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2013.08.20 ついに巡り会った素晴らしい本(台湾関係の本3冊)

 

前項で、私は「目は使えばよくなる?」という題で文章を書きました。

でも、実のことを言えば、それが私が言いたかったことではなかったのです。

上海旅行以後の読書の話の流れから「目の話」になってしまいましたが、それは私が

本当にお話したかったことの前書きに過ぎなかったのです。

 

2年前に兄妹3名で66年ぶりに上海の生家を訪ねるについて、私は出発前から、上海

関係の本などを読み始め、帰国後は範囲を拡げ、中国、韓国、アジアそして日本を含む

近代アジア関係の本を2年間でおよそ200冊読みましたが、それによりこの2年間は衝撃

とも言える程の大きな発見の日々でした。

私がどうしても書きたかったことは、このことだったのです。

 

特に私が感動したのは、外国人で留学生として日本に来訪し、そのまま日本人になってし

まった執筆家の著作でした。

特に、黄文雄(台湾出身)、呉善花(韓国出身)、石平(中国出身)の諸氏の本は、

対談集、鼎談集を含めてほとんど読みました。

呉さんと石さんは、反日教育の激しい国から来日し、その後、国で教えられたことと日本

での現実との違和感に悩み、あまりの乖離に驚き研究する内に日本と日本人について多く

の気付きがあり、そのまま日本に留まり研究を続け今では日本に帰化された方で、沢山の

著作を出版されており、その卓越した分析力にはただ驚くばかりです。

石さんは、知識人であった父母が農村へ強制労働に行かされ漢方医であった祖父に育てられ、

その祖父は隠れて論語を紙に書いて石平少年に覚えさせ、その紙を回収して台所の流し台で

消却していた。その祖父が伝えたかった儒学が日本で更に研究され、極められていたことに

衝撃、更に中国古来の文化が日本に根付き、さらに昇華された形で残っていることに深く

感動し日本人となられた。又、呉さんの比較文化論は秀逸で、多くのことを教えられました。

又、黄さんの博覧強記には脱帽で、まだまだ日本人とは何ぞやという研究を深め鎌倉室町

時代、更にもっと遡りたいとして調査研究を続けておられる方です。

これらのことは、本来日本人こそ知っているべきことですが、逆に日本人ではなかったか

らこそ、発見し得た日本人論であるかもしれません。

この3人の方々のこれからの研究が本当に楽しみです。

この方々の本は、今では本屋さんで大量に平積みされているので、ぜひ読んで頂きたいと

思います。

 

その他、この2年間に出会って感動した本は枚挙にいとまが無い程で、まさに驚きの連続

でした。

順次お知らせしたいと思いつつ、多忙で果たせずにおります内に、とうとう、私にとって、

これがある意味一つの終着点とも言える、魂を揺さぶられる3册の本と巡り会いました。

 

 

この2年間の集大成と言っても過言ではないその3冊を下に順次ご紹介したいと思います。

 

(1)

まず、李登輝さんの「武士道解題」、これは新渡戸稲造の「武士道」を解説したものです。

李登輝さんと言えば、台湾の総統であった方、日本が敗戦するまで(22歳まで)日本人

であった方です。

武士道というと、封建的なものというイメージしかなかった私は、この台湾の方に武士道

について教えて頂くまでは、それが何なのか知りませんでした。

武士道は日本人の心の規範で、それは一朝一夕に出来たものではなく、民族の長い精神的

土壌から醸し出されたもので、日本の精神文化の集大成であることを知りました。

東日本地震の災害にも、混乱すること無く気丈に立ち向かうことが出来たのは、これらの

長い文化的遺産が我々の心の底に根付いていたからだと思います。

私たちが立派だったと言うより、それは受け継いだ資質だったのです。

 

「武士道」と言う本は英語で出版されましたが、これを読み感激したルーズベルト大統領

がこの本を何十冊も買って自分の5人の子供達全員と知人に配ったそうですが、その他

海外の多くの知識人が驚愕し、絶賛したことは有名です。

「武士道」に関わった3人の大統領 」

 

その割に日本ではあまりこの本は読まれていなかったのではないでしょうか?

五千円札の肖像の人でしょう?と言う知識はあっても、その偉大な功績は(台湾の農業振興

への功績を含め)殆ど知られていないと思います。 実は私自身がそうでした。

奇しくも又、元日本人とは言え、外国(台湾)の方に武士道、そして日本人の心の素晴ら

しさを教えて頂きました。

 

 

 

(2)

そして、私が一番驚きそして感動したのは、何を隠そうこの本です。

「台湾人と日本精神」(日本人よ 胸を張りなさい)蔡焜燦著 小学館文庫

 

この方も、20歳ぐらいまで日本人だった人で、今は台湾の方です。

本の内容は、あの素晴らしい国、日本の人たちが、戦争に負けたことによって自信を

失い自虐的になっていることをどうかやめて欲しいと言うものです。

日本精神を忘れないで欲しいと訴えています。

 

少し抜粋します。

「昨今、日本の警察や医療機関の不祥事、さらには教育現場の荒廃をよく耳にするが、

いったいどうなっているのか。

かっては台湾を近代化に導き、そして人々から尊敬を集めた警官や医師、そして教師達が

なんたるさまか。

かっての日本人は立派だった。

公職に就く者の心構えは民衆の絶大な信用を集め、人の生命を預かる者の使命感に人々は

崇敬の念をいだいたものである。いま一度、故きを温ね日本人が世界に誇った「魂」を学

ぶべきであろう。

どうぞ心に留めて頂きたい。

日本は、あなた方現代の日本人だけのものではない。我々“元日本人“のものでもあることを。」

 

