貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

敦賀市常宮神社:小萩と小貝と小盃を重ねた一句!

2023-05-22 11:00:00 | 日記
令和5年5月22日(月)
敦賀市:  常宮(じょうぐう)神社        
 地元では、
「お産のじょうぐうさん」
と呼ばれ親しまれている神社。

 神功皇后が、
ここで皇子の応神天皇を安産
したことから、安産の神様として
崇められている。
 神功皇后は、
氣比神宮の祭神・仲哀天皇の妻であるため、
常宮神社は氣比神宮と夫婦とされ、
常宮神社は、「奥宮」といわれている。
<境内社>

 毎年7月には、
氣比神宮の祭神・
仲哀天皇を納めた船神輿が船で海を渡り、
神功皇后を祭る常宮神社まで会いに行く
という、
ロマンチックな神事が
執り行われている。
<神社由緒>

 立地条件や神功皇后が
三韓征伐に際して海路の無事を祈願した
との伝えがあることから、
航海や漁業の守護神としても
信仰されている。
 また、
国宝『朝鮮鐘』が
奉納されていることでも有名。
<国宝朝鮮鐘碑>

 朝鮮の役における
吉継の見事な軍監ぶりに
「吉継に百万の大軍の軍配を
預けてみたい」と秀吉に言わしめた。
 この役で持ち帰った
「朝鮮鐘」(国宝)は、
吉継の手で慶長2年(1597)、
秀吉の命により常宮神社に
奉納されたといわれている。
<国宝新羅鐘の倉庫>

 参拝を終え、
いろいろな貝がたくさん箱の中に
並べられているのに気づく。    
 その前に、
「芭蕉が詠んだますほの小貝」
と記載され、
ちょっと深鉢の皿(小盃)に
小貝がご飯のように入っている。

 『奥の細道』の中で、
芭蕉は敦賀にて
十もの句を詠んでいる。
 船で、
この常宮神社近くの色ヶ浜へと
渡った芭蕉は、
「小萩ちれ 
  ますほの小貝 
     小盃」
という句を詠む。

 「ますほの小貝」
とは、
ますほという名前の貝が
あるわけではなく、        
「ちどりますほ」
という2~3ミリ位の
淡紅色の美しい小貝のこと。
<ちどりますほ>

 色の浜の小萩よ散れ。
浜いっぱいの可憐なますほの
小貝の間に、また我々が手に
している盃の間にも、
という意。
 小萩・小貝・小盃と重ねて、
軽く弾んだ軽妙な一句。