また昨日の続きです。
「時間」「1997」の字幕。「書類番号IO 3142 ウォン・チーシン警部の殺人教唆事件。第11回内部調査審問を行う。警部補には指導力が必要。ラウ警官、君が昇進にふさわしい理由を簡潔に述べたまえ」「1995年4月に提出されたこのビデオの映像によれば、君が殺人教唆をした疑いがある」ウォン「認めます」「もう1997年だ。7月1日までに昇進が認められない場合は?」ルク「中国語で“王が変われば体制も変わる”と言います。心機一転頑張る覚悟です」「もう一度聞く。もしこれらの証拠がすべて無効と言ったら、やり直したいか?」ウォン「でも私は法を犯した人間です」「返還後、警官の士気はどうなる?」ルク「中国人は情にもろく、法の支えを必要としています。でも私は自分の精神力を信じます」ウォン「温情には感謝します。でも自分に自信が持てません」「ここで諦めたら、ルクに対し申し訳が立たんだろ? 戦いはまだ終わってない。我々はこの件の決着を望んでいる。ンガイ家に香港を牛耳らせてはならん。これはインターポールの資料だ。読んでから決めろ」。
サム「タイで葬式を出した。数ヵ月前。女房の葬式だ。僧を招いて三日三晩お経を唱えてもらった。俺は三日間一滴の涙もこぼさなかった。でも埋葬の日、棺を客間に残し、葬儀屋は出て行った。腹が立ち、そいつらを殴ろうとしたとき、僧が言った。“タイの風習なんだ。死者には少しの間付き添ってやらねば。そうすれば安らかに眠れる”。俺は僧に聞いた。“棺の中にいない。それでも安らかに眠れるのか?”と。僧は俺の胸に手を置き、“大丈夫だ。奥さんはここにいる”。ちょうどここをタイ人の銃弾が貫いたんだ。俺は自分に言った。“もう引き返せない”」ウォン「香港に戻ってハウの罪を証言するのは危険だ」「あんたは男前だな。信用してる。そう言ってくれてうれしい。これからは?」「全力を尽くす。それが俺の仕事だ」「すべて解決したら警察を辞めろ」。サム、去りながら笑う。「あんた、変わったな」。妻子に近づくサム。
ヤクを吸引するヤン。「安物を混ぜたな」と手下に暴力を働く。「ヤン、ほどほどに。下の者が怖がるぞ」「ボスの命令だ。不満なら病院にでも行け」。
ハウ「彼らはお前より年上だ。学ぶことも多い。サンスクは数年で引退だ。今、問題を起こしたくない。返還後の議会への立候補者を集め、今夜パーティを開く。私が当選すればンガイ家は表社会に出られる」。
パーティ。ハウ、皆に囲まれて人気者。男「チャン主任は黒社会が何よりもお嫌いです」。ウォンら、乗り込む。「ンガイさんの弁護士です。パーティなのでお話は後ほど」ウォン「いや、そうはいかん。1995年、複数の殺人事件に関与した容疑で逮捕する。同行を。発言はすべて記録され、証拠になりうる」。
ハウ「殺人罪は成立しないだろう。だが組織のトップとして責任は免れない」手下「政党から“返還パーティ”への出席は辞退しろと」「立候補は?」「取り消されたよ」「北京の友人に相談してみようか?」「無駄だ。警察は“死人”まで味方にしている。死んだと思われたサムが検察側の証人に立つ。勝ち目はない」「ンガイ家がこんな事態になるとは」「何とかしろ」「どうしろと? 政府を脅すのか? 落ち着け。皆同じ船に乗ってる」「私は違う。弁護士だ。一緒にするな。“沈む船”に乗る気はない」。弁護士、去る。ハウに電話。「サムの妻子がタイにいる。お前に任せる。姐さん、母さんを連れて兄さんたちとしばらくハワイに」「大丈夫なの?」「もちろん。力になれず済まない」「何を言うの? 家族じゃない」「母さんを頼む」。
サム「たとえ俺が証言したところで、ハウは数年食らうだけ。彼が俺を殺せば終身刑にできるがな」ウォンとサム、笑う。「感謝している。あんたのおかげで香港に帰れた」「仕事がある。話はまた。何か必要なら彼らに言え。お前の護衛役だ」。
サム「調子はどうだ?」レン「CIB(情報課)に転属になった。来月警部補に昇進だ」「マリーは空港でお前に電話したか?」「サム兄貴、元気を出して」「ウォンが何か必要ならお前に言えって。力を貸すか?」。(また明日へ続きます……)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
