貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

鶴仙渓遊歩道:⑧道明ケ淵伝説とは!

2023-04-24 13:57:31 | 日記
令和5年4月24日(月)
 鶴仙渓遊歩道:⑧
黒谷橋から川床を経て  
<黒谷橋>

<川床>

 
 鶴仙渓の最下流で、
大きな淵をなし奇岩・名瀑に
風趣をそろえる辺りが黒谷。
 そこに架かる重厚なアーチ型の
石橋が黒谷橋だ。 
                             
 この石橋は
昭和10年に架けられたもの。
 それ以前は、木造の橋で、
古くから多くの人が
この黒谷橋を通って
小松・那谷寺へと旅立ったそうだ。
 私は再び遊歩道へ折り返す。

 自笑の句は、            
「川音や 
  うき世隣の 
    ほととぎす」。  
 芭蕉は、
道明(どうめい)が淵において、
次の句を詠む。
 加賀山中桃妖に名をつけ給ひて…。
「桃の木の 
  其葉ちらすな 
     秋の風」                     
        『泊船集』
<道明ケ淵絶景>

 道明ケ淵の龍伝説とは、
「ある長雨がおさまった日、
一人の娘さんが、
音を立て渦をまく濁流を見ていると、
巨大な龍が爪を逆立てながら現れ、
娘さんを飲み込もうとした。
 そこに、
一人の若者が立ちはだかり、
龍の背中にまたがって、
黄金の太刀で、
一瞬にして急所をつき、
龍を退治する。
 命を救われた娘さんは、
若者に
『名前をお教えください』
と尋ねたが、
若者は「道明」とだけ名乗り、
姿を消す。
 娘さんは若者にどうかもう一度
会いたいと毎日医王寺に行って、
薬師如来に念じる。
 すると、
道明の姿がかすかに現れ、
娘が『あなたは?』と聞くと、
『私は龍頭観音。
龍とともに天に昇る。
私に会いたければ、
薬師如来を拝みなさい』
と告げて姿を消される。
 道明は龍頭観音。
 村人たちはいつしか
この淵を
『道明が淵』
と呼ぶようになった。」
という話。
 芭蕉は知っていたのだろう?