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ドン・シャープ監督『蠅男の呪い』その3

2015-12-06 18:47:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
 目覚めたパット、マーティンに「写真があったの。女の人の。落としたの」「何もない」「夢じゃない」「どんな写真だった?」「よく覚えてない」「夢だからだ。鎮静剤を飲めば眠れる。私はモントリオールに行ってくる」「そう、ジュディスの写真だったわ」「心当たりがあるのか?」「写真に書いてあった」「ジュディスは昔の恋人だが、写真はない」「じゃあなぜ? 妄想?」「女も写真も存在しない」「私、正気じゃないわ」「違う」「話して」「ピアノ室で見た女性がジュディスだ。実験のせいでああなった。真実を話そう。人間を使って実験した」「何てこと!」「そんな目で見るな。人類に貢献するための装置だ。一瞬で移動できる。想像してくれ。災害や戦争があった時、医師や救援隊をすばやく送れる。そのための犠牲だ」。パット、眠ってしまう。
 ロネ警部「ジュディスはどこだ? 見当は?」マーティン「勝手に出て行った」父「メキシコで離婚届を出している」「書類は?」「自宅にある」「是非見たい。明日にでも見せてもらおう。(写真を見せて)この2人は?」「サミュエルズとディルです。以前助手をしてもらってました。交換留学生だったので、帰国しました。時折手紙が来ます」「連絡がつかなくてね。では明日」。マーティンと父が帰ると、検察に電話し、「捜査令状を用意してくれ」。
 夜。雷。パット、目覚める。ベッドから起き上がると、足にガラスの破片が刺さる。周囲を探すと、やはりガラスの破片が。
 ワン。近くにガラスの割れた写真立て。ジュディスの小屋に行き、「彼女は寝室にいる。あなたのベッドに寝ている」と言うと、ジュディスはワンに襲いかかり、ワンを小屋に閉じ込めて、館に向かう。
 パットはコートを羽織り、ドアから出ようとするが、そこにはジュディスが立っている。パットは悲鳴を上げて逃げるが、袋小路に。ドアが開き、中に入ると、そこは実験室。中にいたタイは入ってきたジュディスを止めようとし、レンチでジュディスを殴り、気絶させる。
 タイ、ワンを小屋から出す。タイ「ここを出よう」ワン「ジュディスを探さないと」「私が殺した。殺すつもりじゃなかったが。行こう。警察に捕まる」「でも証拠がない」「マーティン様には何と?」「脱走したと言えばいい。あの女は?」「やるか」。
 ワンとタイはジュディスを装置の中に入れ、電源を入れる。
 パットは門から外に出ようとしたところを父に捕まり、失神する。父は車を出しに行き、マーティンはパットを抱き上げて館に向かうが、実験室に明かりが灯っているのを見つける。
 父「どこにもいない。いつ逃げた?」タイ「15分か20分前です」マーティン「早く探さないと」父「それよりも警察がまもなく来る。2人とも荷造りを」。タイとワン、去る。「彼女は大丈夫だろうか?」「ただのショックだ」「彼女は置いていく」「手遅れだ。秘密を話したんだろ? すべてが水の泡だ。彼女をロンドンに転送する」「嫌だ」「普通の生活が送れるぞ。愛し合ってるのなら彼女の本望だ。私が先に行く。次に彼女。お前はタイに送ってもらえ」。
 マーティン、書類を焼く。父「アルバート、協力しろ」「あなたは神でも人間でもない。3人も殺して」「科学の進歩には犠牲はつきものだ。これは小さな失敗だ」「ジュディスが小さな失敗? サミュエルズとディルも? 私は降りる」マーティン「僕は見捨てられてもいい。だが父さんは救え。法廷でさらしものにはするな」「父さんは異常だ。装置は使わせない」「5分後に父さんを送る」。マーティン、電信を切る。アルバート「マーティン、待て」。父「我々を怪物だと?」マーティン「分かる気がする」。
 マーティン「ロンドン応答せよ。カウントダウンを始める」アルバート「マーティン、話を聞け」。マーティン、父を転送する。「ただちに統合しろ」。アルバート、泣いている。そばの装置は破壊されている。
 タイとワンは車で門を出ていく。車でやって来たロネ警部はそれを見て、自分の車を館に進ませる。
 マーティン「ロンドン、応答せよ」。マーティン、苦しみだす。パット、装置の中で目覚める。「助けて!」ともがくパット。マーティン、パットを装置から出す。ノックする警部。マーティン、苦しみながらパットを抱いて外へ向かう。「放して!」。追う警部。マーティンはパットを放して、車の中に倒れ込む。「パット、助けてくれ!」。パットは車の中をのぞき込む。奇形化しているマーティン。「いやー!」。
 「ドランブル邸に応援を頼む。中国人の男女も緊急手配だ」。パット現れ、「マーティンが……。外です。一緒に来てください」
 「ここにいて」。警部が車の中を覗くと、白骨化したマーティン。警部はパットを抱いて邸宅の中に。“これで終わりか?”の字幕。

