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空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

消防庁が山火事の初動からヘリコプターの大量投入を要請

2014-05-17 23:35:18 | 趣味・航空機
山火事が相次ぎ発生しているが、5月17日の産経新聞電子版によると、総務省消防庁が全国の自治体に向けて初期段階からヘリコプターの集中運用を図り小規模のうちに消火するように要請したとの記事があった。記事は、次の通り。
『総務省消防庁は16日、林野火災が発生し、都道府県の消防防災ヘリコプターだけで対応できない場合は、迅速に他の自治体や自衛隊に出動を要請、ヘリを大量投入するよう全国の消防本部に通知した。空気が乾燥する3~5月は林野火災が発生しやすいが、今年は特に乾燥した状態が長く火災の規模が大きくなっている。消防庁は「ヘリの集中投入が早期消火につながる。積極的に応援を要請してほしい」としている。林野火災が起きた場合、都道府県の消防防災ヘリは、市町村長が出動を要請する。自衛隊のヘリは都道府県知事を通じて要請する仕組みになっている。(産経新聞)』
先般来数度にわたって山火事の発生に対する対処についてこのブログで記述してきた。可能な限り早期に初期段階での消火を行うことは極めて重要であり、広域の応援体制を活かすことと自衛隊などとの連携を強化して迅速に対処して欲しい。多くの航空機が集中する場合は、先般も指摘して置いたとおり、一元的な指揮・運用統制が安全確保には欠かせないので、平素から小型ヘリコプターをもって行う空中指揮についても状況に応じて誰が行うかを決めておき、直ちに実行できるように訓練を重ねておく必要があると考えている。

カリフォルニアの山林火災で思う事

2014-05-16 10:24:04 | 趣味・航空機
毎年のように米国カリフォルニア州では山火事が発生し、年々規模が大きくなっているような気がします。昨日の産経新聞電子版にまた森林火災が発生していることを報ずる記事だありました。 『米カリフォルニア州南部で14日、少なくとも6件の山火事が起き、20軒以上の建物が全焼、1万5千戸以上に避難勧告が出たほか消防士2人が軽傷を負った。同州のブラウン知事はサンディエゴに非常事態宣言を出した。米メディアが報じた。同州の海兵隊ペンドルトン基地の敷地内も燃えたほか、近くにあるサンオノフレ原発の作業員の一部に避難指示が出た。地域の大学など教育機関の多くが休校になり、テーマパーク「レゴランド」や一部の道路も閉鎖された。・・』
気候の温暖化が影響していると思わざるを得ないような森林火災の発生が続いています。わが国も4月から5月にかけて今年も多くの山林火災が発生し、空中からの消火活動などが行われました。嘗てこのブログでも記述したことを思い出し2009年2月に掲載したものを一部記載します。
『我が国では、高い技術力を持って飛行艇が製造されており、海上自衛隊で捜索救難などに運用されています。飛行艇は日本の他、カナダ、ポーランド、ロシアなどでも製造され、消防艇として山火事などの対処の為にも運用されています。2008年10月にギリシアのアテネで航空消防をテーマにした国際会議「Aerial Firefighting 2008 Conference」が開催されて、重要な指摘がされました。山火事が頻発している欧米を中心に22カ国から航空消防関係者が参加して運用、管理、安全性、国際協力などの幅広いテーマが議論されたようです。中でも、近年の森林火災は、気候変動によって大規模化しており、火災が発生すると一国のみの対処では困難な場合が多く、国際的な協力体制が不可欠であること。また、山間地の住民の都市への集中や、森林管理の不足によって、山林が荒廃していることにも山林火災の規模拡大の原因があるとの指摘もあったようです。
将来的にも地球の温暖化や乾燥化がさらに進むものと予測され、山林火災による被害は、多発化・大規模化するものと危惧されています。わが国では、消防防災や自衛隊によるヘリコプターを使用しての消火活動が主体ですが、更に規模が大きくなり広大な地域での火災に対処するには、ヘリコプターだけではなく、飛行艇を改造した消防艇などの固定翼による広域の空中消火が必要になるものと考えられます。
今回のオーストラリアの大規模な山火事は決して対岸の火事ではないと思います。わが国もヘリコプターだけではなく固定翼による空中消火の必要性を認識・整備するとともに、それらの安全な消火活動を可能にし、効果ある消火活動ができるように備えておく必要があると痛感しています。写真は海上自衛隊のUS-2ですが、これを改造して消防艇にしようとする研究が行われています。』
もう5年も前のことになりますが、わが国では、山林火災や巨大地震に伴うコンビナートや木造密集地での火災に対処するために早急に固定翼による空中消火能力を整備する必要があると痛感しています。写真は数年前に仙台で行われた空中消火訓練で宮城消防航空隊が散水している状況です。

早朝に地震 今何を目指すべきか

2014-05-05 12:13:34 | 趣味・航空機
5月5日朝5時18分頃大島近海を震源とする地震がありました。都心の一部では震度5弱や震度4で、千葉、埼玉、神奈川などでも震度4と広域にわたる地震でした。首都直下地震が危惧されている中での早朝の地震とあって、被害がなければよいが・・と懸念しておりました。幸いにも小規模の被害で終わったと報道されており、安堵しました。

最も心配したのは、交通機関の途絶・電気・ガス水道などライフラインの停止、火災の発生です。早朝でまだ火を使う人も少なかったのかもしれませんが、火災が発生しなかったのは不幸中の幸いでした。交通網が半日でも遮断されると大混乱の恐れがあります。それにガス・水道・電気の不通が重なると混乱に拍車をかけます。パニックなどが起きないように市民の冷静な行動を期待するためには、正しい情報を迅速にサービスして現状を伝える事、そして避難や救助の為に自衛隊はじめ関係機関がしっかり機能していることを伝え、寸秒を争って日頃の訓練通り、救助活動を開始することです。

都市災害で道路交通網が遮断された際の初動救助活動では、まさにヘリコプターの救助活動や情報収集・情報提供(スピーカなどによる安心のための広報など)でしょう。ほぼ毎年首都直下地震などを想定した訓練が行われていますが、未だそれぞれの機関を横断するような訓練は少ないと感じています。

この機会に、大規模災害時には、自衛隊などを中心に指揮統制系統をできるだけ一元化し、各機関を横断して運用することが可能なシステム(D-Netなど)を導入して、総合訓練を重ねることを提案します。

防衛省は国土防衛任務を第一義としていますが、大規模災害が首都や沿岸コンビナートなどで生起すると、まさに国難であり対応しなければならない事態だと思います。日頃から大規模災害時には、関係機関を一元的に統制して機関を超えた統合運用が可能なように整備し、訓練を重ねて頂きたいものです。大規模災害時にこれが可能になれば、外敵が侵入する場合など国を挙げての国防に対しても当然効果が期待できます。東日本大震災における統合部隊運用での成果は国民の多くが理解しており、大規模災害時の自衛隊による関係機関を含んだ一元的・総合的な運用に対する期待は高いと思っています。写真は東日本大震災当時、札幌市消防局と自衛隊が連携して救助活動をしている状況です。現場では上手く連携が進んでいます。