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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

FOMC後に反発を見込むNY金  

2022年09月21日 20時57分16秒 | 金市場

さてもともとここまでの大幅利上げの流れが一巡するタイミングが9月FOMC(連邦公開市場委員会)というのが、市場の見通しだったが、すっかり景色が変わりFRB(連邦準備理事会)の政策方針は今や、より高くより長くに変更となった。

 

8月26日のジャクソンホールでの8分40秒のパウエル議長“インフレ退治決意表明”に続き、9月8日にワシントンで開かれた金融政策関連会議での失業率の上昇も景気のブレーキも覚悟発言、さらに13日の8月CPI(消費者物価指数)の8.3%への上振れと来て、市場は前のめりに1.00%利上げまで取沙汰するようになった。

現在は3会合連続の0.75%の利上げで利上げ見通しは落ち着いたし、その通りの引き上げ幅になりそうだ。問題は、この間の政策見通しで引き上がった「より高く」の部分。ターミナルレートと表現されるが、政策金利の終着点、つまりどこまで引き上げられるかという部分で見方が固まっていない。市場の思惑は足元で米債相場に反映され、相場が上下しながらも売り先行の展開が続いている。つまり先週から利回り上昇が続いている。

前日の取引で約11年ぶりに3.5%台に乗せた10年債利回りは、21日は一時3.602%と2011年4月以来の水準をさらに更新し3.564%で終了した。金融政策を反映しやすい2年債利回りは3.971%で終了したが、ダウ・ジョーンズのデータでは一時2007年10月18日以来となる4.00%を記録。ただしロイターのデータでは3.992%となっていた。

NY金の売り手掛かり材料は、過去6カ月にわたり、もっぱらドル指数(DXY)の上昇だったが、この1週間は米長期金利(10年債利回り)の上昇が前面に出ている。本日22日のNY時間外の動きは、前日終値と同水準の3.52~3.56%程度の狭いレンジの動きでFOMC待ちとなっている。ターミナルレートの見通しが固まらないことが、米長期金利にピークアウト感が出ないことにつながり、NY金に底打ち感が出にくくなっている。

一方、21日のドル指数(DXY)は110.293まで買われ9月7日に付けた110.789に接近し、終値ベースでは110.215と高値を更新して終了した。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が20日、許容できないほどの高インフレに対応するため、経済成長を制限する水準まで政策金利を引き上げる必要があるかも知れないとしたものの、ユーロの押し上げにはつながらなかった。そして本日22日のNY早朝の時間帯だが、ここに至るNY時間外でDXYは110.869と20年来の高値を更新している。

この点から指摘できるのは、FOMCの結果を先取りする形(ターミナル・レートの引き上げ見通し)の米国債売り(利回り急騰)が、DXYの上昇ともども先週来のNY金の下振れにつながったということ。

 

FOMCの結果判明で、むしろ目先の材料出尽くしということで、NY金は自律的なものを含め反発しやすいのではと思われる。

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