 なんともまがまがしい映画でした。
 
 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

ドン・シャープ監督『蠅男の呪い』その2

2015-12-05 09:18:00 | ノンジャンル
 昨日からの続きです。
 父「科学者の妻は苦労するよ」「平気ですわ」「動物実験で心が痛んだだろう?」「仕事なら仕方ないわ」「あそこには近づかないように」マーティン「後で庭を案内しよう」。パット、去る。マーティン、苦しみだす。父、マーティンを横にして、注射。「いつからだ?」「モントリオールで注射を忘れて悪化した」「気をつけろ。早く完成させないと彼女にばれる」「まだ準備が」「進めるしかない」「なぜ?」「密告したのはアルバートだ。我々より恋人が大切なんだ。さっきの警部もいずれ捜索するだろう。モントリオールへ行く。仕事を片付けよう。急げば夜中に戻れる」。
 シャラス警部にロネ警部から電話。「一件落着だ。マーティンが結婚した」「おかしいぞ。マーティンは既に結婚してる。大学時代の友人でピアノが上手な美人だった。ジュディスだ」。
 夜。下手なピアノ。パット目覚める。ピアノを弾く醜い左手。ピアノ室に行ったパットが灯りをつけると、ジュディスの醜い顔が。振り向くとワン。パット失神。ワン「来なさい。戻るのよ」。びっこを引くジュディス。左足に包帯。
 パット、マーティンに起こされる。「悪夢でも見たのか?」「夢じゃない。恐ろしい顔の女がピアノを弾いてた。ワンもいた」「ワンを呼ぼう」「信じて」「寝ぼけてただけだ」「なぜピアノ室に置き去りを?」ワン「来ていません」「嘘よ。ワンはあの女を見てる」「下がれ」「信じないのね」「そんな女はいない。ゆっくり休んで」「騒がせてご免なさい」「寝よう」「私、変よね。幻覚だったなんて」「ただの夢だ。僕を信じろ」「もちろん」。
 父、ワンに「ジュディスを出すな。出すのは命令した時だけだ」マーティン「昨夜はすまなかった。彼女は混乱してる。真実を話したい。そうしないと本当におかしくなる」父「隠し通した方がお互いのためだ。サミュエルズとディルを至急ロンドンへ。警部が戻ってくる前に証拠を消さねば。アルバートが始末してくれる。脅してもやらせる」「あいつも共犯だ」「彼らは人間ではない。傷ついた動物だ。空の檻を見せてパットを納得させよう」「ジュディスは?」「元夫のお前が決めろ」。
 小屋のドアを開けるマーティン。襲いかかるサミュエルズ。ドアを閉め、催眠ガスでサミュエルズを眠らせるマーティン。
 袋に入れたサミュエルズを実験室に持ってきたマーティンは「後は僕が」と言って、去る。袋の中で目覚めるサミュエルズ。
 シャラス元警部「マーティンの祖父の最初の実験記録だ。カプセルからカプセルへ瞬時に転送する。当然人間で試したくなる」ロネ警部「自ら実験台に?」「それが悲劇の始まりだ。蠅が紛れ込んだことに気づかず、2つの物体を合体し、こんな姿に」「信じられん」「作り話と思った。見るまでは。この時から一族は蠅に呪われた。息子がこの怪物と蠅を再び転送して、元の姿に。見た目は正常になったが、蠅は冬が越せない。マーティンと父も寒さに弱い。異常な速さで成長し、年老いていくのを特殊な血清の注射で防ぐ。兄のアルバートは正常だ」。
 マーティンがディルを運んでくると、サミュエルズが消えている。背後から襲ってきたサミュエルズの怪物とマーティンの乱闘。やって来た父は棒で何度もサミュエルズを叩き、失神させる。
 「ロンドン応答せよ。応答なし」「始めよう」。父とマーティンはサミュエルズを装置でロンドンに送る。
 ワン、眠るパットのそばにジュディスの写真が入った写真立てを置いて去る。パットは目覚めて写真に気づく。そこには“愛をこめて ジュディスより”の文字。パットは写真立てを手に取るが、力が入らず落としてしまう。ガシャンという音。再び眠るパット。
 「ロンドン応答せよ」。床には空になった2つの袋。「私だ。緊急事態だ。すぐに統合して処分しろ。2人同時だ」「どんな姿に?」「分からん。細胞の集合体だろう。原形がない方が始末しやすい。私情にとらわれるな」「ロネ警部から電話です」。
 アルバートは統合する。唖然とするアルバート。装置の中には激しく鼓動する肉の塊がある。斧を手にするアルバート。
 「我々から出向く。要件は?」「さあ」。(また明日へ続きます……)

