ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

淋しいおさかな~別役実

2013-09-26 05:06:07 | 本の少し
淋しいおさかな (PHP文庫)
クリエーター情報なし
PHP研究所

☆☆☆

読書ログで“月うさぎ”さんが絶賛だったので、是非読もうと思っていたが
なかなか出会えなくて、ようやく図書館で借りて読む。

NHKの幼児番組「おはなしこんにちは」のために書かれた、短編22編。

人の行為というものは、やる側と受ける側では、100%同じではない。
善意とは何か、親切とは何か、自己と他人、人とのふれあい、そして孤独とは、
日頃どれだけ、周りを意識して暮らしていることか・・・・。

すべてのハナシは、“哀愁”の気持ちにて終わる。
ただしそれは終わりであって、終わりでない。

これって、枝雀さんの創作落語みたいで、笑いは緊張と緩和。
笑いの裏に、憂いがあり・・・・・・一つ一つが噺になりそうである。

すべてのハナシは最後に、シュールなオチともいうべき終わり方をしているのだが、
これが、幼児番組で放送されていたというこに驚く。

見ていた、子供たちがどう感じていたのか、
今大人になって再び読むとどう感じるのか
興味あるとこですな。

童話と云っていますが、余韻を引きずる不思議な本でおます。


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