一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

湯沸し器の問題から住宅を考える

2007年02月23日 20時13分10秒 | 建築家の日記
こんばんは、清水です。

瞬間湯沸かし器の問題が、連日報道されています。パナマの問題が出たとき、他のメーカーは問題ないのか?と思いましたが、松下までもが大量に問題を隠していました。雪印、三菱自動車、日興コーディアル、不二家、そして松下までもか…ですね。これは私がいつも伝えている企業の立場や利益を組織の中で真面目に考えていると、消費者のためには本当はどうあるべきかということを忘れて間違った方向に進んでしまうからです。

湯沸かし器が室内にあれば、外部に出すようなリフォームを、ガスストーブを室内で使うのであればFF式という吸気、排気を外部で行うものを薦めていますが、

「湯沸かし器の使い方が悪いので、製品の問題では無い」というのであれば、人命に係わる問題は、なおさら声を大きくして告知し、安全装置を徹底して研究いくべきでしょう。松下幸之助さんが知れば、こういう企業のエゴとしての考え方を認めたでしょうか?

そこで仕事をしているひとりひとりは、立派で誠実な人たちばかりですが、組織の拡大、利益、会社への貢献という視野でものごとを追求していくことによる結果生まれる弊害です。

住宅を考えていただいても、こういう問題は、皆さんが知らないだけで山のようにあります。

例えを言えば、床段房専用の床材の接着剤で、大手一流メーカーの接着剤があります。これは、床鳴りや温度変化に強いものでお薦めらしいのですが、以下のような但し書きがありました。

「本品は健康に有害な物質を含有しており、皮膚に付着したり、蒸気を吸入するとかぶれや中毒の健康障害を起こす恐れがありますので…」
この後にも、様々な怖いコメントがありましたが、

床鳴りなどのクレームとお住まいになる方の健康とどちらが大切なのか?とこのメーカーに質問したくなります。

その答えは、住宅産業にとってはクレームが無いことの方が、褒められますし利益になりますから、クレームの無いことがすべてに優先されるのです。

地球温暖化の深刻で大切な問題よりも、自国の利益や繁栄、もっと言えば自分たちの目先の利権の方が大切なアメリカ大統領の考え方も同じだと感じてしまいます。

住宅を真剣に考えるのであれば、認める認めない、許す許さない、我慢する我慢しない、ということを企業名やブランドに騙されず、真実を知ってみなさんが判断すべきなのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする