
教育と医療、本来は人々の幸せを目指すべき分野ですが、そのベクトルの向きに違いを感じることがあります。
教育は本質的に理想を示すものです。近年は体験重視の傾向も強まっていますが、基本的には「こうあるべき」という方向性を子どもたちに示します。一方で、現代の医療制度を見ると、その理想からやや乖離しているように感じられます。
私は小学校教員として36年間、子どもたちと向き合ってきました。その経験から痛感するのは、学校で教える理想と社会の現実との大きな隔たりです。学校を卒業した子どもたちが社会に出て戸惑うのは当然のことと言えるでしょう。
医療について考えると、私たちの命に直接関わる重要な問題ですが、その制度自体に歪みが生じていることは見過ごせません。医師も含め、すべての関係者がこの制度の中で動かざるを得ない状況にあります。
私が最も大切にしたいのは、あらゆることに理想が存在するという事実です。その理想とは、つまるところ「人々の幸せ」に他なりません。この幸せに向かって、私たちのエネルギーとベクトルをどう向けていくかが重要なのです。そのベクトルが幸せとは異なる方向を向いてしまっては意味がありません。
生きるということは、このベクトルとエネルギーの現実の中に身を置くことです。理想を持ちながらも、現実には様々な障害が私たちの前に立ちはだかります。
「一歩後退、二歩前進」という言葉があります。今は一時的に後退しているように見えても、正しい方向へとベクトルを向け直さなければ、社会は決して良くなりません。
私たちはどこへベクトルを向けるべきでしょうか。その答えは、遥か彼方にある他者の幸せと自分自身の幸せです。
ベクトルとは流れの力であり、エネルギーを持っています。教育が理想を示すものならば、社会のあらゆる制度や枠組みもその理想に向かって進むべきです。
しかし現実には、既得権益という大きな障壁が存在します。それらを基盤とした制度が構築されているのが今の社会です。この制度をいかにして人々の幸せに向けて改革していくかが、私たちに問われ続けている課題なのです。
私たちは総力を挙げてこの課題に取り組んでいきましょう。螺旋状の進み方でも、一歩後退して二歩前進する形でも構いません。大切なのは、少しでも確実に幸せという理想に向かってエネルギーを向けていくことなのです。
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