亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

「データが示すより減速している」フィラデルフィアFedハーカー

2023年12月21日 16時40分10秒 | 金融市場の話題

20日もFRB高官による利下げの必要性を説く発言が続いた。

現地のラジオ番組に出演したフィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、「しばらく金利を現状維持し状況を見守るという意見に賛成だ。利上げを行う必要はない」と発言。その上で今後を考えると、「金利を下げ始めることが重要だ」としつつも、それほど急ぐ必要はないとした。

ただし、同総裁のこの日の発言で目に留まったのは、「景気減速の度合いは政府発表のデータが示すよりも深いようだ」という内容。想定より堅調に推移している米経済だが、フィラデルフィア地区の状況を表したものだろうが、そうなのか、記憶にとどめておこうかと思った次第。

Tipと言うか、こうしたちょっとした情報が重要だったりする。

 

景気というと関連して本日は米7~9月期実質GDP確定値の発表がある。

速報段階で前期比年率4.9%成長が先月発表の改定値では5.2%に上方修正されたが、確定値の予想は5.1%となっている。想定外の高成長となった7~9月期だが、確報値はともあれ、すでに過去のデータ。

10~12月期の減速は織り込み済みとなっている。ただしアトランタ連銀の予測値GDP・NowでQ4は今月初め時点で1.3%程度の成長予想が、19日時点で2.6%まで上昇しており、米経済の堅調ぶりを示している。

 

20日は、欧州時間に発表された11月の英消費者物価指数(CPI)が前年同月比3.9%の上昇と、市場予想(4.4%)を下回り、2021年9月以来の低水準となった。英中銀イングランド銀行による利下げが意識され、英ポンドが売られ英長期金利が低下した。

同じ20日に発表された11月のドイツの生産者物価指数(PPI)が前年同月比7.9%下落したことで、欧州中銀(ECB)も想定より早く利下げに転じるとの思惑を高めることになった。ドイツ10年債利回りは3月以降で初めて1.973%と2%割れで取引を終了。英10年債利回りも3.525%と4月以来の低水準で終了した。

この欧州債の利回り低下が、米債市場に波及。米10年債利回りもこのところの低下基調を強め一時3.845%まで付け3.848%と7月以来5カ月ぶりの低水準で取引を終えた。米国のみならず欧州でもインフレの鈍化が進んでいることがデータで明らかになり、対ドルで進んでいたユーロ高は一服となり、ドル指数(DXY)も反発ということに。

DXYは先週101ポイント台まで下値を見ていたが、ここにきて足踏み状態ということで、NY金の押し上げ要因としては後退している。

NY金は変わらずファンドの戻り売りが出ており、レンジ相場に始終し反落で20日は2047.70ドルの引け。本日21日も日本時間17時までの時点で同じような展開。

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