Gon's_Bar

ブログって何? 2023年4月より兵庫県高等学校演劇研究会東播支部へ移動。高校演劇の情報の配信、記録も。

雑巾がけ

2012-09-28 22:40:39 | お芝居演劇
 「今日は部員が4人しかいません。何かやっといた方がいいことってありますか?」放課後2年の江姫からメール。

部長のガッキー → 体調不良のくせ映画(予告)
演出細那 → 追っかけ(予告)
わら子 → 風邪
沙良 → 病院(予告)
猿マ → 反省文?

 出来るシーンは有りません。こんな状態はカワタケ部長の時以来。当時のHPから引用。

03.06.21(土) 西高祭『好色十六歳男』 永山祐介作
 何度かビデオで見たことはあったけど、オリジナル作品と競合した結果、好色を文化祭に上げることになりました。読み合わせをしていても楽しそうだったので、何とかなるかと思いきや、土曜日の稽古に役者がそろわず出来るシーンが無し…。これには思わずぷちっと来て「旅に出ます」と言い残し消えました。これじゃいかんでしょ。

 稽古できないなんて8年ぶりだと言いましたが、9年ぶりでした。確かこの時は午前中に稽古できないことが判明、ぶちぎれて僕一人京都までバイクでラーメン食べに行きましたっけ。それ以来「旅に出ます」と僕が言うと、部員は非常事態宣言と受け止め警戒することに。半年後のHPにはこんな記述も。

【変わってきた稽古場】
 公演前に役者がそろわない、遅刻は当たり前、自分のことしか考えない。すべて芝居の大敵。伊丹西では当たり前だからと諦めるのはやめ。信頼出来る人とだけチームを作ることにしました。稽古場の雰囲気はすごく良くなっていると思うな。そりゃもめ事も起こるけど、あんなむなしい思いはもうゴメンです。これが作品にも現れてくるのはいつ?

 懐かしい記録。当たり前が動いた時、チームは次の段階へ進むんだなって。今日みたいなことが当たり前のクラブなら、それだけの結果しか残せない。当たり前体操。
 じゃ、僕は今日旅に出たかということですが、出ませんでした。理由はいくつか。(予告)と有るのは予めスケジュール調査でこの日は是非ともこうしたいという希望があった印。気持ちも段取りも出来ますから突然ぶっちと訳が違う。その点新人わら子と猿マは減点1。この調子では『信頼できる人』にはなれません。大事だよ、居ないかもしれない誰かと、居なければならないあの人との差。
 他の理由は残ったメンバーの姿勢。何か出来ることはないか(さすがにヒントは求めてきましたが)自分たちで出来ることを探す。お芝居以外を妥協として持ち込まない、腐らない、批判しない、楽しむことを忘れない。すごいチームだなと思うのは、こういう時かもしれません。
 僕は近所のワークマンへこっそりお出かけ(旅じゃないよ)。稽古着のツナギ一着を購入。床を引きずられる演技の可能性対策。appleに試着。引きずってみる。思いのほか稽古場の床が汚れていたことが判明、全員(とはいえ4人)で雑巾がけ、しかも楽しく元気に。並んで雑巾がけしてる姿をOG文月、もみじ、まつりとアホな話しながら眺めて見てたら、旅立つ理由なんて何処にもなかったのです。

 人が集まらずに稽古が出来ない。何処のクラブにも有り得る出来事。でも、そんな一日に部員たちの可能性を確信できるなんて、すごく幸せだなって感じた。もちろんこんな日は有っていいのかってミーティングをすることも要求して。いつか旅立つ? もちろん彼女らが今日の輝きを失いかけたときにはそれに気付いてもらうため。
 
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27回生OG、文月実習中

2012-09-24 21:57:12 | Gon's_Diary
 今日から伊丹西に懐かしのOGが来ています。27回生の文月です。医療専門学校で看護師になる勉強を4年間。実習で保健室にもやって来るのですね。顔を見てるだけで楽しくなるのは彼女の人徳。お陰で元気になれそうです。
 文月といえば現役時代一番の大事件を思い出します。『かなりヤバイ!』で出場した2005年の県大会。上演前日に静香役の二年生ド蜜柑の緊急入院。上演中止かという歴代最大のかなりヤバいピンチを救ったのが当時一年生の文月でした。蜜柑と役を争っていたとはいえ、もう何週間も練習していない静香役を、たった一時間半の練習でやり遂げた伝説の先輩です。ま、今となれば笑い話ですけれど、当時は幕が降りたとたん倒れそうになったもんだ。なぁ。
 そんな懐かしい相棒が再び学校に戻って来てくれる。嬉しいことです。わずか一週間ですけど、頑張ってね。いじめてやるぜ。いひひひ。金曜日には遊びに行こうぜ~!
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canon EF-S 17-85/F4-5.6 IS USM修理完了

2012-09-22 21:25:59 | Gon's_Diary
 長ったらしい名前は、愛用の2004年式お爺さんデジタル一眼レフ、canon 20Dに付けているやっぱりお爺さん標準ズームの正式名称。合宿に持って行ったくらいから調子が悪くなり、夏休みに完全に故障。ピントが合わない、ファインダーは暗いまま、結果シャッターも切れないというおだぶつ状態になっていたレンズです。他のレンズでは異常がないことから、ボディー側のせいではないと確信していたのでレンズだけ修理に。レンズは希望小売価格87,000円、中古実売30,000円。なので許容修理費10,000円でカメラのキタムラに依頼。大体10日で返ってきました。
 予測通り内部断線。EMDユニットを交換して各部調整、11,855円の手術でした。ネットで調べると同じレンズで同じ故障の記事がぼちぼち。欠陥とか書いてる人もいるけど、それだけ多くの人がいろんな場面で使う常用レンズって事なんじゃないかな。日常の風景を、見た目とは違った角度で素敵に切り抜いてくれる道具です。これからもしっかり働いてもらわなきゃ。
 ごのいワールドやGon'S_Barの、ちょっと小じゃれた写真を担当する相棒の復活。今日の運動会に間に合わなかったのはまあ、良しとしましょう。
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驚くべき町工場

2012-09-21 22:44:51 | タイヤが好き
 Gon's_Barではまだ紹介していない次世代ごのい家Car。ようやく完成品に近づいているようです。今日届いた映像がこれ。何なの?って人もいるかも知れないので一応説明すると、車のダッシュボード。運転席の前にあるパネルです。よく見るとエアコンの吹き出し口とか、ハザードランプのボタンが見えます。中央には液晶画面。そうです、ナビ画面。オリジナルのダッシュボードの雰囲気をきちっと残しながら、社外品のナビゲーションを埋め込むための特注パネルです。手作りでこんなの作る町工場が大阪、池田にあるんですね。カーブティック イフ。何で作るのとか、どれくらいの金額になるのとか、経年変化は大丈夫とか質問は山のように出てくるワケですが、とにもかくにもここまでのクオリティーを手作りで再現できるってのがすごい。試してみたくなったわけです。パネル1枚制作、ペイント、取り付けまで込みで定価は127,000円。たまたまショップのプロモーション用写真を撮らないといけないタイミングだったので、モデル料込みで込み込み100,000円に交渉。高いですよね。最初びびりますよね。でもやってみたくなるのです。どこにもないオリジナルが、職人の技で実現されるっての。
 仕上がりは来週月曜日。間近で見て、触れて、その技術の質を確かめるのが今から楽しみ。町工場にはアーティストがいる…。かもしれない。そう思うだけで楽しくなる気分です。
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便利だけどやっぱ…

