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Blue Sky Love Sky

空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

見事な編隊

2008-10-12 21:27:25 | Weblog
陸上自衛隊八尾駐屯地(八尾空港に隣接、阪神淡路大震災で活躍した部隊)で記念行事に伴う飛行展示が行われました。日頃の厳しい訓練を遺憾なく発揮して済々と飛行展示が行われ、感服しました。中でも観閲飛行では、航空隊及び駐屯地所在の合計22機のヘリコプターが編隊飛行訓練を行い日頃の実力を見せてくれました。がっちり組んだ見事な編隊を披露して、高い士気・団結と日頃の規律ある厳しい訓練を通じた技術の高さを披露していました。写真は5機の傘型隊形を組んだUH-1が2個梯となり編隊飛行している様子です。まさに編隊飛行の中でも最も難しい技術と強い気力と忍耐を必要とする訓練科目です。さすがに2府19県の広域を担任する中部方面隊の重要な機動部隊と評価されている由縁ですね。最近あらゆる機関において、このような厳しい訓練を積み上げることより、かつて積み上げた既存する実力を使うことだけを強調して人員削減や訓練費の減額などが行われていると聞きます。危機管理をお願いする国民から見れば、誠に困ったものですが、人員の不足や、航空燃料の不足を補って、情熱をもって黙々と懸命に訓練に励む隊員の皆さんを心強く思うと同時に、心から応援したいと感じました。多くの市民が期待していますので、益々頑張って頂きたいものです。

T-7,AH-64D,YS11

2008-10-09 10:15:27 | Weblog
木更津航空祭で地上展示されていた航空機の一部です。手前から、航空自衛隊のT-7初等練習機、次いで陸上自衛隊の戦闘ヘリコプターAH-64Dアパッチ、一番後方が海上自衛隊が保有しているYS-11です。写真は開場直後の映像で、観客が続々と押し寄せているところです。人気が高かったのは、やはり戦闘ヘリコプターAH-64D「アパッチ」でした。今年は燃料が不足しているからでしょうか?アパッチの展示飛行はありませんでした。昨今、北東アジア情勢が懸念されていますが、今こそ危機に際して、国民の生命財産を守るための実力発揮を自衛隊に期待されていると思います。戦闘ヘリコプターAH-1SやAH-64Dは決して「張り子の虎」ではなく、実際に戦闘能力が高いことを示して抑止力とするとともに、止むを得ず必要な場合は、迅速機動対処力として有効に機能させ得ることを示す必要があると思います。このためには、日頃からの厳しい訓練を継続することが不可欠ですね。写真は10月5日に撮影しました。

AS225LPの3機編隊

2008-10-08 08:01:17 | Weblog
前述のように、木更津第一ヘリコプター団は、永年国賓等の空輸を担任してきました。このAS225LPは、一昨年の木更津航空祭で初めて地上展示されていました。その後要員の訓練などを経て、今年の北海道洞爺湖サミットでは各国の要人などを空輸しています。3機が揃って編隊飛行する写真は珍しいので、掲載しました。写真は10月5日の第一ヘリコプター団創立40周年記念観閲飛行の際に撮影しました。

V-107 36号機

2008-10-07 17:58:31 | Weblog
嘗てのVIP専用ヘリコプターです。我が国のヘリコプターによるVIP空輸は、歴史を遡れば、伊勢湾台風の被災地視察のために使用された当時最新鋭の「V-44」があげられるでしょう。その後「UH-1B」60号機の座席シートなどをVIP用に改装して、総理大臣、衆参両議長など国会・政府の要人などの輸送に使用されました。その後使われたのが、この「V-107」36号機です。作戦機とは違い、民間機の仕様で、窓が多く付いています。内部にはサロン風の座席もありました。外国からの国賓等の輸送にも使用されました。その後は、「AS332L」(スーパーピューマ)が導入され、中曽根総理大臣の頃から東京サミットなどで国賓等の輸送用のために本格的に運用されました。この「AS332L」は、第一ヘリコプター団に臨時編成された特別輸送ヘリコプター隊に配置され、数度の東京サミットや我が国を訪問した国賓等の輸送、大規模災害時の天皇陛下の行幸などに運用されました。沖縄サミットを最後に老朽化による更新が計画され、新しい「AS225LP」に更新されることになりました。北海道洞爺湖サミットでは、「AS225LP」が使用され、現在に至っています。陸上自衛隊木更津駐屯地で、この歴史ある航空機の保存に努力されていることに心から敬意を表したいものです。最近経費が無いため歴史的なものを保存する費用や場所もないと嘆く声も聞こえますが、なんとか引き続き保存出来るように、皆で応援したいものです。

