Blue Sky Love Sky

空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

長期的視点に立った人材育成を

2014-01-23 10:23:01 | 趣味・航空機
先日産経新聞にパイロットの割愛の記事が出ていました。自衛隊のパイロットを民間で活用する・・。一見よさそうですが、ここ10年以上定員ギリギリの人材育成しかしてこなかったために、自衛隊の中でも慢性的にパイロットが不足する恐れがあると言われてきました。若返りを図る・・。
良い言葉ですが、パイロット養成の人員を増やして高齢者の割愛の枠を活用するというのが筋のように思います。現在国内でパイロットを養成する主な機関(自社養成除く)は、航空大学校のほか自衛隊と海上保安庁だけで、民間の自社養成や一部の教育機関を合わせても定年者を補う多くの所要を満足するほどではないのは明らかです。
昭和38年から開始された防衛庁への操縦士の教育委託制度が平成元年で終了していますが、これを国として再開し、防衛省に基本操縦までの教育を委託してその後民間で教育を継続しほぼ10年後くらいに運用可能なパイロットとして使うようにすべきだと考えています。
特にヘリコプターパイロットについては、民間独自の養成数が少ないため、応急的に記事のような内容が行われるのも必要だとは思いますが、少子化の時代に大切な人材を奪い合ってはならず、適性や希望に合う人材運用を持続的に可能にする養成を考慮すべきだと思います。
過去に割愛制度で民間航空輸送のパイロットや防災関係機関のヘリコプターパイロットを提供してきていますが、その当時は、自衛隊の初度の養成人員は、定員の1.3倍程度の教育をしていたから可能であったと認識すべきです。最近のように養成のための人員が定員通りだとすれば、慢性的に定員割れを起こすのは算数でもすぐにわかる話ですね。厳しい操縦コースを卒業できるのは全員ではないからです。だから数年の規模で100%を維持できるようにインプット時に安全係数をかけて養成してきたものでした。そうすれば、比較的高齢になった場合に操縦の定員を超えることになるので、割愛をして社会に貢献するのは良いことだと思います。防災関係機関へ自衛隊や海上保安庁の経験者を割愛で出す場合は、機種により制約もありますが、努めてそのままの資格要件を最大限認めて認定(試験)をすることが必要だと思います。
現在はあまりにも多くの時間と経費が掛かり過ぎています。国土交通省をはじめとして、防衛省や財務省、総務省などが連携して、自衛隊への教育所要の増加に見合う処置をしつつ、受託教育を復活し、国としての一元的な長期的視野に基づく育成を図る必要があると思います。写真は今年度から本格的に陸自のヘリコプター操縦士育成に使用されるTH480Bです。

FLIRつきOH-6D

2014-01-18 09:50:27 | 趣味・航空機
昨日1月17日は、阪神淡路大震災から19年の記念すべき日でした。毎年当時中部方面総監であった松島氏を囲む会に参加しています。昨夜も多くの方が例年のように集まり、黙とうをしたのち当時の思い出話をしておりました。遵法精神の重要性を強調するあまり、危機において必用な救助活動が法によって停止されないようにする必用があります。法律であらゆることを想定して規定しておくことは重要ですが、実際の危機に直面すると想定した法律では網羅されていない事象も当然出てきます。その際当時『法の精神に従って法を乗り越える』と隊員に指示したことを思い出しました。数冊の本には当時の言葉が残されています。法の精神とは、救助活動の目的であり、人命の救助財産の保護です。そのために法には規定されていないが、緊急に実施することが明らかに必要であると判断した場合は、法を乗り越えて対処しようと決意したのです。それは後に各種法律の整備によって改善されました。遵法精神を強く求める時代ですが、それが緊急時に国民の生命財産の保護のための行動に支障が出ないことを願っています。日頃の防災訓練等で得た教訓を速やかに法改正にまでもっていっておくことも重要だろうと思います。写真のFLIR(夜間暗視装置)は、当時航空学校で性能確認試験中であり、その効果が高いことが証明されていましたので、関係者にお断りして初めて災害運用で使用しました。その後FLIR付きの航空機は自衛隊だけではなく、消防防災などにも普及しました。画像を正確に読む能力も求められますから、器材の使い方も教育した人材を配置しないと使われません。遠距離から対象物の温度分布に基づいて画像を判別するのが基本ですから、原発などの災害でも高温のものは、比較的長距離から確認できます。北海道で試験した際は、20㎞先の煙突から出る煙は明確に確認できました。もちろん正確に運用するには、日常的にデータを集めて比較できるようにしておくことが極めて重要になります。洋上の船などを発見する際にも活用されていると思います。搭載しているだけではなく、使われて初めて価値が高くなるものの一つですね。写真は「陸上自衛隊航空部隊の60年」を編纂した際集めたものです。

