心になる取引(中心限月、active month)が4月物から6月物に移行したが、6月物のベースでは2199.20ドルが終値となった。米短期金利が高いことから、限月間のプレミアムも従来より大きくなっている。

祝日となる29日に2月の米個人消費支出(PCE)統計が発表される。市場の関心は、その中に含まれ米連邦準備理事会(FRB)が基調的なインフレの指標として重視するPCEコア価格指数に集中している。今回の内容はインフレの根強さが示されるとして、市場では警戒されている。

 

気になるニュースでは、業績不振が続く欧州の通信各社の中で、超低金利をテコに拡大路線を続けてきたオランダの通信大手アルティス・ヨーロッパのフランス部門「アルティス・フランス」に関連する債務問題が深刻化しているという話。

通信グループ全体の負債は600億ドル(約9兆1000億円)近くに膨らんでいる(ブルームバーグ)とされ、同社の債券を組み込んだローン担保証券(CLO)は欧州CLOの9割を占めるとされる。格付けを引き下げられると、組み込まれた債券は保有制限条項で自動的に売却される(格下げトリガー)ことから、CLO市場が瓦解する懸念があるとされる。

 

超低金利をいいことに(スポイルされ)拡大路線をひた走り、利上げと過当競争で追い詰められたビジネス。そして残った巨額債務。淀みに浮かぶウタカタ(泡沫)が弾けるのか否か。

生殺与奪の権を握るのは、ムーディーズ・レーティングスとS&Pグローバル・レーティングスとされる。

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