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俳優・勝地涼くんのこと。

『エンタメキャッチ』(1)

2008-01-14 02:27:15 | 他作品

話題の映画・DVD・ライブなどを紹介するTBS深夜の情報番組。2007年1月21日放映分で勝地くんの5分間インタビューが流れました。
テーマは26日に発売されるDVDドラマ『ソウルトレイン』と27日公開の映画『幸福な食卓』。

同時期発売・公開の二つの作品のうち、『ソウルトレイン』では25歳のフリーター、『幸福な食卓』では15歳の中学三年生~高校一年生を、ちょうど真ん中の年齢に当たる20歳の彼が演じているとあって、その年齢幅の広さは、勝地涼という俳優を知らない視聴者にも一応のインパクトがあったんじゃないでしょうか。
(ちなみに『ソウルトレイン』は2006年7月、『幸福な食卓』は2006年2月の撮影なのでどちらも収録当時は19歳)

このインタビューなんですが、話の内容以前に真っ先に感じたのは一種の「懐かしさ」でした。
『亡国のイージス』『この胸いっぱいの愛を』(ともに2005年公開)のDVD特典のインタビューを思い出させるような・・・はっきり言っちゃえばヘタな話し方(笑)。
2006年1月放送の『BSなびTV』や「はなまるカフェ」を見たとき「だいぶトーク上手になったなー」と思ったんですが、それはトーク番組、パーソナリティの方の質問に逐一答えるような形式だったからのようです。

作品と役柄について語る前半はまだいいんですが、役者としての自分自身について語る後半は、とにかく句点が少なく、「~で、~ので・・・」式に話に切れ目がない。発言するそばから、思いついたことを補足したり誤解を招きそうな表現をフォローしたりの繰り返しで、一文が長々と続いてゆく。
会議のプレゼンなんかだったらまずアウト。当時出演中だったドラマ『ハケンの品格』の大前春子さんに思いっきりダメ出しされそうです。 

でもこの決して上手ではない話し方がとても好きなのです。
一文の中に言葉を詰め込んでしまうのは、限られた時間の中で自分の考えをきちんと、正確に伝えようとすればこそ。
だから彼の話は筋道がぱっと俯瞰できないにもかかわらず気持ちが届く。意志を伝達するためのスキルは不足していても伝達すべき思いがそこにある。
少し前に発売の『婦人公論』のインタビューで「ちゃんと自分で考えたことを話したい」と語っていたのが思い出されます。

もう一つ、上で書いたことと重なる部分が多いですが、完全に口語の文体(敬語口調だけど文法はめちゃくちゃ)なのも話の構造が見えにくくなる大きな原因のように思います。
普通に会話するときと同じように、その場・その時点の考え・感情を話しているようなライブ感があるというか。
何を質問されるかは事前に知らされてるでしょうし、一応の答えは用意してるんでしょうが(以前同じテーマで受けたインタビューと一緒の内容でいいのだし、むしろあまり違う方がおかしいわけで)、考えてきた台詞をそのまま言うのでなく「その時」の思いを言葉に乗せようとしているように思います。
だから彼の言葉には聞く人の胸を打つ熱がある。時に早口になり時にいくぶん言葉に詰まりながら身振りも交えて懸命に話す姿に彼の誠実さを改めて感じて、なんだか嬉しくなってしまいました。

すでにデビューから8年(この『エンタメキャッチ』時点では7年)を経ているのに芸能界擦れしない初々しさを彼が漂わせているのは、こうした真摯な態度に由来してるのでしょう。
話上手にならなくてもいいから、こういう部分をこの先もずっと失って欲しくないなと思います。

(つづく)

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