昭和37年12月末頃~昭和38年2月にかけて主に新潟県から京都府北部の日本海側を襲った記録的豪雪(新潟県長岡市では318cm)による災害であった。この年は、九州地方でも記録的な積雪を記録し、鹿児県でも30cmを超える積雪が記録された。当時国鉄上越線、北陸線の長距離列車は18日間も運休した。石川県の白峰村などは、約2ケ月間、陸の孤島となる地域もあった。この災害で、陸上自衛隊航空科部隊は、当時の主力機であったH-19での救助活動を行っている。悪天候の中を新潟・福井・金沢へH-19×各1機を推進し、救助活動を実施している。激しい雪の中での飛行は、命がけであり、2度の天候の急変で雪雲の中に入ってしまい、恐ろしい経験をした・・と当時のパイロットN[氏が語っている。中でも孤立した池田村から妊婦を緊急空輸し、無事に赤ちゃんが生まれた時は、我が事のように喜びを共にし、平成16年9月に機会があって当時生まれた通称「ヘリ子ちゃん」との再会を果たしている。この再会劇は、地元の新聞でも紹介された。写真は、38年1月福井城址を基地に救助活動を行うH-19(N氏提供)である。
北陸・上越・東北地方の豪雪のニュースを聞くたびに思い出す記事である。今年は、陸上自衛隊航空部隊創設60周年を迎えるため、創設期のころから、実際に行動した人たちの回想を集めているが、その中にも記録されている。近年は装備も改善されてはいるが、大自然の脅威は人智を超えており、過去の先人の教訓を生かして安全に活動してほしいものである。北海道で飛行隊長をしていた頃、戒めとして大切にした言葉があった。『大自然の脅威には勝てず、ただ克つのみ』・・大自然の脅威(天候気象)には、十分な地域研究と気象情報の変化予測などを十分行って克服することの重要性を戒めたものであった。装備が改善されてなんでも出来ると過信すると、大自然からのお叱りを受けるかもしれない。大自然の中で空を飛び任務をする者は、やはりそれだけの謙虚さと神にもすがる従順な気持ちが大切だと思う。今年も厳冬で雪害が心配されている。高層気象や地形特性などを十分に勉強して、大自然の猛威に克てる術を磨いておきたいものである。
北陸・上越・東北地方の豪雪のニュースを聞くたびに思い出す記事である。今年は、陸上自衛隊航空部隊創設60周年を迎えるため、創設期のころから、実際に行動した人たちの回想を集めているが、その中にも記録されている。近年は装備も改善されてはいるが、大自然の脅威は人智を超えており、過去の先人の教訓を生かして安全に活動してほしいものである。北海道で飛行隊長をしていた頃、戒めとして大切にした言葉があった。『大自然の脅威には勝てず、ただ克つのみ』・・大自然の脅威(天候気象)には、十分な地域研究と気象情報の変化予測などを十分行って克服することの重要性を戒めたものであった。装備が改善されてなんでも出来ると過信すると、大自然からのお叱りを受けるかもしれない。大自然の中で空を飛び任務をする者は、やはりそれだけの謙虚さと神にもすがる従順な気持ちが大切だと思う。今年も厳冬で雪害が心配されている。高層気象や地形特性などを十分に勉強して、大自然の猛威に克てる術を磨いておきたいものである。