Blue Sky Love Sky

空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

OH-6D with FLIR

2011-03-27 15:19:10 | 趣味・航空機
陸上自衛隊の観測ヘリコプターで、機動性に優れた情報収集が可能のヘリコプターです。OH-6は、大規模災害などでは、FLIR(暗視装置)を付けて昼夜ともに威力を発揮します。阪神淡路大震災の際は、余震が続く中、このFLIR画像で、夜間もしっかり監視して、自衛隊や消防隊が活動していることをNHKで紹介されました。これが結果として、市民の不安を取り除き、都市型災害でもパニックを防止できた一つの要因になったと言われています。この暗視装置は、阪神淡路大震災を契機に各機種に搭載されるようになりました。今回の東北地方太平洋沖地震では、陸上自衛隊は、OH-1は活用されたようですが、OH-6に比較して圧倒的に機数が少ないので、初動の情報収集には、数が不足していたのではないかと懸念しています。広域災害の場合、初動の情報収集には、小型のヘリコプターやAH-1S・AH-64Dなど情報収集能力のあるを機種を数多く運用し、地域割をして捜索するのが通常で、被災地の温度変化で情報がわかるFLIR機の効果も大きいと考えています。陸上自衛隊のヘリコプターは、財政難のため、小型ヘリコプターの分野で機数が大幅に削減され、飛行部隊の操縦要員等も削減され、多数機の同時運用が元々苦しい状態であると聞いています。これが今回の初動の情報収集活動に影響を与えていないか心配しています。陸上自衛隊も危機管理上初動に対処して各種情報活動を行う各種部隊は、平素から充実強化しておくことが必要であると考えます。

ヘリコプターの音に感謝

2011-03-25 09:57:00 | 趣味・航空機
先日ラジオで被災地の皆さんが、口々にしていた言葉、「自衛隊・消防をはじめ多くの防災関係の方々のおかげで何とか助かりました。有難いです。特にヘリコプターの音が聞こえたときは、あア・・助かった!と思い涙が出ました。」また、関東のリスナーは、「日頃は上空を飛ぶヘリコプターはウルサイ!としか思っていなかったが、毎日のように上空を通過する自衛隊のヘリコプターの音を聞いて、これほど頼もしいと思ったことはありません。関係者は何とか被災された方々のために頑張ってください。もう音がウルサイ等とは言いません。ヘリコプターに感謝です。」・・・色々な声がライブで放送されていました。阪神淡路大震災の際もこのような声は多く、巻紙の激励のお便りを頂いたことを思い出します。
初動の救助活動から逐次物資空輸などの救援活動へと移行しつつあると思いますが、防災関係機関のヘリコプターが一致協力して、ヘリコプターの特性に応じて効果的に活用されることを願っています。今回の災害で初めて、航空燃料を消防防災等の機関が自衛隊の支援を受けて使用したと聞きました。ヘリコプターにとって、航空燃料の確保は活動に不可欠のものであり、防災関係機関が共有できたことは今後の大きな自信になるかと思います。機関を超えた協力で補給整備等が実施されるようになることで、連続する長期的な活動を可能にし、交代で休養も取ることが可能になります。今後は、同一機種の補給整備関係の部品レベルの相互支援まで発展すれば、更に大きな力になると確信します。自衛隊と民間の操縦士や整備士の資格付与についても共通化して人材運用が改善されるようにするため、防衛大臣が自衛官に付与した一定の技能証明を国土交通大臣がそのまま認めるシステムを導入されることを願っています。これが官民を挙げたヘリコプターの初動災害救助活動と長期連続運用を可能にすると信じております。写真は総務省消防庁のヘリコプター(運航は東京消防庁)です。

民間ヘリコプターの活用を

2011-03-21 22:34:43 | 趣味・航空機
3月17日の記事でも述べたが、孤立地域の着陸の可能性(ヘリポートの規模)や小規模の避難地域への物資輸送等には民間の航空事業者を含み、積極的に中・小型ヘリコプター等を使用するのが有利な場合が多い。多数の避難地域が孤立している現状で、長期化することを考慮すると、民間航空事業各社のヘリコプターをチャーター(法的にも防災関係機関と同様の扱いをすること)して多数の避難所への輸送を効率良く実施する時期に来ていると考えている。自衛隊や消防防災等のヘリコプターも初動から昼夜連続で、長時間活動しているため、一部は、整備を必要とする時期で、対応できる機数が減少する恐れがあるからである。写真は、民間航空事業者が持つ中型のヘリコプターである。物資輸送にすると。約1.2t程度の貨物や10名前後の人員を空輸可能である。

