ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

日本語えとせとら~阿刀田高

2013-09-28 16:18:52 | 本の少し
日本語えとせとら (角川文庫)
クリエーター情報なし
角川書店(角川グループパブリッシング)

☆☆☆☆

日本語にまつわる楽しさをあれやこれや、えとせとらで紹介。

凄い、国文学者顔負け、阿刀田高って凄い。

漢字の伝来からはじまった、漢字の音読みと訓読み。
漢字を崩して、平仮名をつくり、漢字では表現しにくい日本語のいろんな部分、
助詞や語尾の部分に、当てる。

そして、漢字とひらがな、カタカナの二つの仮名を持つユニークな言語を定着。
それに、近来あはローマ字まで参入。・・・と。

この、言葉の豊富さが、思考の豊富さにつながる・・・と。

阿刀田高さんが、日本語の豊かさ、おもしろさを綴る。


語源でおもしろいのを二つばかり紹介すると

“狼狽”よく使う言葉だが、なぜオオカミが・・・・
狼も狽もオオカミのことなのだが、狼は前足が長く、うしろ足が短い。
狽はその逆。だから一緒に走るとギクシャク、ギクシャク、歩調が乱れ
うろたえてしまう。そこで狼狽、というわけ。

“おなら” “人は、小天地なり。天地に雷あり。人に屁あり。”
語源は音から来てるとか“ブ”“プ”では日本語なじまいと“へ”を
日常語では、おなら。“鳴る”から転じて、それに美化語の“お”がついたもの。

小倉百人一首の名句“いにしえの奈良の都の八重桜けふ九重に匂いぬるかな”に因んで
“奈良の都”と言い、略して“奈良”、それに“お”ついたのだと・・。

そして落語では“転失気”というのがあるが、〈日本国語大事典〉によると、
“屁が肛門まで来て、外に出ないで、音が中に反転すること”失気が転ずるとの意。

“転失気”とはおならのこととは、落語の中で語られるが、語源までは知らなかった。

あと土佐の“よさこい”、“たそがれ”なんぞが、どんどん続く。


日本語って、愉しいですな。

“はい”“まったく”“そうですよ”“そうなんですか”“よくわかりませんけど”
これって、あいづちの打ち方の項で、述べられている言葉。

興味ある方は、この本をお手に・・・・。


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