Sー61A(海上自衛隊多用途回転翼機)

2008-10-06 10:41:43 | Weblog
木更津航空祭に参加するため飛来していました。まだこのヘリコプターが飛んできていることに感激しました。同系列のHSS-2(ダッシュⅡ)とともに一時期海上自衛隊の主力機として長く使われた名機です。1400馬力のタービンエンジンを2基搭載して、総重量約7.6tの機体を持ち上げて、巡航115Kt程度で飛行できます。胴体下部は船のようになっていますが、波が静穏な状況では洋上に着水して救助活動なども可能でした。砕氷艦「しらせ」に搭載されて南極での物資輸送に活躍したことでも有名ですね。もう少しで退役するでしょうが、彼女も最後の美しい姿を多くのファンに見てもらって嬉しかったことでしょう。写真は10月5日に撮影しました。

ピッツスペシャル

2008-10-06 10:23:28 | Weblog
木更津航空祭でアクロバット飛行を展示した、「エアロバティックチーム」のピッツスペシャルです。曲技飛行用に設計された複葉機で、200馬力のライカ民具の水平対向エンジンを積んで独特のエンジンをんを楽しませてくれます。各地の航空祭などで展示飛行をして航空ファンを喜ばせていますね。今年は木更津航空祭も秋の好天に恵まれて約30分のデモ飛行をしました。当日は、チーフパイロットのサニー横山さんが操縦する見事な演技でした。写真は10月5日に撮影しました。

UH-60JA リペリング

2008-10-05 20:43:04 | Weblog
木更津で陸上自衛隊中央即応集団隷下の第1ヘリコプター団の創立40周年記念行事・木更津航空祭が好天の秋空の下で行われていました。陸上自衛隊中央即応集団には、第1空てい団と第1ヘリコプター団が中核の部隊であり、双方の部隊の隊員が繰り広げる訓練展示は迫力がありました。中でも、テロ対処などで運用されるUH-60からの迅速なリペリングは、さすがでした。ヘリコプターが上空で停止・ホバリングするのとほぼ同時に空挺隊員が瞬時にリペリング降下・着地していました。撮影が間に合わず、一部の隊員は映っていません。さすがに厳しい訓練が行われており、逞しさを感じました。AH-1SやUH-60JAなどのヘリコプターからの火力援護の下、空挺部隊隊員が降下を強行する場面の展示でした。子の他に空挺降下の展示や、CH-47による戦闘車両の機動などが展示されました。最近の北東アジアの情勢が流動的で不安定化している報道を見るにつけて、中央即応集団の各部隊の厳しい訓練に裏付けられた自信にあふれるオペレーションを期待せずにはおれません。小規模の運用は勿論できますが、一個大隊規模くらいのやや大きい規模の統合機動運用を含む訓練がいっそう強化されることを望んでいます。また、前回既述したように、即応性の原点は、シフト任務が可能な体制作りにあることをもう一度嚙みしめてその整備を併せて行いつつ頑張っていただきたいものです。

