週末5月8日のNY市場の金価格は反落となった。ここまで発表された多くの経済指標が「統計開始以来」の悪化を示す中で、この日市場の注目を集めたのが4月の米雇用統計。前日に大きく水準を切り上げていたNY金は、アジアからロンドンの時間帯をプラス圏で推移。前月比での就業者数と失業率双方ともに記録的な悪化が予想されていた米雇用統計の発表を控え、ロンドン時間のお昼前には前日の取引時間中の高値を超える1735.50ドルまで買われた。その後はやや売りが先行したものの、NYの早朝さらに通常取引入り後まではプラス圏で推移した。
その後、発表された雇用統計は、前月比での(非農業部門)就業者数(NFP)は2050万人減少、失業率は14.7%と急激な悪化を示す内容となった。結果に対する金市場の初動は上昇となったものの、直ぐに売り優勢となり1720ドル台中盤から10ドルほど水準を切り下げることに。ただし、売りが一巡すると反転しNY時間の午前11時前には1730ドルに接近した。しかし、その後、株式市場が経済指標の極端な悪化にもかかわらず上昇するリスクオン環境の中で次第に売り優勢の流れに転じ、水準を切り下げマイナス圏に。結局、前日比11.90ドル安の1713.90ドルで通常取引は終了。その後の時間外では、楽観ムードがさらに高まる中で金はさらに下値追いとなり、1703.10ドルまで売られた。終盤では、中国の劉鶴副首相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、ムニューシン米財務長官が電話協議を行い、両国間の貿易協議第1段階の合意履行に向けた環境作りで一致したと伝えられたことで株高が加速、金市場は逆に売られることに。ファンドのAIロボットトレードの売りと思われる。
4月の米雇用統計について市場の受け止め方は、未曾有の悪化は織り込み済みで、この瞬間最大風速値のような数字が底打ちとの捉え方が支配的となっている。就業者数の減少も失業率も予想値を下回り(予想値はそれぞれ2200万人減、16.0%)、数字のさらなる悪化方向への振れが見られなかったことを好感した。さらに、基本的に雇用者数の歴史的減少といっても、失業者の大半は「一時的な解雇(レイオフ)」で、経済が再開すれば早期の職場復帰は可能との捉え方がある。実際に失業者数は3月の710万人から2300万人へ劇的に増えたものの、78%は「一時的な解雇」となっている。失業者の総数が大きいため必ずしも比率だけでは判断できないが、過去の例との比較から「恒久的な解雇」の比率は低いのは事実。ただし、経済活動の再開が始まっているとはいえ感染防止の対応策から、以前の状況に戻るには時間がかかることから、仕事に戻れない人々も相当数現れそうだ。
おそらく今後の展開の中で労働市場でも想定外が多く現れ、株価の上昇が示すほどにはグリーンライト点灯は続かないと思われる。
米中電話協議をしたといっても、新型コロナでトウモロコシや大豆が大きく値下がりする中で、米国内の食肉加工業者が新型コロナ感染問題で工場を閉め、畜産農家の苦境が伝えられいるだけに、これで終わりそうにない。農村が支持基盤で何よりも自分の選挙最優先のトランプ親分は、中国に対するプレッシャーを高めそうだ。
その後、発表された雇用統計は、前月比での(非農業部門)就業者数(NFP)は2050万人減少、失業率は14.7%と急激な悪化を示す内容となった。結果に対する金市場の初動は上昇となったものの、直ぐに売り優勢となり1720ドル台中盤から10ドルほど水準を切り下げることに。ただし、売りが一巡すると反転しNY時間の午前11時前には1730ドルに接近した。しかし、その後、株式市場が経済指標の極端な悪化にもかかわらず上昇するリスクオン環境の中で次第に売り優勢の流れに転じ、水準を切り下げマイナス圏に。結局、前日比11.90ドル安の1713.90ドルで通常取引は終了。その後の時間外では、楽観ムードがさらに高まる中で金はさらに下値追いとなり、1703.10ドルまで売られた。終盤では、中国の劉鶴副首相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、ムニューシン米財務長官が電話協議を行い、両国間の貿易協議第1段階の合意履行に向けた環境作りで一致したと伝えられたことで株高が加速、金市場は逆に売られることに。ファンドのAIロボットトレードの売りと思われる。
4月の米雇用統計について市場の受け止め方は、未曾有の悪化は織り込み済みで、この瞬間最大風速値のような数字が底打ちとの捉え方が支配的となっている。就業者数の減少も失業率も予想値を下回り(予想値はそれぞれ2200万人減、16.0%)、数字のさらなる悪化方向への振れが見られなかったことを好感した。さらに、基本的に雇用者数の歴史的減少といっても、失業者の大半は「一時的な解雇(レイオフ)」で、経済が再開すれば早期の職場復帰は可能との捉え方がある。実際に失業者数は3月の710万人から2300万人へ劇的に増えたものの、78%は「一時的な解雇」となっている。失業者の総数が大きいため必ずしも比率だけでは判断できないが、過去の例との比較から「恒久的な解雇」の比率は低いのは事実。ただし、経済活動の再開が始まっているとはいえ感染防止の対応策から、以前の状況に戻るには時間がかかることから、仕事に戻れない人々も相当数現れそうだ。
おそらく今後の展開の中で労働市場でも想定外が多く現れ、株価の上昇が示すほどにはグリーンライト点灯は続かないと思われる。
米中電話協議をしたといっても、新型コロナでトウモロコシや大豆が大きく値下がりする中で、米国内の食肉加工業者が新型コロナ感染問題で工場を閉め、畜産農家の苦境が伝えられいるだけに、これで終わりそうにない。農村が支持基盤で何よりも自分の選挙最優先のトランプ親分は、中国に対するプレッシャーを高めそうだ。