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ドン・シャープ監督『蠅男の呪い』その1

2015-12-04 08:15:00 | ノンジャンル
 本『映画の生体解剖』で紹介されていた、ドン・シャープ監督の’65年作品『蠅男の呪い』をYouTubeで見ました。
 仰角で撮られた夜の館。ガラスが割れるスローモーション。下着姿の若い女が逃げ出すのをスローモーション。“フルニエ精神病院”の看板。車が現れ、女を見た運転手は車を停め、上着を渡し、車に乗せる。「どこまで?」「モントリオールまで」「私も同じ。女性作家の助手をしていた。夫から逃げてきた。戻れない」。
 「家族に連絡を」「いない。友人も。金もない」「その服、似合うよ。僕のホテルへ」。
 ホテル。「落ち着いた? 服を買いたまえ」「職探しをするわ」。
 男は電話。「ケベックのドランブル邸に。新しい装置が来週に完成する。ロンドンに連絡してくれ」。電話を受けた中国人は直通電話をロンドンにし、アルバートが出る。「装置を注文したそうです。旦那様は元気ですか」「元気だ」。電話を切る。アルバート「研究から身を引きたい」父「3代続いた研究だ。もうすぐ完成する。そうすれば恋人と結婚できる。物質転送機が空間移動機となるのだ」「ジュディスやサミュエルズは?」「科学の進歩に犠牲はつきものだ。先週お前たちは私をケベックからここへ転送した」「何言ってるんです? こんな体になって」。父の背中はケロイド状。
 “モントリオール警察”。「12日に脱走したのに、なぜ今頃届け出を?」「個人の病院なので警察ざたは避けたかった。単なる神経衰弱です。ロネ警部。ピアニスト志望で幼いころに父が他界。母は野心家で自分の夢を娘に託していましたが、デビューコンサートの直前に急死。1年前のことです。その後は素晴らしい回復ぶり」。
 女を拾った男・マーティンは苦しみだす。「私が運転するわ」。
 ホテルの部屋に鍵をかけ、閉じこもるマーティン。注射器。奇形化する顔。
 「部屋を開けて」「規則で禁止されてます」。ボーイがノックするとマーティンが出てくる。「心配したわ」「気絶していたらしい」。
 風。夜。中国人「おかえりなさい」「召使のタイだ。こちらはドランブル夫人」「結婚、おめでとうございます。お父上から連絡をほしいと」。
 警部「パトリシア・スタンレーか。もう戻るまい」ボーイ「男性と一緒でした。今朝出発しました」「連れはマーティン・ドランブル?」。
 「最高に素敵な部屋ね」「すぐ戻る。(女性を指し)これは召使のワンだ」。
