亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

いじけてしまった市場センチメント 

2022年01月27日 22時15分47秒 | 金市場

今朝は目覚ましなしで3時前に目覚めてしまい、早いし眠かったのでそのまま横になっていたら不覚にもまた寝てしまい(不覚ではないか・・・)、気が付いたら4時過ぎで慌てて飛び起きた次第。その後の議長の記者会見を見ながら株、為替、金、米債の動きを見ていた。

NY金の通常取引は声明文発表の30分前に終了。この段階で前日比22.80ドル安の1829.70ドルと3営業日ぶりの反落ということに。26日はアジアからロンドンさらにNYの通常取引開始前まで1840ドル台での滞留となっていた。通常取引に入ると、さすがにタカ派モードが予想される会合に対する警戒感だろうか、声明文発表を前に売り優勢の流れに転じ、水準を切り下げながら相場は進行。対ユーロを中心に主要通貨に対しドルが強含みに推移したことも、売り要因となり、反落ということに。

その後発表された声明文にサプライズはなかった。 量的緩和の縮小(テーパリング)は予定通り3月に終えるとし、政策金利(FFレート)を「まもなく引き上げるのが適切だ」として、3月開催の次回会合での利上げの決定を示唆した。前のめりに引き締め策の前倒しを読む市場の一部には、テーパリング終了時期を2月に設定するとの見方もあった。FOMC前からバランスシート(保有資産)は大き過ぎとの発言が出ていたが、その縮小は償還(満期)を迎えた債券を再投資しないことで実施する「自然減」の対応が示された。もちろん、ほんの3カ月前!!に比べてかなり「タカ派」に傾いているものの、声明文が示す内容は正常化にあたっては慎重を期というニュアンスだった。

ただし、その後始まったパウエル議長の記者会見の内容に市場の反応は高まった。元より今回の会合は声明文より質疑応答が注目されていたが、利上げや保有資産(バランスシート)の縮小を巡る今後のタイミングや内容を問われたた際に、議長が明言を避けたことが市場には不透明との印象を与えたのだろう。しかし、これは無理からぬことで、環境自体が流動的要素満載でFRBとはいえワカランことは多いと思われる。つまり現れるデータに適宜対応というスタンス。それでは後手に回るというのが市場の声だが、明言はしないのではなく、できないのではないかと思う。

実際に利上げ回数について問われた議長は、「どのような経路をたどるのが適切であるか、自信を持って予測することはできない」とした。“否定しない”ことが、“その可能性もある”という解釈となり、市場の一部で指摘されていた年内最大7回(毎会合利上げ実施)に含みを持たせたとの解釈につながるのだから、市場センチメントの振れというか、疑心暗鬼も極まれりという感じだ。 議長は、保有資産圧縮についても、時期やペースについては、ほぼ何もきまっていないと説明した。市場はより明確な指針が示され、それで安心を求めていたということか。

市場セントメントは“いじけて”しまって、パウエル発言を素直に受け取れなくなっている。 FOMCに関しては、初日は消化不良で市場の反応が不規則になることも多く、翌日つまり本日の取引を見る必要があると思う。本日アジア時間は各国に株安が連鎖したが、欧州はそれぞれまちまちの反応。米株先物は下げ止まり。自律反発があるタイミングだがどうなるか。

さて、声明文が発表された直後の金価格は、通常取引終値から7ドルほど低い1822.80ドルまで水準を切り下げた。その後は、議長会見が進行する時間帯を通し、午後の早い時間まで1.7%台後半で推移していた10年債利回りが急伸を始めるに従い、売りが膨らみ水準を切り下げた。利回りは会見中に1.85%まで上昇。金価格は1810ドル台後半での推移に移行し、会見終了時点では1817ドル前後での推移となっていた。その後、利回りは1,877%と取引開始から10bp(0.1%)ほど高い水準まで上昇。金は1814.10ドルまで売られたものの、その後1818.70ドルまで値を戻し、時間外取引は終了した。

本日はアジアの寄りあとは1820ドル台に乗ったものの、続かず売りが先行する展開となっている。1810ドルを割れたところで滞留し、これからNYの通常取引に入るところ。

なお、金ETFの最大銘柄「SPDRゴールドシェア」の残高は、反落となった26日も1.16トンだが増加している。明日は午前9時30分過ぎからラジオNIKKEI「マーケットプレス前場」に15分ほど電話出演の予定です。岸田恵美子アナの軽やかな話しぶりに応える形の15分、もしかしたら+α 分

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