飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
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万葉アルバム(関西):和歌山県、和歌山市 番所庭園

2014年06月08日 | 万葉アルバム(関西)


紀伊国(きのくに)の 雑賀(さひか)の浦に 出で見れば
海人(あま)の燈火(ともしび) 波の間ゆ見ゆ
   =巻7-1194 藤原卿=


 紀伊国の雑賀の浦に出てみると、海人の灯す漁火(いさりび)が波間にチラチラと見え隠れして見えるよ。という意味。

藤原卿が誰を指すのか諸説あるが、藤原麻呂(まろ)が有力とみられる。
藤原鎌足の子どもが不比等(ふひと)、その子どもが4人おり(藤原四兄弟)、麻呂はその一人。紀伊国行幸にお供して、玉津島滞在中のある日、雑賀の浦の夜景に見入っていた。真っ暗で静寂な海のかなたに海人の灯す漁火が見えるのをじっとながめ、故郷大和への思いをも入れこめたのだろうか。


番所庭園(ばんどこていえん)
和歌山市雑賀崎の番所の鼻に番所庭園がある。
紀伊藩は海の防備見張りのため遠見番所を設けた。米国ペリーの来航を機に、庭園内にお台場が構築された。


番所庭園からの眺め<クリックで拡大>
番所庭園からは目の前に双子島(ふたごじま)、北方に加太、友が島(万葉の妹が島)、西方はるかに淡路島、南方遠くに、下津、藤白坂、名高浦と望むことができる。素晴らしい眺望を楽しむことができる場所である。


この万葉歌碑は雑賀崎の番所庭園(ばんどこていえん)に立っている。

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