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空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

大規模災害時の無線周波数の配当の課題

2013-02-05 18:06:55 | 趣味・航空機
『新藤義孝総務相は29日の閣議後の記者会見で、携帯電話用の電波を割り当てる際の「周波数オークション」制度の導入を、当面は見送る方針を明らかにした。』産経新聞WEBNEWSの記事です。私はこの判断に賛同します。
戦後関係省庁に割り当てられた周波数は、周波数配当表を見れば誠にひどい状況(わざわざ縦割りにして関係省庁が協力できないようにしてある)であることがわかります。大規模災害時や危機管理の際、関係省庁が相互に協力するため共通して加入できるバンド帯はありません。見事に縦割りで、横に関連付けていないのです。今回の携帯用に配当しようとした周波数帯は小型軽量化器材に向いており、大変便利であることからプレミアム周波数帯とも言われます。このような周波数帯は、少なくとも数個帯は国家の安全保障や危機管理の際関係機関が統合運用できるために配当または留保すべきです。大規模災害が生起するとその「教訓に情報共有」という言葉が必ず出てきますが、関係省庁が一つの目的に向かって共有する周波数帯はないですから、救助活動等に支障があって当然のことです。それでも近年は、現場の努力で少しずつ一部の周波数を関係機関に災害時などに配当するようになっていますが、本来は、平素から危機管理用の周波数帯を数個の関係省庁が共有できる総合的な運用体制を作っておくべきであると考えています。2000年に東京で首都直下型地震の統合対処演習(ビッグレスキュー2000)が行われました。その際、自衛隊などが撮影した情報を一部民放のTVに流して災害時の関係機関や市民等へ情報提供しようとした試みが行われています。現場の情報をすべて流すことは恐怖心を煽ることもあるので、デメリットも多いですが、少なくとも関係省庁や市民が共有することが有益なものを選択しながら、信頼できる正確な情報をリアルタイムで提供し合うことが可能になれば大きな前進だと思います。これには必要な災害対処用の周波数帯を与える必要があります。ほんの一例ですが、このようなことが可能なように総合的な検討を行って使いやすい周波数帯域の一部を国の関係機関が共通で使えるように配当するか留保しておくべきであると考えています。