令和5年5月9日(火)
今回は、
正門の一対の石柱にも注目。
向かって右の石柱には、
「杓底一残水
向かって右の石柱には、
「杓底一残水
(しゃくていいちざんすい)」 、
左の石柱には、
「汲流千億人
左の石柱には、
「汲流千億人
(流れを汲む千億の人)」
と彫られている。
と彫られている。
調べると、
永平寺の第七十三世住職、
熊澤泰禅禅師が作られた
四句からなる五言詩の後ろ二句を
刻んだもの。
この漢詩の前二句は、
「正門当宇宙」
「古道絶紅塵」
と詠まれている。
最初から順に読むと、
「正門は宇宙にあたる。
古道は紅塵を絶す。
杓底の一残水(しゃくていいちざんすい)
流れを汲む千億の人」
となる。
それは、
それは、
「正門は人知をこえた真理の世界、
すなわち仏の教えの入り口である。
道元禅師が教えられた、
そして古人が歩んでこられた道(教え)は
人間の様々な心の垢を除き去ってくれる。
柄杓で汲んだ水で手を洗い、
そして、
柄杓の底に残った水を川へ還された
という道元禅師。
その風を慕い、
その風を慕い、
多くの人がまた永平寺の門をくぐって
その教えを汲む。
永平寺の境内には
川が豊富に流れていて、
年中絶えることがない。
かつて食べ物やその他のものが
十分になかった頃でも、
水が不足することはなかった。
そのいくらでもある水でさえ
粗末にしてはいけない、
大切にするように。」
という道元禅師の教えを意味する。
今も
今も
「吉祥閣五訓」
として英々と受け継がれている。