飛鳥への旅

飛鳥万葉を軸に、
古代から近代へと時空を越えた旅をします。
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万葉アルバム(中部):長野県、千曲市 千曲川万葉公園 信濃なる・・ 佐々木信綱

2012年08月10日 | 万葉アルバム(中部)

信濃(しなの)なる 千曲(ちぐま)の川(かは)の 細石(さざれし)も
君し踏みてば 玉と拾(ひろ)はむ
   =巻14-3400 作者未詳=


 信濃の千曲川の小石でも、貴方が踏んだ石ならば玉として拾いましょう。という意味。


地元の上山田温泉に「恋しの湯伝説」がある。
昔むかし、当地の姫様の旦那さんが戦争へ行かされて、なかなか戻ってこなくて、姫様は神様にお祈りをしたら「千曲川で赤い石100個を拾ったら、恋人が戻ってくる」と。
万葉橋となりの大正橋の歩道には伝説をモチーフに99個の赤い石がはめ込まれている。100個目を見つければ恋が成就するとか…。

 この万葉歌碑は千曲市上山田温泉の千曲川堤にある千曲川万葉公園(万葉橋北側)に建っている。
この碑の揮毫者は国文学者の佐々木信綱さんで、1950年(昭和25年)に建立された、この万葉公園では最も古いもの。
佐々木信綱さんは『校本万葉集』(1924~25)等の編著で、昭和12年(1937)第1回文化勲章を受賞している。


歌碑は万葉仮名で書かれている
”信濃なる ちく万の川の ささ礼志も きミ之不みて者 玉と比ろ者舞”