一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

住宅の床材提案と注意点・無垢材(1)

2006年11月14日 12時08分46秒 | 住宅の材料を考える
こんにちは、清水煬二です。

床材について何回かに分けてお話していきたいと思います。

まずは、無垢材についてですが、今朝、数ヶ月前に全面リフォームが完成したお家にお伺いしていました。ご自宅でピアノを教えていらっしゃる先生で、グランドピアノとスタンドピアノをリビングに置いています。

そのピアノの先生が「いい音になったとは思っていましたけど、調律の先生も『いい音ですねぇ。へたなホールよりいい音ですよ。柔らかくていい。この床材がいいんでしょう。』と言われました。」と喜ばれていたのです。


床材そのものの質感や暖かさなども気に入って頂いていたのですが、言われてみるまで、無垢の床材の種類が音に関してそれほど関係することは私も考えていませんでしたので、私も「なるほど、良かった良かった」と思って、先程帰ってきたのです。

もっとも壁を2重張りにしたり、グラスウールを入れたりということは、ピアノの先生なので提案して行いましたが、サッシも変えたので気密性も良くなって、音が反射し過ぎて気になるのではないかと心配していました。完成時にもその心配はお伝えしていたのです。

この床材は、3センチの厚みの無垢材で無塗装品を現場で自然塗料で仕上げてもらっています。いつもよく行うパターンですが、節が気にならない方でナチュラル色でOKの人には、以前からお薦めしています。

節が無くて、少し色が付いているものを好まれる方には、別の15ミリの厚みの堅い無垢材です。その他のご希望の場合は、何を使うかまちまちですが、最初の2つは良く使うものです。


この方の場合、最初の3センチの厚みのものをリビングとダイニングに使い、隣の部屋は、15ミリの厚みでお手入れの簡単なナラ材の工場塗装済み品にしました。

「いつ温度計を見ても部屋の温度が2度違うのです。見た目は冷たいけど暖かい。いらっしゃる方にも家族にも評判いいです。」とおっしゃっていましたが、暖かさだけであれば、桐材や杉材の方が効果がありますが、価格や傷の付きにくさを考えるとこの赤松の無垢材は、お子様の部屋でも気にせず使えるのでお薦めです。ナラ材などよりは柔らかいですが、厚さ3センチで自然塗装ですので歩行感も良いのです。

この3センチの無垢材は合板の床材とは比べ物にならないくらい感触も歩行間も、見た目も良いのですが、仕上げ感の好みは個人差がありますので注意して下さい。


また、無垢材を使うにあたっての注意点が、設計時、選択時、工事時、それぞれあります。気になる価格のこともあります。これらに関しても、今後連番を付してできるだけ早めに何回かに分けてお話していきましょう。




今週土曜に今年最後の住宅の勉強会を行います。

神奈川県横浜市  ミタス 一級建築士事務所のホームページ 
http://www.mitasu.com/


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

住宅のサッシについて…

2006年11月04日 09時55分27秒 | 住宅の材料を考える
おはようございます。

住宅のサッシについて、簡単にお話しましょう。

サッシについては、国産のサッシメーカーが造っているアルミサッシが一般的ですが、
いくつか種類があり、他の選択肢もあります。断熱サッシであることが前提で考えてください。


寒冷地でなければ、2重サッシにすることはありませんが、ペアガラス指定は当然ですね。中には、居室のみという仕様を見かけますが、これはトイレや洗面、ローカ、納戸などは普通のガラスということですので、お薦めできません。

コストを落とすためにしているのでしょうが、昔と違い今はペアガラスの量産でコストダウンしていますから、僅かにアップしてもペアガラスで指定すべきです。


サッシ自体ですが、室内側と外部側の両方がアルミが多いのですが、この場合は間に樹脂を挟んで、結露防止というか断熱効果を良くする工夫がしてあります。これが最低限確保したいレベルです。今までのアルミサッシとそれほど値段の差はありません。

次に望ましいレベルは、室内側が樹脂になっているサッシです。結露や断熱性に優れています。欠点としては、見た感じが樹脂ということで抵抗を持たれるかもしれないということでしょうか。このサッシには、国内だけでなく海外製品も選択肢に入ります。海外製品ではガラス以外、オール樹脂ということもあります。

最も望ましいのは、内部側が木製です。これには、内外木製、外部はアルミや樹脂など選択肢も増えてきます。ガラスも単にペアガラスということだけでなく、ガスが入っていたり、熱線を反射したりという機能をもったペアガラスが標準となってきたりしています。

最後の木製でのお薦めは、海外製品は日本で実績のあるアンダーソンなどの高い部類のメーカーと、ぺラ社というやや割安の商品もあります。国産でのお薦めは、サッシメーカーより、旭硝子の「木まど」という商品です。履き出し(床からの大きな窓)サッシで、防犯ガラスのペアガラスの指定で既成寸法であれば、ガラスの価格まで考えれば、割高感はかなり無くなってはきます。

いくつかのメーカーを同時に使った時の注意点は、木製の場合は、メーカーが変わると色が異なることです。塗装で調整するかどうかです。アルミ同士の場合は、それほど気になりませんので、無視できるでしょう。

防火指定やガラスの種類、納期やサイズなどによっていくつか制約があるので、設計担当者に相談してくいださい。また、木製サッシの場合は、慣れていない大工さんや現場監督の場合、トラブルになりやすいことも注意です。梅雨時に開閉が硬くなることや、もともと開閉が硬めに感じますから、注意してください。


最後に、トップライト(天窓)はほとんどベルックスの木製サッシを使っています。性能や雨仕舞いにすぐれているからですが、説明書を読まない職人さんが取り付けると、やはり、大雨のときには雨漏れします。




ミタス 一級建築士事務所のホームページ 
http://www.mitasu.com/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする