失なわれゆく風景

多摩地区周辺の失われた風景。定点撮影。愚問愚答。

民家園探訪 狛江市

2010年10月09日 | 民家園

<2010/10/2>
私は狛江市のむいから民家園をまだ数回しか訪れたことがありませんが、
私が行ったとき(土・日)ときはいつも催しが行われていて人がいっぱいでした。
むいから民家園のページhttp://muikara.cmsdehp.com/を見ると
来園者数は年間2万3千人前後と書いてありますから、
ずいぶん大勢の人が来ていると思います。

<園内にある池>

屋内での写真撮影も大丈夫でした。うえにも上がれます。

今回とりあげた
むいから民家園(旧荒井家住宅)のある
狛江市の位置図です。
民家園住所:狛江市元和泉2-15-5

青色エリアが今回訪れた市(狛江市)
みどり色のエリアは
このブログでこれまで取り上げた市。
ピンクの○印は
民家園のだいたいの位置です。

狛江市のページ
http://www.city.komae.tokyo.jp/index.cfm/11,3302,100,247,html
には、


【所在地】狛江市元和泉二丁目15番5号
 「荒井家は、泉龍寺の表門の突き当たりにあった」

と書かれています。したがって旧所在地は
左の地図でいうと、泉龍寺から南に伸びる道が
小田急線とぶつかるあたりでしょう。
民家園との距離は約500mくらいです。
狛江の駅からも600mくらいです。
民家園周辺には生け垣や屋敷林、寺社林のみどりが
住宅地の中点在しています。
<国土地理院 1:25000地形図 に加工>


<生け垣と屋敷林 2010/10/2>

旧所在地のあたりに行ってみました。
泉龍寺の南側に伸びる道は、こちらが表参道だったのかなと思います。
門前道的な雰囲気はとくにありません。

<左:旧所在地の近くから泉龍寺の方向を、右:泉龍寺の南から南方向。奥に小田急線の高架>
<2010/10/2>

もとにもどって、民家園の北側の広い通りを行きますと、
住宅の合間にこんもりとした樹林が見えます。
こうした場所は寺社林であることが多いですが、何かしらおもしろいものがあります。
近くに行って見ますと「兜塚古墳」でした。


兜塚古墳のすぐ近くにも大木のそびえる場所があります。こちらは伊豆美神社でした

<伊豆美神社のクスノキの大木 2010/10/3>

<上と同じクスノキを下から見上げる>

境内にある榧(カヤ)の木に実がなっていてたくさん落ちていました。

<伊豆美神社にある榧(カヤ) 葉の裏に2条の淡黄色の気孔線があると図鑑に書いてある
 実:2010/10/3。葉:2010/10/9>
(図鑑=馬場多久男『葉でわかる樹木』(信濃毎日新聞社、1999年))

何年か前に、柳田國男の「火の昔」を読んでいて
(燈火の油として)「榧の木の多いところでは、榧の実の油を用い・・・」
(『柳田國男全集23』ちくま文庫、p.224)
という文がありました。すこし興味があったので
いくつか実をひろって、外の皮をむいて中の種を取り出してみました。

<榧の実>
皮の部分のにおいは「パイナップル」(甘いにおいはありませんが)
のような感じ?

私は皮の部分から油を絞るのかと思っていましたが
ネットで調べてみると、油は種の部分から絞るようです。

10/11 追記
油の取り方について「火の昔」に出ていました。
榧(カヤ)ではなく犬榧(イヌガヤ、文中ではヒョウビ)の場合ですが、

(引用開始)
 その油の絞り方を聴いてみると、まずヒョウビの実のよく熟したのを拾い集め、
いったん土中にいけて半年ほど置き、冬に入ってからそれを取り出して、上皮の
腐った部分を洗い去って、中の実を蒸すのです。
(引用おわり)(『柳田國男全集23』ちくま文庫、p.227)

このほか、カヤの油は食用にもされていたが、イヌガヤの油はくさいので
燈火の油にだけ使われていたことなどが書かれています。

上の写真の実は青いですが、『学生版牧野日本植物図鑑』(北館)に
熟した実は、カヤは「紫褐色」、イヌガヤは「赤紫色」とでています。

10/12 追記
旧高木家長屋門の屋根は残念ながら銅板葺きです。
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