US-1救難飛行艇

2011-03-21 13:26:47 | 趣味・航空機
海上自衛隊が保有する救難飛行艇は、US-1から逐次US-2に更新されている。この大型救難飛行艇は、わが国が世界に誇る技術で新明和工業(株)が製造したものであり、その離着水能力等は世界からも注目されている航空機の一つである。東北地方太平洋沖地震で、大きなダメージを受けた福島第1原子力発電所の被害拡大の防止に国の総力を挙げて対応されている。自衛隊をはじめ警察消防の方々の原子炉冷却のご苦労に感謝するとともに、わが国が保有するあらゆる能力を活用していただきたいと願っている。
このUS-1は、以前に消防飛行艇への改造の検討が行われたことがあり、基礎研究は既に終了していると聞いているので、これを改造すれば、今回の災害において、長期的な対処が必要となった際に強力な力を発揮すると思われる。逐次退役するこのUS-1を改造し、消防飛行艇として活用して是非活用されることを願っている。
将来的にも、東海・東南海・南海地震等の発生が予想されており、今回の教訓を活かして将来の大規模災害(原子力・コンビナート災害)での減災に大きな効果を期待できる能力を備えておくべきであろう。天侯さえよければ、一回の散水量約10~15tを洋上で吸い上げて直ちに放水することが出来るので、単純計算をしても相当多量の海水または、ホウ酸希釈液の散布が可能となるであろう。わが国の保有する能力の総力を挙げて対応していただきたい。写真は、2010年の自衛隊中央観閲式で編隊飛行をした際のUS-1(赤白)とUS-2である。

14日午前の陸前高田

2011-03-20 11:05:29 | 趣味・航空機
14日午前中の陸前高田の被災状況です。救援物資も高台の一部には届いているところもありましたが、津波で被害を受けた平地部は、殆ど陸の孤島状態で、余震が続く中での地上部隊は行動が困難な状況に見えます。やはり、ヘリコプターによる初動の救助の重要性が理解できます。救助された方が「命がありますこれで十分です。何もいりません!」と嗚咽しながら当時の恐怖を救助員に語ったと聞き、津波災害の悲惨さを物語る重い一言だと感じました。消防防災の救助チームもこうして初動での孤立した被災者の捜索から救助を懸命に実施していたことを紹介しておきます。

13日昼頃の大船渡の状況

2011-03-19 12:22:28 | 趣味・航空機
13日昼過ぎの状況です。変わり果てた景況に声も出ないとコメントが来ています。島根県防災航空隊のBK117は、地震を承知したのは、緊急患者空輸任務で隠岐空港にいた時でした。直ちに患者を収容して病院に搬送した後、根拠地の出雲空港に戻り、徹夜で整備を行って、12日の朝花巻空港に向け出発、夕方には拠点空港になった花巻空港へ到着したようです。そして翌朝直ちに捜索救助任務で釜石から大船渡方面ヘ出動しています。花巻空港からは、4000Ft級の山塊を超えての任務で、40Kt 程度の上層風で気流が悪い中を帰投に必要な残念量を気にしながらの任務を行っています。山越えの隘路を通過した際は、機体は木の葉のように動揺してクルー全員が歯を食いしばって通過して被災現場に到着しています。大災害で被災された市民を一人でも早く見つけて救助したい一心で頑張っている消防防災航空隊の皆さんに心から感謝です。報道では、大型機などだけが放映されることが多いですが、こうした小型・中型のヘリコプターは小回りが利いて孤立した小さな集落での救助活動を繰り返し行って多くの人を救助しています。大規模災害時には、大型、中型、小型それぞれに特色のある運用をすることで短時間にできるだけ多くの被災者を救助できると考えています。発生している事態の状況を素早く判断して、中小型のヘリコプターで可能な任務は中小型で行うことが結果的に効率的であることを承知して欲しいですね。「大は小を兼ねる」式の安易な判断は、このようなぎりぎりの厳しい条件下では行ってはいけないと考えています。すべての資源を最大限に使って有効な活動を継続する事が求められています。

13日釜石市の状況

2011-03-19 11:05:13 | 趣味・航空機
消防防災ヘリコプターも初動から懸命に捜索救助活動等をしています。島根防災ヘリコプターのBK117で捜索空救助活動に当たった菱川氏の写真が届きましたので、13日から14日の被災地の上空からの写真の一部を紹介します。消防防災ヘリコプターは広域災害に対応して直ちに各自治体からの緊急援助隊が行動しています。(詳細は消防庁HP)出雲防災航空隊は、釜石の河口付近の孤立地区で患者を収容し、大平中学校グラウンドに着陸した際、地元の消防団員の方が、ペットボトルを差し入れしていただき感激したが、孤立地域の水は大切であり、気持ちだけを戴いて離陸しています。そして再び捜索救助の活動をして再度大平中学校へ着陸。その際女性教諭から、「学校の生徒は全員無事です!」生徒からは、「無事であることを父母に伝えて欲しい!」と元気に応えてくれた。避難情報を確実に本部に伝えることを約束して負傷者を搬送し花巻に帰投した。まさに息の詰まるような光景を目の前にしながらの救助活動であることが判ります。
震災から1週間を過ぎましたが、救助チームも心身ともに疲れがたまる頃です。是非部隊ごとの交代勤務をしながらの連続運用を目指していただきたい。阪神淡路大震災の頃不眠不休で10歩目くらいから隊員の目が光って見えるようになりました。これは眠いのに、寝れず、緊張した気持ちだけで行動しているときに見かける姿です。そこで、安全管理のためにすぐ交代して勤務するシフト制に移行しました。「即応待機」、「3時間待機」、「6時間待機」に区分したのです。3時間待機は、靴を脱いで、仮眠する。6時間待機は、シャワーでも浴びて、ゆっくり熟睡する。このときに現場の隊員に話したのは、「寝るのも仕事!」と言う言葉でした。何かの参考になれば幸いです。写真は13日朝の釜石市の被災状況です。