 マーティン「ロンドン、応答せよ」アルバート「父さんに替わる」「不法入国を当局に気付かれた。パスポートがない以上、通常のルートじゃ戻れん。ケベックに戻せ」「まず試験運転を。数日かかります」「今日中だ」「危険すぎます」「私が決めることだ」。
 マーティン「まずテストを」。
 音。パット、目が覚める。灯りが暗くなる。
 「順調だ。朝の5時。皆寝てる」「マーティン探したのよ」「緊急の事態なんだ。部屋まで送ろう」。
 父、サングラスをして装置の中に横たわる。音が高鳴り、装置が光を発し、父消える。「統合せよ」。メーター振り切れる。装置から光。「統合完了」。現れた父にマーティン酸素吸入。聴診器を当てようとすると胸に包帯。「ハサミくれ」。父目覚める。「父さん、気分は? この包帯は?」「大成功だ。放射能焼けもない。女性の声がしたが?」「昨日結婚しました」「他人を巻き込むな」「自分の人生がほしいのです」「アルバートも同じことを言ってた」「兄さんも?」。
 ロネ警部「午後4時にシャラス元警部と会う」「パトリシア探しと関係が?」「“蠅男”の話だ。ドランブル一族の事件を担当していた。祖父が警察に追われていた」。
 目覚めるパット。「おはよう」「もうお昼だよ。父が帰ってきた」。
 「こんなに早くロンドンから?」「門のところに誰かいます」「ちょっと行ってくる。父さん、相手を」「ピアノ、懐かしいわ」。パット、ピアノ弾く。父とワン、動揺する。ワン、小屋へ向かう。「ジュディス、泣かないで」。別の小屋に「うるさい。食事は抜きよ」。再びジュディスに「お皿を」。小窓から変形した手が。
 “私有地につき立入禁止”。「私はマーティンです」「私はロネ警部だ」夫人「パトリシアはどこ?」「あなたは?」警部「フルニエ夫人だ。夫人の病院に入院してた。精神病院だ。治療が必要」「昨日結婚した」夫人「信じられない。監視する権利がある」「令状は?」警部「すぐに取れる」夫人「マスコミに騒がれたくない」。門を開けるマーティン。
 ワン、父にささやく。パット「久しぶりに弾いたわ」。ロネ警部とフルニエ夫人を見て、パットは逃げ出す。マーティン「結婚証明書です」父「もう回復しているように見えますが。身元引受人にもなります」警部「奥さんと話したい」マーティン「動揺しているようなので、またの機会に。お送りしろ」。(明日へ続きます……)
 
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上橋菜穂子・荻原規子・佐藤多佳子『三人寄れば、物語のことを』

