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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

インドの金需要抑制策

2012年11月21日 20時27分55秒 | 金市場
昨夜のNY市場の金価格は10ドルほど反落となったが、市場内はすでに連休前のポジション調整に入っている。

ヒラリー・クリントン国務長官まで乗り込んで調停にあたる状況の中東情勢なども、材料として影を投げかけるが、基調は休み前の手仕舞いという感じ。今週のNY市場は22日がサンクスギビング(感謝祭)の休日で休みとなるが、翌日の金曜日を休み4連休となる市場参加者は多く、すでに取引も薄くなっている。手仕舞いしたうえで、休み明けに再度組み直しという投資家も多いと見られる。いつ何が起きるか予断を許さぬご時世ゆえに、longweekendは身軽にして過ごそうかと・・・。

つまり休み前という日程要因を基盤に、昨日今日は個別の出来事に対する反応が市場参加者の売買行動を増幅させる。

20日の取引では、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズが発表したフランス国債の一段階格下げ(最上格を失う)のニュースに市場の反応は見られなかった。ニュース映像ではフランスの当局者が焦って「信用力に問題はありません」というようなインタビューに応じているのを見たが・・・・。

アジア関係で気になったものに、インドの中央銀行が金融機関に対し金および金製品からETFに及ぶまで購入のための融資を制限するよう指導しているというものがあった。年始から2度にわたる輸入関税の引き上げなど経常収支の赤字改善のために、金の輸入を抑えようとする政策が取られているが、その一環と見られる。インドの貿易赤字の中で、金輸入にかかわるものは原油に次いで2番目の大きさになっていることがある。

ただし、こうした規制措置よりもインドでは、ルピー安による価格高騰が需要を抑える要因となっている。このニュースも20日の市場材料にはならなかった。インドについては先週発表されたデータでは、7-9月期の需要は前年同期比で増加していて驚いた向きも多かろうが、1年前のこの期間は1900ドルを超えるなどインド内外ともに最高値圏に位置していたので、インドも総見送り状態だった。その後ルピーが売られて、国内価格の高止まりが起き、時間の経過とともに“慣れ”も生まれていると思われる。

昨日はNYでバーナンキ議長の講演もあった。金価格には、あまり影響はなかった。ただし、今後のFOMCを見る上で非常に重要なポイントに触れていたと思う。本番の講演後のメディアインタビューでは、インフレ率や失業率など数値基準の導入にも前向きに検討中としていた。その他、当方なりの解釈では、センチメントの重要性や米国経済の構造変化にも言及。興味深い・・・。成功しても失敗しても金融史に残る議長であるのは間違いない。

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