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空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

UH-1編隊

2008-05-13 23:15:49 | Weblog
ミャンマーや中国で大規模災害が発生し、救助を待つ被災者が大勢います。ミャンマーも中国も外国からの救助部隊などの人的支援を求めていません。阪神淡路大震災では、当初海外からの救援に対して違和感を持つ向きもありましたが、米国やオーストリアなどが、迅速に援助のための物資や救助チームを派遣してくれました。救助犬を使った外国チームが活動している映像を覚えている方も多いでしょう。当時自衛隊のヘリで空港から現地までその救助チームを空輸しました。最近のNEWSを見ても、ミャンマー・中国ともに地上部隊の行動だけが目につきますが、もう少し機動性のあるヘリコプターなどを活用して救助活動が進むことを期待しています。阪神淡路大震災では、写真のUH-1編隊(石原氏提供)が傷病者の搬送、水・食糧の空輸などを警察・消防防災機関のヘリなどと連携して、多くの人命を救いました。道路が途絶する水害や地震災害では、ヘリコプターなどの空中機動力を活用する救助活動が欠かせないと思います。UH-1クラスは、航空自衛隊のC-130に搭載できるため、迅速に海外の現地への移動が可能であり、パキスタンの内陸地域での災害でも活用されました。派遣に時間がかかっても良い場合は、スマトラ地震津波災害で海上自衛隊の輸送艦で派遣された、UH-60やCH-47による活動も可能でしょう。ミャンマーなど沿岸地域の救助活動には海上自衛隊の輸送艦をベースに活動を行うことも可能だろうと思います。被災国からの要請があれば、医療活動や水・食料等の物資輸送にヘリコプターを活用されることが望まれます。
中国の今回の巨大地震の被害は、わが国でも心配されている、東海・東南海・南海地震が同時に生起した場合のケースに当たるかもしれません。災害直後の救助活動が、国のすべての機関、すべての資源を有効に活用して行われるように、体制整備をしておくことの重要性を教えてくれていると思います。
近年、国も地方自治体も財政的な事情から危機管理のための各種整備についても減額され、備えが停滞しているように思います。人的被害を最小限にして、早期に救助活動等を行い、社会活動ができるまでに回復・復興させることがいかに大切であるのか。そのためにはあらかじめ想定される災害に備えて各種準備をしておくことが重要であることを今回の地震被害から改めて学ぶことが多いと思います。
阪神淡路大震災から13年が経過し、その教訓が風化しつつある時期に発生した中国の巨大地震の教訓を我が国としても学び、予め整備しておくべき体制を整えたいものです。
その一つが、ヘリコプターなどの継続的な整備であろうと思います。防衛省のHPなどを見ると、ヘリコプターなどは財政的な理由から装備機数がどんどん減少しているように感じます。自衛隊、消防防災、警察、海上保安庁など災害対処・危機管理に必要なヘリコプターの整備や、関連の要員育成などは財政的に苦しくても継続的に充実させる努力が必要だと思います。災害時には、性能の高いものはもちろん必要ですが、圧倒的に多い被災者に対処するための機数の確保も大切であることを忘れてはならないと思います。我が国のヘリコプターは、平成7年ごろは官民あわせて約2000機あったものが、最近は1600機を切る状態だろうと思います。いつ発生してもおかしくない我が国の巨大地震に向けて、国をあげて努力し、整備しておきたいものです。