ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

ウタノタネ~天野慶

2018-05-08 05:06:07 | 本の少し
ウタノタネ―だれでも歌人、どこでも短歌
クリエーター情報なし
ポプラ社

☆☆☆☆

実は、2月にまちライブラリーで借りて読んだんですが、
どうしても、手元に置いておきたくて、“葉ね文庫”にて買った本。

ということで、既にレビューアップはしているのですが、
迷ったあげく、再度レビューをさせていただきます。

天野慶さん、NHK短歌の4月号より、「短歌のキップ拝見します」のコーナーを担当、
偶数月で、奇数月は私が今お世話になっている牛隆祐さんが担当、凄い。

今回は、前回挙げた以外の短歌を紹介。


まずは、天野慶さんの歌から・・・・・・

君とした雪合戦のあの雪の白さを超えるものはまだない

古ぼけたトランク買っていつかいく時間旅行のための準備を

夏草のなか見た笑顔ならあげられるものすべてをあげる

5メートルほどの永遠 泳いでも泳いでも壁に手が届かない

放課後の校舎に昇る半月はなにより高い場所を照らして

誰からとなくリコーダー吹きはじめ夕焼け空は街に溢れる

最上階には青空が待っているエレベーターのやってくる音

初恋はとぎれとぎれのラジオから聴こえる唄のようにせつない

番付は横綱 流した涙だけ強くなれるというのであれば


あとは、ページの耳のところに紹介されている他の方の歌から・・・・

今夜のわたしは桔梗の声で話すからキャッチホンは無視してください (江戸 雪)

五線紙にのりさうだなと聞いてゐる遠い電話に弾むきみの声 (小野茂樹)

きみが歌うクロッカスの歌も新しき家具の一つに数えむとする (寺山修司)

重要と書かれた文字を写していく なぜ重要かわからないまま (加藤千恵)

茶碗の底に梅干の種二つ並びおるああこれが愛と云うものだ (山崎方代)

夏ゆけばいつさい棄てよ忘れよといきなり花になる曼珠沙華 (今野寿美)

元禄寿司従業員控室入口に「会議中」の紙 ぼくもまぜて (斉藤斎藤)

泣くおまえ抱けば髪に降る雪のこんこんとわが腕に眠れ (佐佐木幸綱)

うぬぼれていいよ わたしが踵までやわらかいのはあなたのためと (佐藤真由美)

この空に数かぎりない星がありその星ごとにまた空がある (沢田英史)

明日消えてゆく詩のように抱き合った非常階段から夏になる (千葉 聡)

今日一日終わればきっと楽になるたぶん明日も思うことであれ (森本 平)

日を浴びてもみぢが谷へ落ちてゆくそれは終わりといふことぢやない (柳 宣宏)

色んな歌人の方がおられますな・・・・。
今、一番気になるのが、加藤千恵さんでおます。

「ハッピイ・アイスクリーム」、手にしたいですな。

コメント
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