貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

等栽と名月を観賞に!福井左内公園その2

2023-05-14 10:47:13 | 日記
令和5年5月14日(日)
 1689年9月24日、
芭蕉は知人の等栽に会いに行く。
「福井は三里ばかりなので
夕飯を食べてから出たが
黄昏時の道なので
迷い迷い歩いた。
ここには、等栽という古くからの
世捨て人がいる。
何年前か江戸に来たとき
私を訪ねてきた。
もう老いぼれているか? 
或は死んでしまったか?
と人に尋ねるとまだ存命で
どこそこに住んでいると言う。
町の中から引っ込んだところの、
粗末な家で夕顔・糸瓜が
生えかかり、鶏頭・箒草で入口を
隠している家だった。
たぶんこの家だろうと門を叩くと、
みすぼらしいなりの女性が出て
きて『何処から来た仏道心のある
お坊さんでしょう。
主人は今近くのどこどこにいますので、
用事が有るのならお訪ね下さい』
と言う。 
然と彼女が等栽の妻と分った。
昔の物語(※)には
このような風情があるものだ。」
※源氏物語・夕顔をイメージして
いるらしい。
「すぐに等栽を訪ねて会い、
その家に2晩泊まり、
名月は敦賀の港で見ようと思い
旅立った。
<芭蕉と月の句一覧>

等栽も送りますと
着物の裾を面白い様子に
はしょり道の案内をしようと
ウキウキして出発した。」
 芭蕉宿泊の地
「等栽宅跡碑」もあり。
<等栽と左内町説明>

奥の細道関連の資料も
案内板にて紹介されている。
<奥の細道の旅の図>

 大理石でまん丸の月を
かたどられた芭蕉の句は、
「名月の 
  見所問はん 
   旅寝せむ」