2012-09-17 17:47:50 | タイヤが好き
 マーチ、親父のBMW、代車のインテグラSJといろんな車に乗ったこの夏。さらに定番日産キューブと暮らす一週間。四角いボディーで小さいエンジンながら広々。インテリジェンスキーでポケットに鍵さえ持っていれば指先一つでドアロック。エンジンかけるのもダイヤル捻るだけ。CVTで効率よい回転数選んで燃費だって優秀。ナビにテレビにDVDも見れられるし、何の不足がありますかって内容。今日も昼から気分転換と取材に図書館行くにも何の抵抗もない。リモコンをポケットに入れたら全ていうことを聞いてくれるいい子です。
 でも決定的に足りないものがある。それはときめき。タイヤ好きにはそれが大切。値段や便利な装備じゃないんだな。ときめきって。ハンドルを握る、ドアを開ける、たまには離れて眺めてみる。そんなときのときめき。いい子には悪いけど、いい子だけではつかめない人の心はいっぱいある。遊び心というにはあまりに大事な何かを、僕は突き詰めていこうと思う。タイヤにも、舞台にも、教室にも。
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オーディションでした

2012-09-16 18:50:25 | お芝居演劇
 9月。夏休みに生徒創作時期を終えた台本が僕の所に届く。潤色作業の開始。台本で幕まで書き上げたものを受け取って直すから潤色。一緒にああでもないこうでもないと考えるのは合作。この頃ずっとこのスタイル。二重構造を創り出すには都合がよい。でも何が来るか予測も付かないからこれはこれで大変。見逃すなんて出来ないからバットを振る。内野ゴロゲッツーなんて出来ない。最低でも外野フライ。できれば走者一掃のタイムリーを狙うから当然のごとくうなる、もだえ苦しむ。コツは簡単。決して諦めないこと。それだけ。万が一書けなかった時のスペア台本は選んである。
 今年は部長のガッキー台本に決まった。構成がどうとか選ぶ生徒達の中にはどうでも良かったりする。セリフが活き活きしてて、親しみある単語が散りばめられていれば面白いと思う。少しも悪く無い。でも作品としての面白さは、それとはちょっと違った次元にあるのだ。部員達のガッキーに対する信頼を、間違いだったと思わせないために僕は打つ。タッチアップが出来る場所まで。そしたら後は走ってくれる、打ってくれる、次が見える。そんな感じ。

 今日はオーディションだった。直前にコンクールに出られないと決まった部員がいた。沙良だ。お家の事情といえばそこまで。バイトが決まるまで部活に来るということで今日も来た。キャスト希望は、書かなかった。代わりに涙が出た。五人目の登場人物、εは誰に任せるのか、決意はまだ出来ていない。
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上げて欲しそうなので上げてみた

2012-09-09 11:19:18 | Gon's_Diary
 台本構成でうんうん言いながらも舞い込む雑事。でも日常に背を向けては日常を描くお芝居は出来ないので、有り難くやる、やってあげる、やらせて頂く。例えばこれ。
 図書館まで2kmダウンヒル。子供らが自転車で行くというのでメンテナンス。長男から「背が伸びたからイスあげて。」とリクエスト。負けずに次男追随。結局二台とも少しずつ背が伸びました。自宅前でいつもより高速八の字走行。これだけで嬉しい気分になるなんて、子供達は不思議。いや、人間皆そんなものかも知れない。成長だけじゃない、清掃だって再構成だって、断捨離だって別れだって。
 変えずにすっと来たものをバリって変えてみた時、新しい何かが始まる気がする。そんな発見。
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Twitter連携が…

2012-09-04 21:52:22 | Gon's_Diary
 最近ブログに直接投稿より圧倒的に頻度が多かったtwitter連携ですが、どうやら調子悪いみたいです。twitterで投稿した記事を一日分まとめて自動的にGon's_Berに上げてくれるあれです。他にもGon's_Berに記事を書いたら即座にtwitterに記事のリンクを紹介してくれたり、ちょっと余分だったけど、一日分まとめのGon's_Berリンクを再びtwitterに投稿したり。ま、とにかくそれら連携機能がストップしています。
 僕自身は新学期が始まって、台本潤色が始まってと余裕のない状態ですので気楽にぽんぽん発言はしてませんが元気です。どうぞご心配なきように。

