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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金堅調に推移、CPIの2番煎じPPIの影響なし

2021年05月14日 22時15分53秒 | 金市場
5月13日に発表された4月の米生産者物価指数(PPI)も、大幅な伸びとなった。前年同月比6.2%の上昇と3月の4.2%から加速し、2010年の統計開始以来最大の上昇となった。変動の大きいエネルギーや食品を除いたコア指数(コアPPI)は前年比では4.1%上昇と、こちらも3月の3.1%から伸びが拡大し、やはり2010年来で最大の伸びとなった。鉄鋼製品の価格が18.4%と大幅に上昇したことが、全体指数を押し上げたとされる。これに対し、食料品の伸びは2.1%にとどまった。

13日の金市場は、想定されていたとはいえ前日に発表された4月の消費者物価指数(CPI)が大きく上振れし、10年債利回りが1.7%に達するところまで上昇したことに対する警戒感が漂う展開となっていた。アジア時間から売り優勢の展開でマイナス圏での推移となったのは、やはり上振れが想定された生産者物価指数(PPI)の発表を控えていたことによる。

NY時間の早朝午前5時台に時間外取引で10年債利回りが1.707%まで上昇した際に、売り圧力が高まり1808.40ドルまで下値を見たが、下げはそこまでだった。1カ月前であれば1800ドル割れを試すことになっていたと思われる。そこ後はNYの通常取引入りの時間帯に向け、債券市場では押し目買いが入り利回りは低下。こうなるとアルゴリズムで金は買いを集め、反転上昇に転じ、そのままお昼前にプラス圏に浮上し、終盤にかけて水準を維持して1.20ドルの小幅だがプラス圏で終了となった。結局、10年債利回りは1.6%台半ばに落ち着いたこともあり、終値は1824.00ドルに。1800ドル台に復帰してから、1800割れに押し戻されることもなく、しっかりした展開といえる。

目に付いたニュースを取り上げるなら、パラジウムの世界的な生産大手ロシアのノリリスク・ニッケルは、洪水被害で操業が止まっていた2つの鉱区の1つで操業を完全再開したと発表(ロイター)。13日のNY市場のパラジウム先物価格は前日比15.60ドル高の2849.00ドルだったが、日本が連休中の5月3日に終値ベースでの過去最高値2981.40ドル、5月4日に取引時間中の過去最高値3019.00ドルをそれぞれ記録していた。パラジウムは以前とは違い日本国内では取引が少ないので、パラジウムを買いたい向きはETF(1543)を使うのがいいだろう。ちなみに銅価格もここにきて過去最高値を更新しているが、これも日本国内では東証上場のETF(1693)がある。ただ、取引量は多くない。

さて本日の注目指標は4月の米小売売上高だったが、前月比1.8%増予想のところ、横ばいだった。もともと3月に給付金効果もあり、前月比10.7%(当初の9.8%増から上方修正)もの大幅伸びとなっていたが、こうした伸びが続くことは不可能とみられていた。
こうした中でNY金は1830ドル台でしかりした動きとなっている。そもそも長期金利の上昇予想を前提に、弱気見通しが大勢を占めていたが、このまま週足が陽線になると宗旨替えする向きも増えそうだ。陽線になるか否かは、日本時間の明日の朝、判明する。

中央大学硬式野球部 春季リーグ優勝ならず(涙)

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