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絞首刑執行前 最後の手紙より

2008-10-21 | ニュース 社会

毎日・21日朝刊に掲載された、強盗殺人罪で9月11日に死刑が執行された萬谷義幸元死刑囚(執行当時68歳)の記事について私なりに考えて見たい。記事は元死刑囚が3人の弁護士に宛てた手紙を公表したもので、死刑制度の見直しを願う弁護士の立場からのものだ。最初に疑問なのは、仮出所に関してだ。法律では無期懲役刑の場合は、改悛の情が認められ10年を経過した者が該当するようだが、この制度は刑務所の運営をやり易くするため、もっと言うと、仮出所をちらつかせる事によって受刑者が係官に逆らわないようにするための手段ではないのか。萬谷被告は強盗殺人罪で服役中の87年に仮出所したが、その後、女子短大生を強盗目的で刺殺するなど4件の事件を起こしている。仮出所を許可した役人はその後の事件についてどう思っているのか、どの様な経緯で萬谷受刑者が改悛の情をあらわしていると感じたのかを聞きたい。仮出所が無ければその後の事件は無かった訳だから。次の疑問は、萬谷元死刑囚の手紙に関してだが、弁護士の言う「罪を犯した時の人間から生まれ変わったという気がした。これだけの心境になった人も、あえて国家が命を奪う死刑制度。多くの人に見直しを考えてほしい」という一文だが、死刑が決まっているからこその心情の吐露、心境の変化だと言う気がする。順序がさかさまではないか。被害者の女子短大生の母親(76)の言葉「罪はどうにもならず、反省しても娘が帰ってくるわけではない。事件から20年が過ぎたが、怒りと悲しみは癒えない。死刑は当然で、死刑制度は必要だ」の言葉のほうが重い。世界の潮流が「死刑廃止」に向かっているのは理解できるが、日本の場合はまず、終身刑を創り、仮釈放や恩赦などの制度を廃止してから議論を始めるのがいいだろう。

今日の一枚も、薬師寺です。

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