Blue Sky Love Sky

空を愛する者として各地を歩いた際の航空機の写真災害時の活用法などを掲載しています。現場の意見などコメントをください。

山田地区の空中消火活動

2011-12-22 21:07:10 | 趣味・航空機
3月11日に発生した東日本大震災では、津波被害が甚大であり、地震に伴う市街地火災や山火事の消火活動が紹介されることは少ない。筆者は、4月初旬に岩手県へ出向き、調査活動をした。数年前に消防防災航空隊と自衛隊の航空機が連携する空中消火活動について答申したことがあり、その後この件はどうなっているかを調べるためであった。この際、岩手県防災航空隊等から大変貴重な話を伺った。県の消防航空隊始め、自衛隊の大型ヘリ(CH-47)や小型観測ヘリコプター(OH-6/OH-1)が連携して自衛隊の的確な統制のもとにヘリコプターによる迅速な空中消火活動が行われていたのである。写真(第9飛行隊提供)は、3月14日に山田町付近で発生した山火事の消火活動の模様であり、この際、第9飛行隊のOH-6(後に第2対戦車ヘリコプター隊OH-1と交代)による統制のもとヘリコプター団のCH-47や消防航空隊のヘリコプターが連携して消火活動をした。ほかの地域でも同様のことが行われており、空自の大型ヘリコプターも参加した場合もあった。大規模災害における初期の消火活動を迅速に行うことが極めて重要であることは、阪神淡路大震災の大きな教訓の一つであった。
消防庁は、一部の空地の消防能力を機動性ある部隊に編成できるように計画しておくことが重要であると考えている。首都直下地震や東海・東南海・南海連動の巨大地震での太平洋ベルト地帯での火災による被害は甚大であろう。初動において迅速に対処する一定の能力を持つようにするには、ヘリコプターだけではなく、大型の消防飛行艇なども装備する「緊急機動消防航空隊(仮称)」のような組織を消防庁長官が直轄して保持し、防衛省などと協力して迅速に対応できるように日頃からの計画や訓練を充実させておく必要がある。消防飛行艇については、我が国は、すでに海上自衛隊で運航するUS-1において実験が行われており、その有用性は実証されているが、経費をどこが負担するかなどで議論されていると聞いている。大規模災害特に巨大規模の災害では、我が国で保有するすべての資源・能力を総動員して対処すべきであり、前述「緊急機動消防航空隊(仮称)」を早期に検討して対応を準備すべきである。

Formation

2011-12-11 20:52:04 | 趣味・航空機
熊本空港に隣接する高遊原で西部方面航空隊創設50周年記念観閲飛行が行われました。西部方面航空隊は、2011年は新燃岳の火山観測や情報収集に始まり、3月11日に発生した東日本大震災にも熊本から仙台まで速やかに機動展開して救助活動などを行いました。そして秋には、わが国の南西諸島などを防衛警備するための統合演習にも参加し、機動展開能力の高さを高く評価されたと聞きました。日ごろの厳しい訓練を行っている部隊だからこそできる多様な任務への柔軟且つ迅速な対応を見事に実施していることに敬意を表したいと思います。昭和37年1月18日に設立された西部方面航空隊は、幾多の先達のご尽力で着実に能力を向上させて来たことを展示資料で拝見しました。歴史を学び、「温故知新」の気風がある組織は、将来への備えも創造性を持って着実に進んでいるものです。
観閲飛行は、22機で行われました。熊本空港の滑走路と直交する北側から低高度で進入してくる姿には圧倒されます。指揮官機のUH-60JAの後方に第1編隊のOH-1×3機とOH-6×2機の5機、第2編隊は、戦闘ヘリコプター編隊で、AH-1S×4機とAH-64D×1機の5機、第3編隊はUH-60JA×1機、UH-1J×4機の多用途ヘリ編隊、第4編隊は大型ヘリCH-47×5機のそれぞれ傘型編隊でした。最後に固定翼機LR-2が1機存在感を示すように飛行しました。4個編隊5機の傘型隊形を保持して長時間飛行することは難しいですが、さすがに一糸乱れぬ編隊飛行で、隊員一人ひとりの気概が溢れ、ピリッとした緊張感を感じました。撮影位置がやや正面からずれていたため、写真では編隊が乱れているように写っていますが、正面から見ると、写真を撮影するのも忘れて見とれるほどの緊張感がありました。観閲飛行は、指揮官の日ごろの訓練の厳しさがそのまま緊張感として表現されることが多いと思っています。今回は50周年記念観閲飛行にふさわしい緊張感を感じました。これからも国民の期待に応えて厳しい訓練を重ね、いかなる事態にも即応して行動し能力を発揮する精強な機動戦力として発展されることを期待しています。