亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

今週つなぎ予算が切れる米連邦政府  

2020年12月08日 22時04分53秒 | 金市場
週明け12月7日のNY市場の金価格は反発。米国での新型コロナ感染拡大が止まず、経済封鎖措置の導入が伝えられる一方で、追加支援策の進展期待が金価格を押し上げた。英国の欧州連合(EU)離脱協議が難航していることから英ポンドが上下動しドル指数に影響を与えるが、ドル安基調が続いていることも金価格の押し上げ要因になった。

昨日のNY金は、ロンドン市場の取引開始時にややまとまった売りに水準を切り下げ、前週末の安値も下回る1824.80ドルまで売られた。先週はこの時間帯に買い上げられNYの後半で売られたので、異なる流れ。売り一巡後も戻りは鈍く、そのままNYの早朝から通常取引開始後までマイナス圏で推移した。その後、株式市場が取引を開始する前後から買い優勢となり上昇基調に転じ、節目の1850ドルを突破すると騰勢に勢いが付き、お昼前には1873.00ドルと2週間ぶりの高値に到達。終盤にかけてやや売りが先行するも切り上げた水準を維持して通常取引は終了となった。本日はアジア時間から地味に1870ドル前後のプラス圏で推移中。

ちなみに7日も、金ETF(上場投信)の最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高は2.92トン減少となった。NY先物市場が主導する価格展開としてきたが、この日、1850ドルを越えるとモメンタムが生まれたのは、その表れと思う。

米与野党の追加財政支援策について進展は伝えられていない。ただし、市場の合意期待は続いている。10月に始まった2021会計年度の連邦政府の予算につき、与野党は9月末に暫定予算(つなぎ予算)で合意し、その期限が今週11日にやって来る。放置すると予算切れで一部政府機関の閉鎖などということになるので、議会は短期の予算延長を今週中に検討するとみられている。その際の予算法案に追加支援策が盛り込まれる可能性に注目が集まっている。足元の指標が鈍化しているので、まとまるというのが株式市場を中心とした楽観論だが、週内の合意はできるのか否か。結果は来週のFOMCの政策判断にも影響を及ぼすことになりそうだ。

予算協議というと来年、新政権スタート後の方が何かと話題が増えるのは必至で、議会が「ねじれ」になるのか、ブルーウェーブかでシナリオが大きく変わる。ジョージア州で2議席とも民主党が確保というのは難しいと思われるので、「ねじれ議会」つまり上院は共和党主導を前提に考えている。ジョージアでは知事が共和党だが、バイデン勝利の認定を出したことでトランプ大統領は非難ツィート。選挙応援に駆け付けた集会では、応援よりも大統領選での不正を訴えかけたことから、熱狂的な支持者は共和党ジョージア支部?に不満を高め、共和党候補への投票はしないとまでいう有権者も。トランプ支持者だが、共和党を支持しているわけではないというのが理由。



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