Blue Sky Love Sky

空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

集中豪雨災害でのヘリコプターの活動(2)

2009-07-28 17:48:30 | 趣味・航空機
山口県防府市で発生した集中郷による土石流で、多くの被害者が出ました。消防防災はじめ自衛隊や警察等関係機関のヘリコプターは救助活動を行っています。消防庁のHP(http://www.fdma.go.jp/data/010906271600225983.pdf)に掲載されている7月21日の大雨について(第15報)によれば、山口県防災ヘリコプターはもちろん、近隣の消防局などからの広域航空消防応援が行われ、多くの被災者を救助しています。21日に防府地域に集中したのは、福岡市消防局、北九州市消防局、広島市消防局のヘリコプターであると記されて(詳細はHP参照)いました。それぞれの消防防災ヘリコプターが孤立者の救助活動は、21日から22日にかけて集中的に行われたようです。TVなどでも報道された「ライフケア高砂」の屋上や孤立した集落からのホイストによる吊上げ救助等が行われています。また22日には孤立者の救助の他、孤立地域への食料・飲料水等の搬送も行われました。大雨による災害の場合は、雨によって視界が悪くなってヘリコプターの出動が困難な場合もありますが、当該地域の高圧線や鉄塔などの障害物の状況が正確にわかって、視程が回復すれば、救助活動のために低高度に降下して活動することが可能となります。ただし、正確な情報収集をして安全を確認しておかなければ、大変危険なことであることを運用者は理解しておく必要があります。写真は山口県防災ヘリコプター等と同型(BK117)シリーズ機で、先日つくばヘリポートで撮影したものを使用しました。

集中豪雨災害でのヘリコプター救助活動(1)

2009-07-28 16:49:55 | 趣味・航空機
福岡・山口県等での集中豪雨による災害が多発しています。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。防衛省HPを見ると7月26日(日)に福岡県筑紫郡那珂川町で発生した孤立者の救助によって100名の孤立者全員が救助された内容が報告されていました。福岡県知事が1530に陸上自衛隊第4師団長に災害派遣要請し、4師団長は師団飛行隊のOH-1×1によって、周辺の障害物・気象状況等の情報を収集をさせ、安全確実に救助する方法を決定し、UH-1×3機を送りこんで、1819までにキャンプ場に取り残された孤立者全員を救助したようです。集中豪雨による災害にはいろいろなケースがありますが、河川の増水による孤立者の救助もその特徴的な災害です。濁流が地上からの救助を阻み、ヘリコプターによる救助しか手段がないことが多く、河川が逐次増水する中で迅速に救助をしなければなりません。要請をする現地の人は、ヘリコプターが着陸できる場所の有無、周辺の障害物の状況、風向・風速や視界など気象状況等見える範囲でできる限り正確な情報を速やかに災害対策本部などに連絡することが救助を迅速かつ安全確実にするために、とても大切であることを知っておくと良いですね。(お断り:写真は今回の災害時のものではなく、以前撮影した編隊飛行のものを使っています。)

KB117-B2(茨城防災ヘリコプター)

2009-07-04 17:34:21 | Weblog
つくばヘリポートを拠点に活動しています。ヘリコプターはBK117-B2で、福島県・栃木県の近隣3県で相互応援協定(FIT)を結んで協力体制を維持しています。茨城県は、海岸線も長くまた比較的標高の高い山地もありますので、水難事故から山岳事故、林野火災など幅広い災害に捜索・救助・空中消火等の活動を行っています。茨城県消防防災課HP(http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/seikan/shobo/shobo.htm)によれば、防災航空隊の隊員は、県内各地の消防本部から選抜された隊員が勤務し、ヘリコプターの運航に関しては、つくば航空(株)に運航委託をして365日交代勤務制を敷いて活動していると記されていました。ヘリコプターによる災害時の初動の情報収集・救命救助・孤立被災者の救助などの有効性は、阪神淡路大震災以降強く認識されて、各都道府県及び政令市において消防防災ヘリコプターを逐年増強し、運航されています。1993年3月末で28機であったものが2008年3月末現在には75機に充実されて国民の生命財産の保護に活躍しています。消防防災ヘリコプターも新潟県中越地震、中越沖地震、岩手・宮城内陸地震など最近の大規模災害では迅速な広域運用による対応を行って成果を上げていますが、要員の確保や財政的な課題があり、常時完全な昼夜運航を行っているのは数個の都県だけです。茨城県防災航空隊も0830~1730までの昼間運航が通常で、日の出から日没までの時間帯は緊急運航ということ(近年は山村からの救急患者の搬送や医師など医療チームの災害現地への搬送のための緊急運航が増加)にしているようです。消防防災ヘリコプターは、将来的には、夜間・悪天候時の運航に必要な交代勤務要員・訓練時間の確保や航空操縦士の計器飛行証明等の資格保有等を可能(財政支援)にして、いつ災害が発生しても初動から対応できるように検討されています。