Blue Sky Love Sky

空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

SH-60K

2009-05-29 08:51:21 | Weblog
熊本空港に隣接する陸上自衛隊西部方面航空隊の記念行事で地上展示されていました。UH-60Jモデルを我が国の技術で能力向上を行ったヘリコプターです。ローターの先端が下側に湾曲して推力を向上させているなどの特色があります。UH-60シリーズのヘリコプターは、報道で御承知の通り、ソマリア沖の海賊対処のために派遣されている艦艇にも搭載されて広域の情報収集と警告・警護等のために活躍しています。5月28日には新たにP-3Cのチームがジプチに向けて厚木飛行場を飛び立ちました。インド洋~アデン湾にいたる広域の情報収集などに当たる為と言われます。防衛省のHP(http://www.mod.go.jp/j/somaria/index.html)でその行動について概要が把握できます。




編隊飛行群上空通過

2009-05-25 08:35:29 | Weblog
熊本空港に隣接する陸上自衛隊西部方面航空隊の記念行事に伴う編隊飛行がおこなわれていました。例年の行事ですが、今年は固定翼機であるLR-2、1機を含み総数14機で見事に行われていました。編隊飛行はとても厳しい訓練を積み重ねなければ、一定のレベルを超えることはできません。航空部隊の技能や士気・団結力などの総合的な力を見る一つのバロメーターとしての価値があるために、記念行事などでは観閲編隊飛行が行われます。さすがにここ熊本の部隊は精強そのものですね。写真の中にみえるLR-2は直上でヘリコプター編隊群を超越して先頭に出るように計算されて飛行しています。秒単位の緻密な計算と、編隊群指揮官の号令に従って隊形を維持して飛行するための技術・判断力と忍耐力・服従心等・・厳しい訓練をした部隊でしか持ち得ない総合力が一瞬の飛行の中で発揮されます。
永年各地で自衛隊の編隊飛行を見てきましたが、最近編隊飛行の規模も逐次縮小傾向にあるようで気になります。その理由は色々あると思いますが、任務が忙しくなり、集団で訓練する機会が減っているとか、人員や装備航空機の充足率が低下しているためであるとすれば深刻な問題です。陸上自衛隊の航空部隊は、警戒監視活動などの防衛警備任務を行うほか、インドネシアでの地震津波災害やパキスタンでの地震災害など海外での救援活動はもちろん国内で多発する地震災害、温暖化に伴って増加している山林火災などへの対処を日常的に行って、国民の生命財産の保護に大きな役割を果している「日常的な任務部隊」です。多様化し、増加する任務にタイムリー対応してもらいたいと期待するならば、当然のごとく日常的な任務部隊にふさわしい人と装備を充実する必要があると考えています。

火点直上からの空中消火

2009-05-16 15:14:51 | Weblog
角田市での消火活動の一場面です。火勢が弱くなり、煙も少なくなった状態では、火点の直上からの消火を試みます。火勢が強い場合は、通常風上を火点に対して直交するか、斜交するようなルートを選択しないとヘリコプター自体が煙にまかれる恐れが大きいので、十分慎重にルート選定を行います。写真のようにまだ延焼する火炎が見えている状態で熱(上空の気温)も相当高いですから、ヘリコプターの性能が低下しないことを確認しながらの必死の消火活動です。東北方面航空隊の隊員が地上の状況を見ながら航空機を誘導をしつつ撮影したとても貴重な映像(東北方面航空隊提供)です。林野火災や市街地火災での空中消火活動は、いかにも簡単そうに映像で紹介されますが、現実には、高温・高高度での重荷重操作ですから、目標に向かって飛行するルートを急激にに変更することもできない難作業です。厳しい訓練を積み重ねている部隊だからこそできるオペレーションの一つだと思います。写真はそのようなことをよく表現していると思います。