情報収集に戦闘ヘリコプターも

2011-03-19 07:31:00 | 趣味・航空機
今回の原子力発電所の災害には、持てるすべての能力を使用することが重要です。無人機もその一つですが、AH-64DやAH-1Sはより気象克服能力の高い有人機で、遠距離からの撮影や原子炉の温度分布などを確認できます。UH-60での上空からの写真撮影などは、まさに決死の行動であり、頭が下がりますが、原子炉の直上を避けて、数km離れた所からの撮影や情報収集に活用すべきだと思います。阪神淡路大震災の際は、AH-1S(C-NITE)は天侯不良時等の情報収集に活用し大きな効果がありました。最近はAH-64Dが導入されていますから、その能力も最大限使うべきです。少なくとも継続監視すれば、原子炉の温度変化等が分かるはずです。

無人偵察機

2011-03-17 21:53:03 | 趣味・航空機
米軍は、放射能漏れが心配される福島第1原子力発電所の建物の内部を把握するため無人偵察機「グローバルホーク」を使用すると言う。日本政府の要請に応じたそうだが、わが国にもすでに部隊配備されている無人ヘリがある。気象条件にもよるが、比較的風が弱い時間帯を選べば、施設の上空でホバリングさせて、内部を調べることが出来るはずである。線量率計を搭載すれば、放射線の状況把握でもきると思う。ペイロードは、約100kgで、自律飛行が可能でプログラム飛行できるので、上空通過するだけであれば、自動操縦でも情報収集可能である。また、民間型ではRPH-2等があり、ペイロードは約80kg程度あるので、線量率計なども搭載して情報収集が可能である。わが国に既にある装備などを活用していただきたい。有人での偵察飛行による被曝を最小限にして隊員を防護するためにも重要なことである。写真は、総合火力展示演習で披露されたFFOS無人観測ヘリコプターである。同様のシステムで、情報収集用にFFRSが部隊に配備されていると聞いている。

震災から1週間

2011-03-17 08:36:35 | 趣味・航空機
未曾有の東北地方太平洋沖地震から1週間が経ち、初動の救助活動を継続しながら、食料・水・医薬品・生活用品・燃料など最小限の生活を維持するための救援活動が求められる新たな段階に至っている。報道によれば、防衛省が救援物資を一元的に統制して輸送すると言われている。北海道・関西・九州地方および海外など遠距離からの救援物資を必要な場所に必要な量をタイムリーに輸送することが求められる。道路交通網はまだ十分ではない孤立地域への輸送は、大型輸送機や艦船・トラック等で、空港や港湾周辺にある自衛隊の物資輸送拠点に大量に集積される。その物資を、仕分け(この業務が人数が必要となる)して戸口輸送し、孤立した地域へ整斉とした配送をする必要がある。一般的に空輸は、陸送や海上輸送に比較して量的には少ないが、迅速に回数を多く行うことで、孤立した被災者の命を守ることができる重要な手段である。気象条件が悪い場合もあるが、沿岸地域にレーダー誘導可能なルートを設ける等準備して、安全かつ迅速に最小限必要な地域への物資輸送が行われることを願っている。戸口輸送は、孤立地域の着陸の可能性を考慮し、中小型ヘリコプター等を使用するのが有利な場合が多い。自衛隊をはじめ消防・防災や民間航空事業各社のヘリコプターをチャーター(法的にも防災関係機関と同様の扱いをすること)して多数の避難所への輸送を実現していただきたい。「阪神淡路大震災の際は大型ヘリコプターCH-47で空港からの被災地近くの拠点まで幹線輸送を実施、その拠点で仕分けをして官民合わせて中・小型ヘリコプターによってこれを戸口輸送して効果があった。「ヘリコプター災害救助活動」(内外出版)」とされている。 今回は被災地域が極めて広範囲に及ぶので、最適の方法で実施されるであろうが、孤立地域も極めて多いので、シアターに区分するなどして行えば概念的には適用可能だと考えている。頑張っていただきたい。岩手・宮城内陸地震でもヘリコプターによる災害救助活動は多くの被災者から称賛された。写真はその当時の感謝の人文字である。