 明日は早朝補習。よい子は早めに寝ることにします。お休みなさい。
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シンプルなプロットに完全犯罪のクサビ

2012-09-02 12:26:14 | お芝居演劇
 高校演劇に一つの歴史が生まれた。久し振りにそんな作品に出会った。2012年富山県で行われた全国大会で青森中央が上演した~もし、高校野球の女子マネージャーが青森の『イタコ』を呼んだら~。『もしイタ』である。話の基本構造はこれ。

部員数8人の超弱小野球部があった。
 ↓
一人の2年生女子マネージャーの入部。彼女の一念発起。甲子園に行きたい。
 ↓
彼女の部員集め。始め協力者はいない。
 ↓
一人の転校生を説得。入部を決意させる。彼は津波でチームメイトと母親を失い、
野球を捨てた元補欠。投げられるなら投げればいいじゃないと説得。
 ↓
★勝つにはコーチが必要。ただ出来てくれるコーチはイタコのお婆ちゃん。
転校生「青森の婆ちゃんは全員イタコなの?」
キャプテン「うんにゃ、1/3ぐれえだ。」
山ごもりしてイタコの技を伝授。イタコの技を身につけようと熱心な転校生に影響されて
他の部員も変身していく。
★転校生が呼んできたのは沢村栄治の霊。
 ↓
転校生(沢村栄治)の活躍で地区大会を勝ち上がり決勝戦まで行くけれど…。
 ↓
勝負なので負ける。★延長戦の最中、沢村さん成仏しちゃって自分だけの力で試合を
終えた。みんなちょっと満足。
 ↓
転校生の夢はヘビー。死んでしまったチームメイトとまた一緒にプレーがしたい。
★それを知った仲間は、イタコの技を身につけるために山ごもり。
 ↓
夏休みの終わり、戻ってきたチームメイトは★身につけたイタコの技で転校生の元
チームメイトと母親を呼び戻す。
甲子園の夢は破れたけれど、昔の仲間との再会という夢は叶った。
 ↓
栄冠は君に輝く大合唱。幕。

★疑問点→イタコの技はそんな簡単に身につくの? 青森のお婆ちゃんは1/3イタコなの? 身体能力まで変わるの? それで一試合投げれるの? そもそも本当に出来るの? 全てNo。こんないい加減な劇、許されるの? 

 ところが許されるのです。

なんで?→高校生が被災地に夢と元気を届けるためにやってる。実際8カ所で公演を終えて全国入り。被災地の体育館で上演するため照明、装置無し。街路樹も、校舎の風景も、スタンドの応援も、飛んでいくカラスも体一つで表現。音響も無し。BGMも、打球の音も、心臓の鼓動も口三味線。だから初めからフィクション。はっきり言って漫画。でも許せる…というかだから感動する。おまけに劇中歌う曲だって作曲者の許可まで取っている(その必要はない)。シンプルなプロットに大嘘を投入し、成立させるため綿密に計算され尽くしたクサビを何重にも打ち込む。畑澤先生の完全犯罪と言えるのではないだろうか。

 純粋高校演劇からスタートした畑澤氏の劇が、コメディーに、イジメなど暗くてえぐい話に。演劇の可能性を探った作品に。そしてある意味原点に返った『もしイタ』に。年々変化し、その度に評価されたりされなかったりでまた変化し、その結果うまれたのが『もしイタ』なのだろう。
 この時代の日本において、夢が叶うなどという話を成立させるには、高校生の持ついい意味での未熟さと、それを支える強固なクサビがなければならないという一例ではないか。
コメント (3)
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