ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

第483回・田辺寄席~順序が最後になった

2009-01-19 23:05:27 | 田辺寄席
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・田辺寄席の舞台・・・・・・・・・・・・・・・・・

実は、土曜日の昼席にも参加。順序がマチマチですが
まあ、通し券が当ったので、夜席を先にご報告。


開口〇番・・・・・・・「ひ」・・・・・「膝隠し、見台」


特に、小拍子と扇子でリズムをとる
上方落語には必須の膝隠しと見台。

上方は、動きが大きく派手に動いて笑いを取りにいく為
着物の裾が乱れて、それを見せぬ為の膝隠し。

見台は、元々タネ本を置いて見ていた時の名残とか。

一見、同じ高さに見えるが、実は見台の方が微妙に高い。
舞台が高く、客席から下から見上げる時、水平に見えるように、
それと、代書のように、筆先と手元がはっきり見える為と。


一、笑福亭智之介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「三人旅」

今年最初の田辺寄席のトップは智之介さん。
レッドカーペットで、マジック落語の時うどんを見たが。

今日は、東の旅の「三人旅」、伊勢の手前か、過ぎてからかは
定かでは無い。

いつもの、喜六、清八と三人目はなんと源兵衛はん。
名前からすると、年配のしっかり者のイメージだが。

馬屋との駆け引きで進むが、山場少なく、笑いも少なく
なかなか手ごわい噺だが。

でも、昨年一時体調崩していた、智之介さん、
今年は健康で良い年に。


二、笑福亭喬楽・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「天災」

紅羅坊名丸(べにらぼうなまる)の心学者が語る、
「お分かりかな」・・・「分からんじゃろーなぁ」のフレーズが
妙に頭に、残る。

天と喧嘩ができなければ、「諦める」。
すなわち、「天の災い」、「天災」、と心学の心をとく。

喬楽さん、最初に、女房、母親にボーンと手を掛け、
鼻血ドバーという、ヤンチャぶりがおとなしく。

「いてまう」、「けつかる」、「何ぬかしてけつかる」という
荒くれ、無茶苦茶ぶりが少なく・・・、非常に上品でおます。
育ちの良さが災いか・・・・。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「立ち切れ線香」

番頭が、若旦那に説教して、蔵住いと百日、蔵に入れてしまう。
もし、五十日あたりで、手紙が若旦那に渡っていたら、
抜け出す算段、丁稚への裏工作、ドタバタ劇になっていたかも。

すると、手に渡らずしての、小糸との悲哀物語もできなかった。
この「立ち切れ線香」は、番頭のお家思い一心の堅物の産物か。

でも、女将が小糸の思いを切実に語るシーンは、いつもしんみりと。
今日の三味線は、吉川久子さんか、若々しい声でよろしおましたな。

淡々とすすむ、文太師匠の「立ち切れ」でしたで。


四、笑福亭岐代松・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「初天神」

中堅どころの岐代松さん、期待の、笑福亭の「初天神」。

久し振りのネタなのか、のっけから噛み噛みでスタート。
焦れば焦るほど、かみかみ。しまいに呂律まで・・・。
何か、どこか血管が切れたかと思うぐらい、こちらが心配に。

寅公も親が心配、いつもより、おとなし目。
まあ、聴く方も、演じる方も、健康が一番だすな。


五、笑福亭小つる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「正月丁稚」

最初に、丁稚定吉が、井戸へ清水を汲みに行く。
米平さんと同じ運び。
小つるさん、正統派、じっくりと聴かす。

定吉が、縁起の悪い言葉を並べまくるのを、
親旦那が、「鶴亀、鶴亀」と、清め祓う。

正月風景が薄れる、今日この頃、
落語の世界と言えども正月気分を満喫。

もう一度、良き日本の正月の復活の為には、
元日は、全てのお店をお休みにして、
国民全員で新年を祝うべきですな。

買う方もお正月なら、売る方もお正月。

江戸時代は、現代のように高度成長はしなくても、
文化、特に民の心は、今以上に豊かだったようで。
これからは、「新江戸時代」の復活ですな。

心の復活には、なんと言っても、「落語」は一番ですな。



第483回・田辺寄席
2009年1月17日(土)午後1:40開演
大阪市立阿倍野青年センター

開口〇番・・・・・・・「ひ」・・・・・「膝隠し、見台」

一、笑福亭智之介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「三人旅」
二、笑福亭喬楽・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「天災」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「立ち切れ線香」
仲入り
四、笑福亭岐代松・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「初天神」
五、笑福亭小つる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「正月丁稚」

09-05-29
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