あとがきに、

「祖国•台湾よ永遠なれ」

「かっての祖国•日本よ永遠なれ」

私は“二つの祖国”の弥栄(いやさか)を祈り続ける。

 

…とあります。

 

日本を、そして自国台湾を愛する気持ちが行間から滲み出ています。

遺言と思って書いているとのことで、その心情は気迫に満ちています。

 

私は読みながら泣き続けました。嗚咽がとまりませんでした。涙が吹き上げて来ました。

今、これを書く為に数ページを読み返すだけで、又声を上げて泣いています。

この本の巻末に、私はひとことだけ感想を書いていたのを今発見しました。(下の写真)

<この本に出会えたことに感謝!! 2013.7.12 読了>

その日付は先月で、先の上海旅行から帰って来た日から、2年目の日付でした。

この間に私は200册の本によってどれだけ多くを学ばせて頂いたことでしょう。

そして、丁度2年目に、私はこの本を読了したという偶然にさえ感動を覚えます。

 

 

なお、この本が出版されてから既に13年も経っているのに、私はこの本を知らなかった。

そのことが、本当に残念です。

しかし、もし以前に読んだとしても、自虐史観に染まっていた私のこと、真意を充分に

汲み取れ無かったかもしれません。

約200册のアジア関係の本を読んだ今だからこそ、その集大成として出会えたと思います。

今の今、出会ったことが、私の幸運だったかも知れないと感謝しております。

これから、何度も何度も読み返す積もりです。皆さんも、ぜひ一度読んで下さい。

 

 

 

(3)

日本の文豪 司馬遼太郎の 街道を行くシリーズ 「台湾紀行」

 

上の本は、街道を行くシリーズの中で唯一、政治的な内容に触れた著作だそうです。

この本は台湾の元日本人への力強い支えとなりました。この中に出てくる台湾の歴史は、

大変分かりやすく、又終戦前の台湾人と日本人の心のつながりがよくわかり、それらの

逸話はまるで詩の様で、暖かい涙で心が洗われました。

本当に素晴らしい本でした。この本も、何度も読み返すつもりです。

 

これらの3册の本は、上海旅行後2年間で読んだ本の最後に現れた3冊でした。

そして、私が台湾を扱った本を読んだのはこれらが最初でした。

アジアの他の国を扱った多くの本の最後に、満を持しての台湾の登場でした。

私は無知で、台湾と日本との深いつながりさえ、殆ど理解しておりませんでした。

そして、この3冊に、私は激しく揺さぶられたのです。

自分は、何もわかっていなかった。一体何を考えていたのであろうかと。

 

 

最後に、これらの本と直接関係ないのですが、私が最近気付いた衝撃の事実があります。

戦後、日本を愛さない集団に日本の政治は牛耳られてきました。

何ともったいない68年であったことでしょうか。

自虐病に罹って自信を失っている間に、その集団の主張が罷り通って来ました。

日本の品位を著しく落として来ました。その目的通りに…。

しかし、おとなしく自己主張をしないという日本人の特性は、世界には通用しません。

国の消滅を願うならばいざ知らず、日本を守りたいのであれば、誇りを持った日本人に

なりたいものです。

世界の人々からよく、「日本人だけが、日本の良さを知らない。」と言われます。

もっと知りましょう。自らの国の素晴らしさを!

 

もう、自虐はやめませんか?

誇りを取り戻しませんか?

我々の先達の素晴らしい心の遺産に目を向け感謝しませんか?

その礎の上に、豊かな未来を築いて行きませんか? 日本を愛する仲間達で!

 

そのことを、国の外の方々から教えられたことに、感謝と忸怩たるものを感じながら、

これは、自虐史観の呪縛から偶然にも解き放たれ覚醒した私の大仰に言えば魂の叫びです。

 

          <長文を読んで頂き感謝致します。>

                             ( 完 )

コメント ( 5 ) | Trackback (  )
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コメント
 
 
 
こんにちは (YY)
2013-08-21 14:14:50
まだ、熱い日が続きますが 体調は大丈夫ですか?

ブログを読ませまて頂き 見事な観察力に同意しております。

今の日本人の日本国民は周りに惑わされ振り回されており、人間として人として大事なものを忘れているように思います。

最近、ネットにて 大切な宝物 の歌が出ていますが 何が大切かを改めてみつめなおして頂きたいですね。

次回も期待しております。
 
 
 
こんにちは (YY)
2013-08-21 14:14:52
まだ、熱い日が続きますが 体調は大丈夫ですか?

ブログを読ませまて頂き 見事な観察力に同意しております。

今の日本人の日本国民は周りに惑わされ振り回されており、人間として人として大事なものを忘れているように思います。

最近、ネットにて 大切な宝物 の歌が出ていますが 何が大切かを改めてみつめなおして頂きたいですね。

次回も期待しております。
 
 
 
ありがとうございます。 (みずえ)
2013-08-21 14:36:58
Y.Y様
長文を読んで頂き、恐縮に存じます。
同感して頂きました由、うれしく思います。

>ネットにて 大切な宝物 の歌が出ています
とのことですが、それを教えて頂けませんか?
 
 
 
Unknown (YY)
2013-08-21 15:29:15
直メールにて送付しました。
Youtubeに歌手の山口さんか歌っておられる歌で 大切な宝物です。
 
 
 
拝見しました。 (みずえ)
2013-08-22 12:10:55
Y.Yさん
ありがとうございました。
素晴らしいですね。
まさに武士道がソフトな形で、若い方々にも根付いているのですね。
やっぱり素晴らしい。日本に生まれて感謝です。
 
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