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10大会回顧録

2010-11-23 22:26:21 | お芝居演劇
 今までの伊丹西高校演劇部の作風と全く違った作品で臨んだコンクール。結果は思いもよらぬ?近畿進出。そんななかで見えたもの、見えなかったものを残しておかなければ。そんなつもりで記事投稿です。
 伊丹西高校演劇部は只今第三スパイラル。言ってはみたもののビジョンがはっきりしていた訳ではありません。転勤して気の合う生徒達を捕まえて演劇ごっこを始める第一スパイラル。そこにはチームというより個人で何か面白そうなことにチャレンジするという動機しかありません。仕組みのない集団で、各自の味を活かし、あり合わせの料理を偶然の可能性で作り上げる時期。新鮮で掛け替えのない時期なのですがやがて停滞が起こります。
 第二スパイラルの始まりです。第一のつもりで創る劇の限界が訪れ、僕もメンバーもどうすれば面白いものが出来るか苦悩します。そんな中でチームプレーや集団のシステムが充実し始めます。演出、舞監、脚本、音響、照明などまず裏方の伝統が出来てきます。スタッフワークは個人のセンスではなく技術なのである程度確実に後輩へと伝わるからです。先輩後輩の関係も生まれます。生徒達がお互い自浄作用を発揮するようになるのもこの時期。そんなシステムの充実によって顧問の意識はより作品の中核へと向けられます。ナチュラルな演技以外に、抽象的な演技にも自然と抵抗なく取り組めるようになってきます。登場人物全員色鉛筆とか、第一スパイラルではなんで?って答が返ってくるような設定にも、不思議とみんなで飛び込んでいけたりするのです。尼北の『好色』、伊丹西の『あらま☆』偶然かも知れませんがどちらも活動8年目、第二スパイラルの最後に産まれた名作だと思います。
 ここで第三スパイラルです。行き詰まりは確実に、周期的にやって来るのです。どれだけやっても納得がいかない。まだ何か出来るはずだって。メンバーの人数が足りないとか、人数がいても役者が小さいなど不安要素が大きいほど行き詰まり感は加速します。何かしなきゃ、何が出来るの? 苦悩は僕だけではなく部員達にものしかかっているはず。今までに手を出していなかった世界にも手を伸ばすのは苦しんだ末の決断かも知れません。今年の奇跡的な結果はみんなにとって確実に自信につながったはず。もがけば今までと違った明日が来ることもある。お芝居の神様からそんなヒントをもらえた二〇一〇だったのかも知れません。
 近畿最優秀の大谷高校だって、たった二人の三年生で今年も相当苦悩したはず。この先あのスタイルが何年も続くとは思えないのです。次に来るのは何か、高校演劇の最先端で僕たちがしなければならないのは、決して誰かのコピーや過去の焼き直しではないはず。まだ誰もが観たことのないずんげぇものを目指して、第三スパイラルはあるのかも知れません。はてさて、何が起きることやら…。
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