「時間」「1997」の字幕。「書類番号IO 3142 ウォン・チーシン警部の殺人教唆事件。第11回内部調査審問を行う。警部補には指導力が必要。ラウ警官、君が昇進にふさわしい理由を簡潔に述べたまえ」「1995年4月に提出されたこのビデオの映像によれば、君が殺人教唆をした疑いがある」ウォン「認めます」「もう1997年だ。7月1日までに昇進が認められない場合は?」ルク「中国語で“王が変われば体制も変わる”と言います。心機一転頑張る覚悟です」「もう一度聞く。もしこれらの証拠がすべて無効と言ったら、やり直したいか?」ウォン「でも私は法を犯した人間です」「返還後、警官の士気はどうなる?」ルク「中国人は情にもろく、法の支えを必要としています。でも私は自分の精神力を信じます」ウォン「温情には感謝します。でも自分に自信が持てません」「ここで諦めたら、ルクに対し申し訳が立たんだろ? 戦いはまだ終わってない。我々はこの件の決着を望んでいる。ンガイ家に香港を牛耳らせてはならん。これはインターポールの資料だ。読んでから決めろ」。
サム「タイで葬式を出した。数ヵ月前。女房の葬式だ。僧を招いて三日三晩お経を唱えてもらった。俺は三日間一滴の涙もこぼさなかった。でも埋葬の日、棺を客間に残し、葬儀屋は出て行った。腹が立ち、そいつらを殴ろうとしたとき、僧が言った。“タイの風習なんだ。死者には少しの間付き添ってやらねば。そうすれば安らかに眠れる”。俺は僧に聞いた。“棺の中にいない。それでも安らかに眠れるのか?”と。僧は俺の胸に手を置き、“大丈夫だ。奥さんはここにいる”。ちょうどここをタイ人の銃弾が貫いたんだ。俺は自分に言った。“もう引き返せない”」ウォン「香港に戻ってハウの罪を証言するのは危険だ」「あんたは男前だな。信用してる。そう言ってくれてうれしい。これからは?」「全力を尽くす。それが俺の仕事だ」「すべて解決したら警察を辞めろ」。サム、去りながら笑う。「あんた、変わったな」。妻子に近づくサム。
ヤクを吸引するヤン。「安物を混ぜたな」と手下に暴力を働く。「ヤン、ほどほどに。下の者が怖がるぞ」「ボスの命令だ。不満なら病院にでも行け」。
ハウ「彼らはお前より年上だ。学ぶことも多い。サンスクは数年で引退だ。今、問題を起こしたくない。返還後の議会への立候補者を集め、今夜パーティを開く。私が当選すればンガイ家は表社会に出られる」。
パーティ。ハウ、皆に囲まれて人気者。男「チャン主任は黒社会が何よりもお嫌いです」。ウォンら、乗り込む。「ンガイさんの弁護士です。パーティなのでお話は後ほど」ウォン「いや、そうはいかん。1995年、複数の殺人事件に関与した容疑で逮捕する。同行を。発言はすべて記録され、証拠になりうる」。
ハウ「殺人罪は成立しないだろう。だが組織のトップとして責任は免れない」手下「政党から“返還パーティ”への出席は辞退しろと」「立候補は?」「取り消されたよ」「北京の友人に相談してみようか?」「無駄だ。警察は“死人”まで味方にしている。死んだと思われたサムが検察側の証人に立つ。勝ち目はない」「ンガイ家がこんな事態になるとは」「何とかしろ」「どうしろと? 政府を脅すのか? 落ち着け。皆同じ船に乗ってる」「私は違う。弁護士だ。一緒にするな。“沈む船”に乗る気はない」。弁護士、去る。ハウに電話。「サムの妻子がタイにいる。お前に任せる。姐さん、母さんを連れて兄さんたちとしばらくハワイに」「大丈夫なの?」「もちろん。力になれず済まない」「何を言うの? 家族じゃない」「母さんを頼む」。
サム「たとえ俺が証言したところで、ハウは数年食らうだけ。彼が俺を殺せば終身刑にできるがな」ウォンとサム、笑う。「感謝している。あんたのおかげで香港に帰れた」「仕事がある。話はまた。何か必要なら彼らに言え。お前の護衛役だ」。
サム「調子はどうだ?」レン「CIB(情報課)に転属になった。来月警部補に昇進だ」「マリーは空港でお前に電話したか?」「サム兄貴、元気を出して」「ウォンが何か必要ならお前に言えって。力を貸すか?」。(また明日へ続きます……)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)