2015-12-03 09:15:00 | ノンジャンル
上橋菜穂子・荻原規子・佐藤多佳子『三人寄れば、物語のことを』

 WOWOWシネマで、ジョー・ダンテ監督、スティーヴン・スピルバーグ共同製作総指揮の’87年作品『インナースペース』を見ました。『ミクロの決死圏』のコメディー版といった感じの映画で、ミクロ化され実験のためにウサギの中に入るはずだった主人公が、研究所が先端組織を狙う組織に襲われたため、スーパーのレジ係のさえない若者の体内に入り、その若者と自分の恋人を操って、組織に奪われたチップを奪い返すという物語で、同年に公開された『ターミネーター』と同じような無敵の殺人ロボットが登場していました。かなりチープな作りながら、笑いのツボを押さえた演出で、主演はデニス・クエイド、恋人役をまだ新人のメグ・ライアンが演じていました。
 また、WOWOWシネマで、大友克洋監督・共同企画・原案・脚本の’04年作品『スチームボーイ』も見ました。圧倒的な画面の迫力でしたが、人間ドラマが陳腐で、やはり『童夢』を超える作品は難しいのかな、と思いました。
また、WOWOWシネマで、ジョエル・コーエン監督・共同脚本の’98年作品『ビッグ・リボウスキ』を見ました。舞台はロサンゼルス。失業者で仲間とボウリングばかりしている男(ジェフ・ブリッジス)が、富豪の若い妻の誘拐事件に巻き込まれる話で、ボウリング仲間をスティーヴ・バセミ、富豪の秘書をフィリップ・シーモア・ホフマン、富豪の娘をジュリアン・ムーア、誘拐された妻に金を貸していたポルノ産業の男をベン・ギャザラが演じていて、ブラック・ユーモアに満ちたポップな映像で楽しませてくれました。特に夢の場面は幻想的で、バズビー・バークレーそのままのミュージカルシーンは見事でした。

 さて、‘15年に刊行された、上橋菜穂子・荻原規子・佐藤多佳子の鼎談集『三人寄れば、物語のことを』を読みました。上橋菜穂子さんの『天と地の守り人』の文庫化に際して上橋さんの作品について、また荻原規子さんの『RDG レッドデータガール』の完成記念に際して『RDG レッドデータガール』について、そして佐藤多佳子さんの『シロガラス』の刊行に際して『シロガラス』について、それぞれ3人が鼎談を行っている本です。
 一部引用させていただくと、「もし、自分が本当に辛い状況にあったら、ファンタジーなんか読みたくないって思うのだろうか、と考えてみたんです。多分、最初はそうでしょう。物語どころか、なにもかもが崩壊し、ただ茫然としてしまい、ひたすらに悲しく、何についてもネガティブにしか捉えられず、絶望という感覚の中に、しゃがんでしまうと思う。でも、少し時間が経って、もう一度生き直したいという気力がわずかにでも生まれた時期に、ファンタジーを読んだら、ファンタジーというものがもつ、『ほかの世界を想像し、そこに生きてしまえる力』が、独特の助けになるような気がするんです。そこで一生懸命生きて帰ってきたとき、『これしかない』と思っていた今の現実、行き止まりだ、と思っていたところに、別の可能性が見える。どんな状況の中でも、人は生きてきたんだな、と納得できる。他者がやってきたがんばりが、自分の心にも火を灯す。物語の中から戻ってくると、今の自分のいる場所が、それまでとは少し違う風景に見え、風を感じることができる。それが、物語の持つ大きな力のような気がしているのです」(上橋)、「私も、どういうつもりで書いているかと言われると一言では言えないのですが、『生きている方が面白い』ということを、ダイレクトに言っても絶対に虚しい。そうではなくて、なぜ生きている方が面白いのかを、具体的なシーンの肌触りで伝えないと何もわからないでしょう。その肌触りを届けたいと思うのです」(荻原)、「日本人の多くは強い信仰心を持たず、なぜ生まれてきたかということに対して宗教的な回答を持ってないと思うのね。わからないまま生まれてきて生きていかなければならない。だけど、生きていると、やはりいいことあるよって、物語で言いたいみたいですね、自分」(佐藤)。
 上記の部分以外は、話題にされている各作品を読んでいないと、よく分からないところが多く、あまり楽しめませんでした。上橋さんの作品は既読のはずだったのですが、忘れてしまっていて……。佐藤さんの『シロガラス』に至っては、上橋さんと荻原さんが絶賛しているにもかかわらず、私は少し読んだだけで、放り出してしまっていました。という訳で、この本と私の相性はあまりよくなかったようです。もちろん『RDG』や『シロガラス』を楽しく読んだ方にはお勧めだと思います。
 
