亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

中央銀行の買い、4~6月期は184トン増」

2024年07月30日 20時44分44秒 | 金市場

週明け7月29日のNY金は小幅に反落した。米国関連で主要指標の発表のない中で30日から2日間の日程で開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)と8月2日の7月米雇用統計など複数の重要指標の発表とイベントが控える中で総じて模様眺めの展開。通常取引は前日比3.20ドル安の2377.80ドルで終了した。NY時間外のアジアからロンドンさらにNY午前の中頃まで2390ドルをやや上回る水準を横ばいで推移したNY金は、昼前に売りが膨らみ20ドル余り水準を切り下げた。この時に付けた2367.30ドルがこの日の安値に。終盤に2380ドル程度まで買い戻され終了ということに。先週の株価大幅下落に伴う益出し及び手じまい売りは落ち着いたものの、続いているとみられる。

 

本日、日本時間の15時25分にワールドゴールドカウンシル(WGC)から第2四半期の世界の金需要統計が発表された。

最高値を更新した期ゆえにジュエリー需要が前年同期比で19%減の391トンにとどまるなど、価格高騰の影響が出た。一方で地金、コインの現物投資需要は欧米での需要減少から5%減の261トンだった。

欧米勢が過去8四半期(2年)売り続けていたETFは減少がほぼ止まったものの21トン減だった。

 

注目の中央銀行セクターは、184トン増と前年同期比9%増とはなったものの、前期は290トンだったので前期比では39%減と大きくスローダウンということに。ただし、上半期483トンの規模は従来感覚では大規模といえる。過去2年が下半期に買いが増え連続で年間1000トンを超えているだけに、前年比のバーは高い。

WGCは24年も相応の規模にはなるものの、前年と同規模程度、あるいは上回れるかというと現時点では注視するとしている。

 

ちなみに第一四半期に買いが急増し価格押し上げの立役者となった中国だが価格急騰の中で景気も陰りジュエリー需要中心に落ち込みが予見される一方で、投資需要がどこまでカバーできたのか否かが注目された。第2四半期の中国のジュエリー需要は前年同期比35%減の86トン。投資需要は28%増の80トンだった。

中国需要の低下は、中国国内価格のプレミアム消滅から後退が示唆されていた。ロンドン現物価格と上海現物価格は、これまで上海が高く(プレミアム状態)中国国内の需給が締まっていることを表していた。しかし、7月以降ここに来て割安(ディスカウント)状態に転じ需要の後退を表していた。価格高騰の4、5月に需要減速が伝えられていたが、今回の発表でジュエリー部門が中心だったことが判明した。

 

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