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空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

水害の場合の初動救助活動は小舟やヘリコプターが重要

2016-08-31 22:17:52 | 趣味・航空機
毎日新聞の記事です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160831-00000004-maiph-soci.view-000

まさに豪雨災害においては初動の迅速なヘリコプターによる救助活動が重要だと思います。

下の写真は42年8月の羽越豪雨災害の様子です。この時はH-19やUH-1BそしてVー107が救助活動をしました。

Dr.ヘリの事故について想う

2016-08-11 10:54:19 | 趣味・航空機
Dr.ヘリによって多くの人命が救われて、全国で運用機数もエリアも拡大している。全般的には良い方向に向いていると思うが、課題もあるように思いますので、若干老人の戯言を書いてみました。

課題の一つは、「一名操縦のヘリコプターで運行」されているため、エリアの拡大や運行数の増大で、「操縦士などの負荷」が増大しすぎていないか?という疑問です。

特にどこで発生するかわからない救助現場へ寸刻を争って医療チームを運び、必要があれば傷病者を搭載して病院に向かう一連の行動が行われている。その際、関東のように空港や飛行場が多い場合は、航空管制圏の通過などで周波数を変えながら全速力で現場へ向かわなければならない。もちろんその間に搭乗する整備士・医師や病院の運行管理者とも別の周波数Or内線で交信している。特に気象条件が悪い場合などは、操縦に専念したいがそれがままならない恐れはないか?

二つ目は、Dr.ヘリの導入時は、機数も少なく、十分に「錬度の高い操縦士を選抜して任務に充てていた」と思うが、近年機数・運行エリアの増加に伴って当該地域を熟知するベテランの操縦士などが間に合っているのかどうか?という疑問であります。

すでに述べたとおり、傷病人の命を救うため、寸刻を争って現場に急行するため、日ごろからの行動エリア内の空域や着陸場・障害物などの情報を熟知していなければ、安全運行に不安を持ったままの任務遂行になる恐れがあるように感じます。

二名操縦のヘリであれば、一名が航空管制機関などとの情報交換をしながら最適のルートを選定し必要な際の他の操縦士の必要とする援助を「CRM」分担することが可能でしょう。もう一名(機長が担任することが多い)は、ヘリの安全な操縦に専念しながら総合判断をしながら迅速に対応する。

視程などによる障害が懸念されたり、高温多湿時の航空機の運用制限に対する考慮が必要な場合、特に航空機内にいる副操縦士(整備士)からマニュアルにある図表を見てのアドバイスをもらったり、医師や看護師など乗員全員の「CRM」を明確にして安全確保をする必要があると思います。

また、第二点目で指摘したとおり、近年十分な飛行経験を有する航空操縦士の養成が間に合っていないと感じています。その一因が、一名操縦制でコストを削減する?という理屈であります。この制度の欠点は、高度の能力を持つ一名の専門家が高齢化や病気で、リタイアするとDr.ヘリ運行に伴う値域ごとの重要な経験が伝承されないまま一挙に経験が不十分な操縦士によって対応せざるを得ないことになります。

一名操縦制による運航を基本とする場合の最大の課題がこの問題であることを深刻に理解する必要があります。

二名操縦を平素から行えば、熟練の操縦士が持つ経験を副操縦士に伝えながら日常の任務を遂行するので、熟練者が退職した場合でも対応が容易であります。当然運行中の急激な状況の変化に際しても二名であれば、より安全に対応可能な場合が多いと思います。

現在その不足をどのように補おうとしているのか?ご承知の通り、自らの組織で乗員の養成をしている防衛省自衛隊と国土交通省海上保安庁のベテラン操縦士を引き抜いて(割愛と言われる)確保しているのが基本だと思います。自ら運行会社で初度から操縦教育している場合もあるが、コストがかかるため極めてまれであろうと認識しています。二名操縦性にしても運行会社が養成途上の乗員に適正な給与を払えるだけの投資が国や地方などの行政を交えて総合検討されることを期待しています。

今回のDR.ヘリの事故調査を踏まえて、十分要員養成・確保を考慮した教訓を反映させて欲しいものです。

最後に、近年ヘリコプターの能力は一般的に高くなっていますが、空中を飛翔して任務を行う機械であることに変わりはなく、飛行する航空機の重量や周囲の気象条件によってその能力は刻々と変化するのも事実です。夏場の猛暑の中、高温多湿の条件下では一般的にどの航空機も能力低下を起こしています。

それを航空機ごとに定められているチャートに従って無理をせず運行しているかどうかを今一度チェックしてみる必要があります。
今回の事故の報道を見ると、ホバリング中に急に旋転しながら着地したような記述がありますが、これは「SWP」の時の現象に似ています。当時のグラウンド周辺は相当の高温であったと思われ、5名の乗員と高度の医療器材を搭載している状況で耐えれるものであったのかどうか? ホバリング時のグラウンドの砂塵を防止する手段があったのかどうか・・知りたいところです。

事故調査委員会の調査結果を待ちたいと思います。