ティルトウイング無人機

2008-10-04 08:58:23 | Weblog
パシフィコ横浜で開催されている「JA2008(2008国際航空宇宙展)」へ行ってきました。4年ぶりの開催ですが、今回は、防衛省で開発中のXP-1,CX、やUS-2、わが国初のジェット輸送機「MRJ」、「SUBARU-JET」などのモックアップが展示され、新たな時代への芽生えを感ずるものがありました。また、宇宙プロジェクトへの関心も高く、その展示が増えていたのも特色の一つです。また、前回は無人機の概要展示も多かったのですが、今回は、実証され実用化が見えている数機が展示されていました。その中でも特に興味を覚えたのが、写真のティルトウイング4発プロペラ式の無人航空機システム(UAS)でした。写真のいちばん手前の機体が実証中のものです。最大離陸重量は30kg、巡航速度100km/h、進出距離約20km、電動モーター4基による駆動で、ペイロードは約5kgと言うものでした。自律航法のテストを終了して、プロトタイプを製造できる段階のようです。電動モーターのため、静かで一定の高度を飛行すれば発見される恐れも少なく、高性能のセンサーを搭載して監視、情報収集など多様な任務に使えるとPRされていました。細部は、「http://www.ghcraft.com/QTW/pdf/081001_QTW_FS4.pdf」に掲載されています。
無人機も、各種サイズのものが出揃い、実運用に使用される時代になったと思います。しかしながら、対流圏での無人機の運用は、気流の変化などでの環境適合性を理解しないと運用できませんが、それを無視していつでも運用可能だと思う人もいるから、注意が必要です。さらに、まだ航空法など関連法制度との整合ができていませんので、日頃からどこででも使用することが困難です。欧米では、有人機と同一の宇宙空間での運用ができるように航空法と同じレベルでのルールにもとずく無人機の運用を目指して調整がされています。わが国は、この面では数年遅れており、狭い国土で航空路・航空管制区・管制圏がひしめく陸上での500ft以上での運用は困難を極めています。(500Ft以下の目視距離での運用は、農薬散布などで実績がある)外国では、同じように陸上での運用が難しいところでは、離着陸場所を海岸付近にして沿岸を低空で飛行し、洋上の航空路・管制区に該当しない空域で運用試験をしたりしているところもあります。わが国も将来の人口の減少、経費の節減など多くの要因から無人機を運用する機会は多くなると思いますが、有人機との住み分け、上手く共存できる法的・技術な内容を含めた運用環境の整備が欠かせないですね。

即応性向上と連続長期運用のために

2008-10-01 12:03:07 | Weblog
ヘリコプター部隊は各種災害や危機管理において欠かせないものとして高く評価されるようになりました。しかしながら、その運用にはまだまだ多くの課題を残しています。長期間連続しての即応運用と、最新の技術や知識を身につけていくための教育訓練を継続して行うために欠かせないものが「シフト体制」です。防衛省では、航空自衛隊・海上自衛隊の救難部隊などがその例ですね。通常「任務」ー「休養」ー「教育訓練・待機」ー「任務」と言うサイクルをチームごとに運用することにより最新の高度の技能を持ったチームが即応して行動し、必要な休養を取ることで連続運用が可能になるのです。大規模災害時に、休養を2週間取れなかった場合何が起きたのかは、「ヘリコプター災害救助活動」(内外出版)で記述されています。阪神淡路大震災の際の陸上自衛隊航空部隊が行った待機態勢のように、部隊の判断で、出動する機数を減らして連続運用を行うことになります。編成する一個チームの規模は、一度の任務で必要とする能力規模を原点として決めます(危機管理上は最大の要求所要規模に合わせるのが通常)ので、それぞれの部隊の置かれた状況によって変わります。しかし即応性と連続運用性を高度に求めれば求めるほど、このシフトの概念はどの組織においても必ず必要です。実際に行動する部隊ですから、一人でも人員が不足すればそのチームは動けなくなるか、負荷が偏在して危険な状態が生起します。今や、一般行政組織と同じような人員削減の波に洗われて、当面の即応性の維持さえ困難になっている部隊さえありますね。国や各自治体はヘリコプター救助活動を重視して国民や市民に人命・財産の保護と言う最も基本的なサービスを行いたいのであれば、人材を確保し、十分な教育訓練をし、これを順番にシフトに従って365日24時間運用する覚悟を持って体制を整備すべきだと強く感じています。

