昨日の新聞で、大湊航空基地でのSH-60Jの横転事故の報道があった。原因は調査中であり、軽々に述べることはできないが、雪国での運用では多くの人が「Snow Out」に陥りそうになった経験をしていると思う。写真はすでに紹介した昭和38年豪雪災害でのH-19による救助の模様である。写真が白く濁って見えるのは、雪が舞っているからである。ヘリコプターが発生させるダウンウォッシュによって巻き上げる雪で周辺が見えなくなって、空間識失調の状態になるとアンコントロール状態になってしまうから怖い。
かつて道北で勤務していた頃、冬に備えて秋から特別の訓練をしていた。雪が降った条件での離発着訓練を全員が定められた手順に従って行い、確認するものであった。その重要なものが「Snow Out対処訓練」であった。滑走路上に新雪が積もった時に起きやすいので、朝早くから雪上車で圧雪を兼ねて軌跡を作るのである。人間の目は、素晴らしい能力を持っているもので、雪上車で付けた軌跡があると一面白い雪に見えても、詳細を見ると影ができており、浮上している機体から見てもわかる。その光の影がスノーアウトを防止するのであった。また、まったく人の入れない郊外などの着陸場への着陸をする場合は、赤い色の布で砂袋を包み、着陸しようとする地域にあらかじめ上空から投下する。雪面に赤い布が揺れて見えることで、基準の表面の状況がわかり、安全に着陸したものだ。着陸は、降着エリアの広さがあれば、できるだけホバリング停止を避けて、前進しながら接地すると雪の舞いあがりを直接受けなくて安全であることも教えられた。『自然には勝てず、ただ克つのみ』という言葉は当時戒めとしていたものであった。克服するための厳しい訓練をすることのみが安全に任務をするための条件であり、引き続き過去の教訓などを活用して厳しい訓練を行い、安全に雪国での飛行を継続し、国民の生命財産を守ってほしいものである。飛行訓練を中止することは誰にでもできるが、そのような判断をした人は、厳しい条件下での任務遂行を命じてはならない。真のプロフェッショナルは、厳しさを乗り越える訓練を継続し、任務に備えるのだと思う。
かつて道北で勤務していた頃、冬に備えて秋から特別の訓練をしていた。雪が降った条件での離発着訓練を全員が定められた手順に従って行い、確認するものであった。その重要なものが「Snow Out対処訓練」であった。滑走路上に新雪が積もった時に起きやすいので、朝早くから雪上車で圧雪を兼ねて軌跡を作るのである。人間の目は、素晴らしい能力を持っているもので、雪上車で付けた軌跡があると一面白い雪に見えても、詳細を見ると影ができており、浮上している機体から見てもわかる。その光の影がスノーアウトを防止するのであった。また、まったく人の入れない郊外などの着陸場への着陸をする場合は、赤い色の布で砂袋を包み、着陸しようとする地域にあらかじめ上空から投下する。雪面に赤い布が揺れて見えることで、基準の表面の状況がわかり、安全に着陸したものだ。着陸は、降着エリアの広さがあれば、できるだけホバリング停止を避けて、前進しながら接地すると雪の舞いあがりを直接受けなくて安全であることも教えられた。『自然には勝てず、ただ克つのみ』という言葉は当時戒めとしていたものであった。克服するための厳しい訓練をすることのみが安全に任務をするための条件であり、引き続き過去の教訓などを活用して厳しい訓練を行い、安全に雪国での飛行を継続し、国民の生命財産を守ってほしいものである。飛行訓練を中止することは誰にでもできるが、そのような判断をした人は、厳しい条件下での任務遂行を命じてはならない。真のプロフェッショナルは、厳しさを乗り越える訓練を継続し、任務に備えるのだと思う。