失なわれゆく風景

多摩地区周辺の失われた風景。定点撮影。愚問愚答。

対鷗荘跡(対鷗台公園) 多摩市連光寺

2021年11月14日 | Weblog

<対鷗台公園 2021/11/13>

前回、有栖川宮記念公園内の都立中央図書館に行ったと書きましたが、『飯田十基庭園作品集』を閲覧するためでした。
飯田十基氏(1890-1977)は「雑木の庭」の提唱者として知られている作庭家です。
『作品集』中の「庭園作品年譜」には昭和4年「対鷗荘聖蹟記念館」と記載があり、近場だったのでおやっと思いました。
対鷗荘とは、隅田川河畔にあった三条実美の別邸で、1929年に多摩村連光寺(現在は多摩市連光寺の対鷗台公園)に移築されました。
1988年に解体されたということで(*1)、庭園も残念ながら今はありません。


<対鷗台公園 イチョウの黄葉がきれい それにしても禁止看板4枚は立てすぎ 2021/11/13>

家から桜ヶ丘公園に出かけるときはよく対鷗台公園の脇を通ります。
これまではさして関心がなかったのですがにわかに興味がかき立てられました。

<「カシミール3D」(杉本智彦)で作成後加工 赤い〇印が対鷗台公園のおよその位置>


<大栗川と乞田川の合流点付近(向ノ岡橋) 2021/11/13 このあたりで1993年に撮った動画がありますので後日youtubeにupしようと思います>

<対鷗台公園の下の方から 2021/11/06>

<向ノ岡へあがっていく道 左が対鷗台公園 2021/11/06>

<対鷗台公園 2021/11/06>

現在の対鷗台公園からの眺めは建物にさえぎられてはいますが、近くは春日神社周辺の樹林や関戸天守台など、
遠くは丹沢が望めて、対鷗荘時代はなかなかの眺めだったのではないでしょうか

<対鷗台公園 丹沢の山並みがちょこっと見えています 2021/10/24>
カシミール3Dで作った眺望図ではこんな感じです。

<対鷗台公園付近からの南西方向の眺望図 「カシミール3D」(杉本智彦)で作成>

最後に、対鷗荘については『対鷗荘と多摩聖蹟記念館』旧多摩聖蹟記念館特別展図録(*1)が聖蹟記念館で販売されています。
中には「対鷗荘庭園設計図」が載っていました。庭園設計者についての言及はありませんでした。

*1『対鷗荘と多摩聖蹟記念館 旧多摩聖蹟記念館特別展 2002年11月』倉持順一 編著 多摩市教育委員会教育振興課 発行
平成14年初版 平成27年第二版





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