災害の発生時刻と即応性

2008-09-11 10:16:42 | Weblog
平成20年6月14日(土)0843、岩手県内陸南部の深さ8kmを震源としてM7.2(最大震度6強)が発生(「平成20年岩手・宮城内陸地震」)した。この地震では、自衛隊や消防防災、海上保安庁、警察など関係機関のヘリコプターの対応が極めて速かったことで賞賛された。関係者の即応性維持に対する日頃の努力に敬意を表したいと思います。その際、某報道機関は、阪神淡路大震災の際は、地震発生から約1.5時間かかっているのと比較すれば教訓が活かされて素晴らしいことだと表現していたが・・・、本当にそうなのだろうか?出動に要した時間はその通りでしょうが、地震の発生時刻とか、気象条件、装備機材の保有状況、待機のための宿舎の整備とか出動に係る環境の全体像を見てからコメントする人は少ない様に思われます。そこで、少し最近の比較的大きな地震と発生時刻と出動の状況について考えて見ましょう。阪神淡路大震災は、ご承知の通り、平成7年1月17日(火)0546に発生しています。当時の冬の早朝は、どのような気象状況だったでしょうか。当日は、日の出が0704、日没が1712で、一年でも一番日中の時間が短い時期です。5時の気温は1℃位(大阪で北東の風1.6m、気温2.4℃)で、霜が降りており、とても冷えていました。神戸の西から淡路島東部地域にかけては小雪でした。ヘリコプターなどを運航したことのある人はよく理解できるでしょうが、航空機をエプロンに搬出して、気象条件をチェックし、暗闇で機体のチェックをし、エンジンを始動しても、油温などがグリーンに入るには相当の時間を要します。また、当日は1月15日16日と連休の翌日でしたので、自宅に帰っていた関係者も多かったはずです。従って、航空操縦士などの参集に相当の時間を要しています。航空機などを運航するためには、いわゆる「チーム力」が問われるのですが、当時としてはその環境条件を客観的に見れば、決して遅くはなかったと感じています。その後一時、関係者の宿舎などを基地近傍に移すことなどが検討されましたが、金が無いことなどを理由に十分に反映されていないことは言うまでもありません。
 そして、平成16年10月23日(土)1756に発生した新潟県中越地震の場合は、秋の夕方で、日暮れ後でした。したがって、新潟空港などへの移動や比較的高い高度での情報収集は夜を徹して行われましたが、十分な機材を保有していない機関は夜間はあまり動けませんでした。陸上自衛隊がヘリコプターに搭載していたFLIR(赤外線映像装置)を活用して、新潟新幹線が脱線しているなどの情報を収集していましたが、リアルタイムでの情報共有が課題とされました。中山間地での被害の細部が明確になったのは、翌朝になってからのことです。土曜日の日が暮れた後の時刻での災害発生への対処の困難性を物語っています。
 さらに、平成19年7月16日(月)1013に発生した新潟県中越沖地震は、午前中の明るい時間帯に発生しています。この地震では柏崎刈羽原子力発電所3号機の変圧器が延焼して注目されました。当日は、月曜日ですが、海の日の休日で多くの人が休んでいた日に発生しています。
 次に当初書きました、岩手・宮城内陸地震ですが、発生時刻が0843と言う正に、防災関係機関が毎朝実施している各種機材のチェックを終了する時間帯であったこと、夏の朝で天候が良かった事が幸いしています。ヘリコプターなどは、朝一番に機能チェックをしておけば、すぐに出動ができます。そのために各機関が日頃訓練しているとおりの極めて早い初動対応ができたわけです。
 ところが、続いて発生した岩手県沿岸北部地震(平成20年7月24日(金)0026発生)では、発生時刻が深夜であることから、即応して対応したのは、機材を保有し、日頃から夜間の訓練をしている自衛隊だけでした。それも沿岸地域は海霧が出ていたために行動が制限される中での必死の情報収集が行われています。夏の地震ですから、早朝4時ころには明るくなるため、早朝から本格的な情報収集が行われたようです。幸いにして地震の発生メカニズムの特徴から被害が少なくて事なきを得ました。
以上大まかに最近の地震について発生時刻と即応性について見てみましたが、さらに詳しく比較検討しておくと今後の参考になると思います。ヘリコプターなどによる情報収集と救助活動の即応性は、地震の発生時刻と極めて関連が深いことがわかります。これを克服するには、要員の交代制をを含めた連続待機態勢体制の整備と夜間などの各種気象条件に応ずる訓練はもちろん、各種装備の充実や宿舎の整備などについて包括的に検討され、これを実行することが極めて重要であることを承知して頂きたいものです。このような検討を踏まえた上での報道機関などのコメントがされることを期待しています。