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合宿に行ってきました

2018-08-11 20:23:14 | お芝居演劇
 全国大会観戦+会議出席で信州長野、上田市へ。大会最終日は観られない覚悟(これがまた、もったいなかったという噂多々)で兵庫にトンボ返り。なぜかと言えば演劇部のビッグイベント、合宿があるから。すっとんで帰って翌朝には淡路島のアソンブレホールに向かったのだった。応援部隊は照明の要と兵隊太刀魚。共に伊丹西時代からの相棒たちだ。

 今年の合宿には初めてタナチン先生率いる川西明峰高校が参加。宿屋も同宿で若干様子が違う。いつも一緒の伊丹西のメンツには慣れている部員たちも、新出キャラクターにちょっと緊張気味。早速自己紹介や名前鬼で顔合わせを済ませ、会議室で常式物のワークショップ。事件はここで起きる。組んだ装置がいがむのは床がリノリウムで板目がないからとか、安全確認を上ではしゃいでやってみたりとか、こんなんはタナチン先生にまだ習ってないからとかイイワケ、文句のオンパレード。ひょっとして暑い夏休みにわざわざ淡路島まで来てやったのに、なんで知らない顧問にダメ出されるんだ?って思ってる? ふ~ん。

 新鮮!

 部員たちもなんじゃこりゃ?って思ったみたい。お互い様でしょうけれど。結構です。なぜなら県立伊丹、伊丹西、川西明峰の3校で翌日マイスター検定をがち予選をして、勝ち抜けたチームが平成演劇教育委員会マイスター部門へ進むことになっている。どっかの連盟みたいなえこひいき無しで判定されるのだ。県立伊丹のメンバーは目標を切り替えた。判定に持ち込まれてはいけない。文句なき「圧勝」。そっからギアチェンジしての本気モードへと突入するのだった。

 合宿には毎年お客様。地元淡路の演劇大好きYOU先輩。高校生時代から何度も僕らの舞台を観るために、本土?に足を運んでくれる昔なじみ。今回も直前の神戸チーム(御影+六甲)からのぞきに来てくれていた。急遽マイスター検定予選の審査員もお願いしてみる。びっくりして反り返っていたけれど、快く承知してくれた。
 午後は各チームごと1時間半のホール持ち時間。明峰のメンバーも、勝負がかかっているとあってようやく本気モード。出遅れているためYOU先輩はほぼべったり明峰の指導に入る。ちょくちょくのぞく程度しか出来なかったのだが、メンバーがみるみる成長していくのが伝わってくる。それは基本の基本かも知れないけど、イイワケをやめ学ぶ姿勢になることさえ受け入れれば出来る話なのだ。生徒たちの変化を見逃すまいと、顧問のタナチン先生も暴言?を浴びつつ付いていく。これがあの子たちのスタイルなのねってちょっと遠目に眺めることにした。

 初日の実習を終え宿に到着。いつもは貸し切りだけど、今日は微妙な緊張感が漂い続ける。食事タイムも同室なのだが、ここで僕からの無茶ぶり、信州のお土産披露。イナゴの佃煮(缶詰)である。「食べてみた~い」なんて言ってたくせに、モノをみてさすがにびびる。それでもこれは絶対食わな負けの奴やと察知した県高メンバーは最低一匹、ギャーギャー言いながら食べる。そんな中全く平然とバクバク食う奴も。1年テコと部長の鶴である。こうなると食える奴が圧倒的に強い立場に。最後まで抵抗していたロップもついに覚悟を決め、泣きながら試食に成功した。
 横で見ていたタナチン先生が、イナゴの佃煮という言葉を聞きつけ、「ちょっともらって良いですか?」ってやってくる。どうぞどうぞ。「明峰の子も勇気あったらどうぞ」って振ってみた。「無理」「食事は静かに食べないと…」「…。」でしょうね。その反応に県高メンバーは無言でもう一段ギアチェンジするのだった。「絶対負けん!」

 その夜はお風呂に出かけたり、堤防で花火をしたり危ない目に遭ったり、深夜1時間半に渡ってお互いがお互いのことをどう思ってるかなんてミーティングしたり。合宿でしか出来ないかけがえのない時間。解散後、大人たちもミーティング。県立伊丹のこと、川西明峰のこと、伊丹西のこと、どんな道を進んできて、今どこに居て、明日はどこに向かおうとしてるか。照明Helpの要と、タナチン先生とのお話は遅くまで続いたのだった。

 翌朝、7:30朝ご飯。なぜかサングラスをかけた明峰メンバーが先に座っている僕の前を挨拶せずに通過していく。見えてないんだろうな。そんな中、ちゃんとこっちを見て挨拶してくれる子が現れた。ちゃんと目が合う。そうそう。それ大事。もちろん笑顔を返す。通過するだけの奴は無言で見送る。「ぶっ倒す…」
 午前中の貴重な練習を、しんどい顔一つ見せず駆け抜け、午後から模擬マイスター。お互い気づいたこと、良いとこ、悪いとこ言い合うわけだが、そんな時も朝、ちゃんと挨拶してくれた子はうなずきながら話を聞いていた。明峰の明日に、文字通りの明るい光が差し込んでいる気がした。頑張れタナチン先生。

 予選の様子(明峰4級、伊丹西3級、県伊丹準2級)はさておき、ミッションをクリアし、帰る前にはホール裏の海に出て発声練習、肉体訓練。合宿のもやもやを一気に晴らす。一つの浮き輪に部員全員がつかまれるほどの小さなチームではあるが、県立伊丹のメンバーも、一回りたくましく、大きく成長したみたいである。

 ありがとう淡路島、ありがとうアソンブレ、そしてありがとう川西明峰。今度会うときは、笑顔で挨拶しておくれ。


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