一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

住宅の仕上げ材料を考えてみると

2006年10月19日 12時22分01秒 | お勧め(建築編)
こんにちは、ミタス 一級建築士事務所の清水煬二です。

もし、あなたが住宅の設計を頼むならどこにいくでしょう。

多くのかたは、ハウスメーカーや工務店ですね。
ここでプランを考えてもらって、どういう仕上げ材料を使ってというようにどんどん決まっていきます。

ハウスメーカーのパンフレットや説明でも、地震に強いとか耐久性が良いとか断熱性能が良いとか、快適、50年保証とか60年継続保証とか、やはり頼んで良かったと思うでしょう。

お待ち下さい。みなさんがわかりやすい例でお話しますと、仕上げ材を見てください。

屋根は石綿スレート版、一般的にいうコロニアル葺き、床はフローリングと書いてあるけど合板ですね。床暖ならなおさら合板を薦められます。

さらに、壁はビニルクロス貼り、トイレや洗面の床はクッションフロア貼りとなっている例が圧倒的ですね。

構造材は、強いというのが売りの構造用集成材です。

しかし、住まい手の立場で住宅を考えた場合、いずれも私は、お薦めしませんし選択いたしません。

これが、はたして住まい手の立場に立って考えた家の仕上げ材と言えるでしょうか。断固としてノーです。こういう仕上げ材の例は皆さんにもわかりやすい例ですが、実はこの住まい手を完全に無視した、造る側の都合とメリットを優先した考え方の前提で、設計においても実際の工事においてもなされているケースが多いのです。

前記のわかりすい仕上げの例で、今後、時間のあるときに説明していきましょう。

最初は、屋根です。一般的にはコロニアル葺きといいますが、石綿スレート版ですね。これは、日本だけのものだと思ってください。デザイン的には、石葺きやアスファルトシングルに似ています。

これをお薦めしないのは、メンテナンスの費用が掛かることと、放置しておくと毛細管現象で、雨が染み込みます。雨漏れで気づくくらい漏ってくれればいいのですが、じわじわと漏って、野地板(屋根の下にあり、屋根材を支えている板)が最近の合板では腐ってブカブカになっていることがあります。特に乾きにくい北側はそうです。

やはり家の耐久性を考えると、最低限50年は地震が来ても大丈夫という考え方で造るべきだと私は考えています。できれば木造でも100年…そうすると、やはりこの材料は、どんなにコストを安くして欲しいと頼まれても、私は選択しないのです。

もちろん、このことをわかった上で初期の費用を安く抑えて、後でメンテナンス費用を掛けるという考え方をされていれば問題ありません。このようにメリットとデメリットをわかった上で選択するのであれば、その方の考え方ですから問題ありませんね。

この屋根材はアスベストの含有が問題となっています。メーカーによって年数は異なりますが、10年以上前のこの屋根材は、解体時も気を付けなければならないのです。最近のものはノンアスベストに、なっています。





神奈川県横浜市 ミタス 一級建築士事務所のホームページ http://www.mitasu.com/
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