本日日本時間の午前10時15分。発表された人民元の中心レートは前日1.1%元安方向の1ドル=6.401元となった。やや縮小したものの、水準訂正への意志の強さを印象付けた。12日は、終盤の取引でドル売り元買いの動きが強まり、相場が戻し基調が高まったのは、「介入」があったとされる。そうであれば、これを市場に混乱を起こさぬようにとの配慮との指摘があるが、連日にわたる元安誘導のピッチの速さは十分にサプライズといえよう。
IPモルガンが、アベノミクスの起点を2012年11月14日として、先週末までで人民元の対ドルレートは0.3%の上昇となっている一方、円は対ドルで36%も下落しているとしていた。つまりドルペッグ制の下で、為替市場ではドルにくっついていた人民元だが、いつしか分不相応状態になり、ここに来て耐え切れなくて離脱という捉え方ができるもの。それにしても、デフレで物価が上がっていないところに、対人民元で36%も通貨が価値を失った国にやって来た中国人観光客が、“爆買い” するのもわかろう。