Blue Sky Love Sky

空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

LM-1での2機編隊飛行による計器飛行

2020-05-26 21:43:13 | 趣味・航空機
立川から百里飛行場の往復を計器飛行訓練で訓練したことが多かった。LM-1で二番機の機長をしていたころの話。当時大ベテランのH先輩が一番機の機長で、その僚機として編隊飛行を訓練していた。百里からの帰投は、有視界飛行で酔っていしていたが、薄い雲が出てきたため、機長から計器飛行に移行するので、機体は確認できるかとのこと。薄い雲であり、問題なく確認できるので、編隊飛行でのクリアランスを受領して、大宮経由で立川に向かったことがあった。臨機の措置ではあったが、機長の機敏な判断で、薄雲を通過しての計器飛行を編隊飛行で経験した。横田の管制を受けながら立川に向かうと、雲が切れたので、IFRをキャンセルして、VFRでトレイルを編成して着陸した。関東地方は、梅雨を前に薄い雲が出ることはよくあるので、臨機の処置を講ずることの重要性を学んだものでした。

雲中での長時間ホールディング

2020-05-25 22:22:40 | 趣味・航空機
昭和48年の夏だったと記憶しますが、立川から要人の空輸のためベテランN機長の副操縦士として、計器飛行で空自の松島飛行場へ向かいました。大子を過ぎてからはほぼ雲中飛行でしたが、順調に仙台を通過、松島に向かっていました。松島の管制塔が忙しくジェット機をコールバックしていました。ジェット機は訓練空域からどんどん帰投しています。我々は当初の管制許可通りに仙台を通過して徐々に降下し、4000Ftで松島上空に向かって雲中飛行していました。ジェット機は、燃料が少ないため急いで着陸を要求していました。レシプロエンジンのLM-1は燃料が十分あったため、4000Ftでのホールディングを命じられ、雲の中で何度も周回飛行をしていました。その長かったこと。機長は、「VIP On Board」を言って、速やかな着陸許可を要求しましたが、受け入れられず、雲中のホールディングが続きました。飛行場の気象状態を確認すると、海霧が近づいているとのことで急いで着陸する必要がありました。そのうちジェットの着陸が終了し、我々の降下の許可が来てGCAでの速やかな着陸を要求してファイナルに向かいました。最終進入に入って降下しても滑走路が見えないので、滑走路灯の輝度を上げてもらい、進入を続行しました。着陸判断限界高度(DH)まで降下したとき滑走路が見えたため、タワーの許可を得てそのまま進入して何とか無事に着陸しました。軽飛行機にとっては滑走路は長いので、滑走路端を過ぎても問題なかったので、安全を優先してゆっくり着地しました。しかし、引き続いて着陸しようとしている海自のV-107が居ることをタワーから指示され、速やかに滑走路を外して誘導路へ出ました。海霧がどんどん押し寄せてきていたため、滑走路全体が海霧に包まれようとしていたのです。V-107は滑走路を視認できているとのことで、何とか無事に着陸をしました。その直後に管制塔は、BMを宣言し、着陸不能となりました。海霧の移動速度は速いことを身をもって体験した飛行でした。なんとか無事に任務は終えましたが、海霧が消えるまでは離陸できず、天候の回復を待って立川に向け再び計器飛行で立川へ向かい帰投したと記憶しています。今では単発の軽飛行機での長距離計器飛行はほとんどしないと思いますが、当時はADFだけの航法装備でよくやったものだと忘れられない思い出です。

計器飛行では気象判断力が極めて重要

2020-05-24 10:18:28 | 趣味・航空機
しばらくご無沙汰をしておりました。操縦や気象判断などで失敗し苦労した事例などを少しずつ書き記しておきたいと思います。最初は、岩沼で計器飛行訓練をしている時期の話。O教官の指導の下、LM-1で仙台から計器飛行訓練で入間往復をしました。前段(往路)はH君の操縦で問題なし。帰路は私が担当で入間から大子経由の7000Ftのクリアランスを得て飛行しました。フード飛行をしていましたが、教官から薄い雲があるよ!と言われましたが、高度変更の要求もせずそのままADFでの仙台への飛行を続けました。そうすると教官が突然フードを外し、外を見ろ!と言います。雲に入る直前でした。ディアイサーガ無い昔の単発軽飛行機での秋~春の雲中飛行は危険なのですが、高度変更せずに突入するとどうなるかを教えていただきました。雲に入った瞬間に風防は氷が付着し、翼前面には白いものが付着しているのが見えました‥。教官からよく覚えておけよ!との教え。間もなく小さな雲を通り抜けると、陽が当たり、風防や翼前面の氷も解けていくのが見えました。計器飛行を行う場合は、自らが操縦する航空機の能力に合わせた飛行高度選択が重要。雲がある場合は、Off Airwayクリアランスを貰って避けるべきであることを学びました。その後木更津で勤務している頃、羽田との交流があり、B777が導入された当時羽田ー関西空港間のCRMについてコクピットに入って学びましたが、B777でも気象レーダーでしっかり監視しながら、タイムリーに積乱雲を避けて飛ぶクリアランスを貰って安全に飛行することを学びました。計器飛行こそ気象判断力が重要であることを学んだ一例です。失敗を繰り返さないようにとの思いで神代の時代の計器飛行訓練の教訓を記述しました。