CH-47による空中消火

2009-05-14 19:38:37 | Weblog
角田市における林野火災でのCH-47による空中消火活動の写真(東北方面航空隊提供)です。写真でもお分かりでしょうが、約7tくらいの水を火点の上空100Ftくらいの高度から散水すると大きな効果を得る(詳細は実験データや当時の現地の気象条件等を見て現場指揮官が決めています)ことができます。過去の実験では、大型ヘリの場合、5分以内に連続して散水すれば市街地においても効果が期待できるとの報告もあります。ただし、大型機と中型機は散水する高度や速度が異なることが多いので、出来るだけ地域を区分して行うことが安全確保上有利なことが多いので、留意しつつ運用統制されています。報道でもありましたが、今年は4月に東北・関東・中部・九州など各地で山火事が多発し、陸上自衛隊の各地のヘリコプター部隊は空中消火活動で多忙だったとか。地元の消防防災関係部隊等との連携を密にし、指揮・統制関係を明確にして安全を確保しつつ任務が行われることを願っています。一般に規模が小さい場合は消防防災が独自で運用統制し、規模が大きくなると比較的広域の運用となり、航空機管制をしっかり行う必要がありますから、自衛隊が一元的に運用統制する方が安全な場合が多いと考えています。過去に山火事取材機が空中衝突をしたことがありますが、取材機も空中消火活動を最優先して運航統制に従い、安全確保をすることが求められます。

UH-1による空中消火

2009-05-14 19:23:42 | Weblog
角田市の林野火災での消火活動の写真(東北方面航空隊提供)です。中型ヘリコプターは、大型のCH-47よりは散水能力は低いですが、細かい動きに対応しやすい利点があり、適切に運用統制をすることで、双方の利点を最大限に活用できます。林野火災での空中消火活動では、最も注意すべきは、山に張られた索道や高圧線などの障害物です。この障害物の情報は最も大切ですので、地元の消防部隊などから最新の情報を得て行動することが安全確保のために欠かせません。すなわち、日頃の情報収集努力(障害情報、給水ポイントとして適する場所、ヘリコプターなどの着陸場所等)と機関を超えた情報交換と訓練を行っておくことが安全かつ迅速・効果的に空中消火活動を行う決め手になります。

CH-47による汲水

2009-05-14 19:12:58 | Weblog
角田市での林野火災空中消火活動で最も多く散水したのがこのCH-47による空中消火です。このバケットも最近各自治体が保有するようになって来ています。陸上自衛隊に対する災害派遣要請があり、規模が大きいと判断された場合、木更津に駐屯する第一ヘリコプター団のCH-47などが出動しています。角田の林野火災でも4機程度のCH-47が出動したようです。このバケットの能力については以前に紹介していますので、省略しますが、5-7t程度の水を状況に応じて選択して運用しています。写真は湖面でホバリングしながら給水している場面(東北方面航空隊提供)です。河川や湖などを選定する場合には、このバケットが使えるような十分な水位があること(水深4-5m)を確認しておくことが重要です。

自立自汲式消火バケット

2009-05-14 18:53:08 | Weblog
2009年4月に角田市で発生した林野火災では、地元の宮城県防災航空隊などの他に陸上自衛隊東北方面航空隊のUH-1や第一ヘリコプター団のCH-47による空中消火が行われました。防衛省のHPを見ると防衛省のヘリコプターによる空中消火で散水した水は1390tにも及ぶとか。大変な空中消火活動であったことを伺わせます。その際に使われた空中消火用「自立自汲式消火バケット」です。湖面や河川の水をヘリコプターがホバリングしながら自ら汲水するタイプ(もちろん自立式で、地上に於いて消防車などからの給水も対応可能)です。CH-47用の器材は以前に紹介しましたが、このタイプは中型ヘリコプター用に地元自治体が保有している器材です。火災の規模が小さい場合は、地元の自治体の消防防災ヘリコプターが主体となって消火活動を行いますが、規模が大きくなった場合は、陸上自衛隊が保有するUH-1やCH-47が要請に基づき出動し、地元の消防部隊と協力しながら空中消火活動を行います。写真は地元の消火器材を使用して陸上自衛隊の東北方面航空隊所属のUH-1が汲水している場面(東北方面航空隊提供)です。東北地域においては、以前にも記述しましたが、地元の自治体と自衛隊など国の機関の連携訓練が日頃から強力に推進されており、いざと言うときに大変有効に機能していると聞いています。今後とも国民の生命財産を保護し市民の安全を確保するために一層連携を強化して活動されることを願っています。