ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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第694回・田辺寄席~桂文枝一門会

2014-10-19 16:15:59 | 田辺寄席

第694回・田辺寄席


秋晴れの昼下がり、奥に見える近くの桃ヶ池公園はオアシスです。


今、文枝一門で一番油の乗りきった方々が勢揃い。



開口一番・・・“も”・・・(桃栗3年、柿8年)


お題に関係なく、今年の師走月には、700回目を迎える“田辺寄席”。

第一回は、昭和49年(1974年)9月6日(金)に、
南田辺駅前の「盤パン屋」の三階大広間ではじまった。

台風で一度だけ休演がありましたが、それから、40年、700回、
今や各地で開催されている地域寄席の草分け的存在。

700回目にも、既にカウントダウンに入った“田辺寄席”
文太さん、今迄の想い出を走馬灯のごとくマクラに。

お題の“も”の「桃栗3年、柿8年」の後はあるそうでと、調べてみると
「桃栗3年、柿8年、柚子は9年でなりさがる、ウメは酸いとて13年、ナシの大馬鹿18年」

なんとなんと、「田辺寄席、地域に根づいて40年」でおます。


一、桂阿か枝・・・・・・・・・・・「太田道灌」

東京では、入門時に前座時代に必ず教えられる噺らしいが、
上方で生で聴くのは、初めて・・・・。

今回お伺いしたのも、この後続く粗筋は知っているが生で聴く機会の少ない噺が、
でているので・・・・この噺、練習曲とすればリズム感とメロディの流暢さがキモ。

しかし、私は連日の仕事の疲れがでて、阿か枝さんのリズム感のある流暢な語り口に
思わずすい込まれて、・・・・後半はうつらうつらで、気が付くとサゲの部分。

あいすいません阿か枝さん・・・気持ち良くさせるのも腕でっせ・・・と。
阿か枝さんを誉める、ごまめでおました。



二、桂かい枝・・・・・・・・・・・「明石飛脚」

この噺、米朝さんの上方落語選に載っていたので、本で知っている噺。

桂ちょうばさんのをラジオで聴いたことはあるが、生では初めて。

寝て起きてからの、“オチ”。
便所で、おむすびを落として、“オチ”。
ウワバミに呑みこまれてからの、“オチ”。

噺が終ってからの、“オチ”よりも、噺が終わりではなく
また始まる、繰り返しのおもしろさ。

仁智さんの「ハードラック」を彷彿させる、「明石飛脚」、おもしろい構成。
かい枝さん、珍しい噺、ありがとさん・・・・上方落語の奥は、深いですな・・・・。



三、桂文華・・・・・・・・・・・・・「風呂敷」

これもまた、生初めての噺。

艶っぽい噺、上方ではこの頃「紙入れ」はよく演じられるが、
「風呂敷」は珍しい。

“知らぬは亭主ばかりなり”をまさにハナシにしたような落語。

風呂敷、一枚で間男の男を救いだす兄貴分。
スリルと笑いは裏表ですな・・・・。


四、桂文太・・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」

これも、呂鶴一門の十八番の演目。

やはり、おもしろさは田舎弁のおなごしさんの喋りがキモ。

すべての噺を器用にこなす文太さんにとっては、
どの演目も、ご自分の噺として・・・「あります、あります」でおますな・・・。



五、桂あやめ・・・・・・・・・・・「夫婦善哉」(織田作之助作)

あやめさんが、織田作之助の本からのイメージではなく、
NHKのテレビドラマ(蝶子・尾野真千子、柳吉・森山未来)に触発されての展開。

笑いはいたって少なく、講談のごとく語り中心に進む。

でも、蝶子の台詞には、この役をしたいというあやめさんの気持ちが随所に表れる。

落語家“あやめ”さんより、女優“あやめ”さんの一人芝居。

こんな、「名作」シリーズが続く様な、予感をさせる
あやめさんの「夫婦善哉」でおました。



第694回・田辺寄席
2014年11月19日(日)午後1:00開演
桃ヶ池公園市民活動センター

一、桂阿か枝・・・・・・・・・・・「太田道灌」
二、桂かい枝・・・・・・・・・・・「明石飛脚」
三、桂文華・・・・・・・・・・・・・「風呂敷」
仲入り
四、桂文太・・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」
五、桂あやめ・・・・・・・・・・・「夫婦善哉」(織田作之助作)

三味線・・・・・・・・花登益子




11月霜月席

第695回・11月15日・昼席・・・主任、花丸
第696回・11月15日・夜席・・・主任、文福
第697回・11月16日・昼席・・・主任、三喬


12月師走席

第698回・12月20日・昼席・・・主任、雀三郎
第699回・12月20日・夜席・・・主任、あさ吉
第700回・12月21日・昼席・・・主任、鶴志




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