見晴台学園トピックス

 1990年、学習障害や発達障害の中学生・高校生が学ぶ全国にも珍しい父母立の学園です。

学園の親のハナシ10

2015年03月03日 | 父母の声
学園に入学するまでと入学後2年間のことは、2015年度学園案内に書きましたので
今回は“文章を書く”ということに関して、息子の変化(成長)をお話ししようと思います。

息子は小学校時代、学校で文章を自分一人の力で、書いたことがないようでした。
国語のノートはほとんど白紙。短い一文でさえ途中まで。
卒業文集は、不登校中だったこともあり、家で苦労して書かせました。
結局書けないまま、書かないまま過ぎてきました。

学園に入ってからは、文章を書く機会が多く
特に各学期末に学園独自の“評価票”(成績表にかわる位置づけ)というものがあり
生徒、教員、親それぞれが文章で書き、一つのものをつくります。
生徒にはふり返りがしやすいように、色々な項目が書かれた紙を先生が用意して下さり
それに記入し、最後に一つの文章にまとめるのですが
これが大変な作業で、ほぼ一週間かけて取り組みます。

ずっとやらずにすんできたことなので、はじめのうちは、面倒くさい!書くことがない!
さらには自分に向き合うことが苦手で、出来なかったこと、嫌だったことは思い出したくない!
楽しかったことしか書きたくない!それがなければ書くことはない!と
1、2年生のころは相当苦痛な一週間だったようです。

そんな息子に学園の先生は、本人の様子をみながら声をかけて
少しでも自分から書けるように促し
少しでも書けるとそれを褒めて認めて下さいました。
本当に書くことを教えるのは時間と労力のいることです。

学園生活も4年が過ぎようとしている今
苦手意識はまだまだあるものの、書く技術だけではなく
自分の気持ちを素直に書くことができるようになってきたと感じています。
また、「もう携帯に入れた(入力した)から。あとは紙に書くだけ」と言って
びっくりさせられることもよくあります。

高等部5年目(専攻科2年)は研究論文を書きますが
入学当初は論文なんて息子には無理!と内心思っていました。
でも今年度専攻科1年で研究論文演習に取り組んでいた姿や出来上がったものを見て
本番の論文にはまだまだかもしれませんが
こんなことが出来るようになったんだなと、本当に驚いています(嬉)。

今年はいよいよ学園最後の年。
また大きく成長してくれるのを見守っていきたいと思います。

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