海ほたる上空を飛行するCH-47編隊

2014-01-10 13:23:00 | 趣味・航空機
第一ヘリコプター団の年頭編隊飛行訓練で海ほたる上空を飛行するCH-47編隊です。大型ヘリコプターCH-47は、わが国最大の輸送力を持つヘリコプターで、最大ペイロードは、約8t程度あります。阪神淡路大震災の際、食糧輸送を名古屋などからも実施しましたが、パンなど軽いものは、容積で制限が来ます。中型トラック1.5台分くらいのパンを搭載可能でした。空中消火活動を行う際は、約5.5~8t程度の水を迅速にバケットで取水し散水することが可能です。小さな消防車の一台分よりは多い水量を数十秒間で一気に散水可能ですから、数多くのヘリコプターが5~10秒間隔で連続消火をすれば、市街地での初期木造火災に対して、初期消火の段階では効果があることが研究成果(平成13年3月)として報告されています。山林火災では、すでに多くの実績を上げています。
阪神淡路大震災の際、ヘリコプターから水を投下すると地上にいる人は水圧で死亡するなどまったく根拠のない理解できない議論がされました。極めて残念であり、その後消防研究所などとの協同研究で散布時の水滴は、飛行高度と速度によって調節が可能であり、水圧で死亡するなどと言った状況はホバリングして相当低高度から一挙に放水する時以外は不可能であることがわかっています。災害時に一点で停止して放水することは少ないので、通常の運用ではあり得ないことであると理解されるようになりました。パイロットも当然放水訓練などをしてどの程度の水滴の大きさが最良かを知っていますから、放水要領などは現場に任せるべきものであると思います。写真は第一ヘリコプター団広報から提供いただきました。

海ほたる上空を飛行するUH-60JA編隊

2014-01-10 13:00:14 | 趣味・航空機
第一ヘリコプター団の年頭編隊飛行訓練の一場面です。木更津飛行場は海ほたるのすぐ近傍にあり、羽田に離着陸する大型旅客機との関係で、通常比較的低い高度で飛行して訓練します。東京湾アクアラインは、千葉県寄りは海上に出ていますので、とても良い風景が見えます。UH-60JAは、第一ヘリコプター団の中に保有し、比較的軽快に小規模で即応する際などに運用されます。このヘリコプターは、世界でもトップレベルの安全性強度を備えており、ほぼ完全な全天候性を備えています。陸上自衛隊のヘリコプター部隊は、常時即応力が問われることから、毎日早朝から各部隊ごと機体の状態チェックを行い迅速に運用可能な状態で一部を即応待機させています。東日本大震災等でも東北方面航空隊は、地震発生後ただちに離陸準備を行い津波が襲来する映像を捉えて関係機関に配信したことでも知られています。
消防防災ヘリコプターを保有する消防航空隊なども同様に即応待機態勢を敷いています。首都直下地震などの発生確率が高いことを考慮すると、第一ヘリコプター団が木更津での即応待機している意義は大きく、首都圏の市民の生命財産保護に極めて重要な役割をしている部隊であることがわかります。今後は、消防・防災やDrヘリコプターなど防災関係機関の航空部隊が連携しながら即応対処できるように木更津の飛行場及び周辺を活用できる体制づくりも重要だろうと考えます。写真は木更津広報班から提供いただきました。

木更津市上空を飛行するCH-47編隊

2014-01-09 23:28:54 | 趣味・航空機
第一ヘリコプター団(団長 田中重伸陸将補)は、好天に恵まれた1月7日年頭編隊飛行訓練を公開しました。年頭に一年間の航空安全を祈り、気持ちを新たに即応体制維持に努力することを誓っての編隊訓練です。陸上自衛隊木更津駐屯地に所在するヘリコプター団は、我が国最大のヘリコプター空中機動力を保有する部隊です。大型ヘリコプターCH-47、多用途ヘリコプターUH-60JA、連絡偵察機LR-2、政府専用ヘリコプターEC225などを全国規模で運用し、陸上自衛隊即応集団の中核戦力になっています。昨年は離島作戦などの共同・統合訓練のほかに大島台風被害に対する救助活動やフィリピンの台風30号被害に対する救援活動に参加(防衛省HPに詳細が出ています)していました。少ない人員にもかかわらず、国内外で地域の安定や市民の生命財産の保護などに活躍しています。東シナ海などは波が高いですが、今年も即応能力を最大限に発揮して、地域の安定化に寄与されることを願っています。写真は第一ヘリコプター団広報から提供いただきました。

航空学校霞ヶ浦校初飛行

2014-01-07 10:43:25 | 趣味・航空機
先ほど見事な編隊で自宅近くの上空を飛行していきました。OH-6での見事な編隊飛行訓練を観るのも今年で終わりのようです。素晴らしい編隊飛行を見せていただき感謝です。OH-6による基本教育で、多くの操縦士や整備士を輩出しました。今後も機種は変わっても是非厳しい訓練をされて良い人材を多く育ててください。

明けましておめでとうございます

2014-01-03 00:14:04 | 趣味・航空機
今年も宜しくお願い申し上げます。
昨年は国内でも台風や豪雨での災害などで自衛隊、海上保安庁、国土交通省、警察、消防防災、ドクターヘリなど防災関係機関のヘリコプターなどが懸命に活動して被災者の救助活動等に努力され、感謝です。また台風30号の影響で大きな被害を受けたフィリピンへも国際緊急援助隊が活動され、大きな成果をもたらし、関係国からも感謝され、相互の信頼関係を強化できたと思います。改めて関係された皆様に感謝申し上げます。今年が平穏で良い年でありますよう願っております。