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ラリー・コーエン監督『悪魔の赤ちゃん』その2

2015-12-02 07:34:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 物音。動くおもちゃ。突進する二重写しの画面。叫び声を聞いて、殺到する警官たち。警官が一人倒れている。首に襲われた跡。
 外を捜索する警官たち。繁みの中に赤ん坊を認め、発砲。
 届けられた牛乳を冷蔵庫に入れるフランク。「家族揃って暮らしたいわ。クリスを呼び戻しましょう」「ダメだ」。
 夜。うなされるフランクは目を覚まし、顔を洗う。「ルノール?」。二重写しになる床。「返事しろ」。二重写しの画面、床を進む。やがてフランクの足元に。ルノール、フランクの肩に手を乗せる。「今夜、面白い映画があるの」「何か食うか?」。冷蔵庫を開けると、牛乳瓶は一つしかなく、外には空の牛乳瓶が何本も。「クリスは戻ったのか? クリス!」。クリスの部屋はおもちゃが乱雑に。「クリス、隠れてるのか?」。ぬいぐるみに穴。二重写しの画面、床を進む。
 アニメを見て笑うルノール。「映画を見るって言ってたんじゃないのか?」「どこに電話するの?」「クリスはいるか?」チャーリー「学校の宿題をしてる」。冷蔵庫の食べ物がなくなっているのを発見するフランク。
 チャーリー「クリス? 何ってこった!」。
 夜道を進むクリス。
 フランク「ルノール?」。
 ベビーベッドの布団の下で何かがうごめく。
 フランク、2階へ。
 走るクリス。
 2階へ向かうフランク。
 うごめくベビーベッドの布団。
 走るクリス。
 フランク、ベビーベッドの布団をはぐが、何もいない。布団の温度を確かめるフランク。部屋の戸が閉まる。明かりをつけるフランク。
 ルノール。赤ん坊の声。
 チャーリー、車でフランクの家へ。
 ルノール、フランクが赤ん坊のいる部屋に入ろうとするのを阻止する。
 クリス、家に着く。
 ルノール「何をするつもり?」。フランク、拳銃を手にする。「なぜ殺そうと?」。
 クリス、ワインセラーへ。猫の死体。
 チャーリー、フランクの家に着き、ドアを叩くが応答なし。
 ルノール「あの子はあなたを殺さなかった」。
 クリス「やあ」。一瞬、牙の生えた赤ん坊の顔。
 ルノール「父が分かるのよ」。
 チャーリー、裏に回る。
 クリス「大丈夫、怖がらないで。守ってあげる」。フランク「クリス、どけ」。発砲。赤ん坊、撃たれる。「当たった!」。赤ん坊、チャーリーを襲う。フランク「家族なんかじゃない。チャーリーを殺した」ルノール「あの子を撃ったの? 医者と同じ裏切り者!」。
 家を包囲するパトカー。地面の血痕を見て、「ひどい出血だ」「事件は解決ですね」「舞い戻るかも」フランク「僕も一緒に」「とどめを? よく見たか?」「暗かった」「出血多量で死んでるかも」「きっと復讐に来る」「銃は? ライフルは使える? 護身用に渡しておこう」。
 「わが子にとどめを刺すため、警察とともに宣伝部長のデービスは捜索中」のラジオニュース。下水溝へ続く血痕。「町中に出没する可能性があるぞ」。下水溝を包囲する警察。下水溝を捜索する警官。フランクに警部、「ここにいろ」。下水溝に乗り込んできたパトカーの赤いランプが点滅。「この奥だ」。警官たち、去る。赤ん坊の声。フランク、声の方へ向かう。戻ってきた警部「ここにいろと言ったのに」。
 ルノール、パトカーに乗る。
 赤ん坊、泣く。「やっぱりケガしてたのか。もう大丈夫だ。パパは(フランク、泣く)お前と同じように怖かったんだ。泣くな。泣くと連中に捕まる。心配いらない」。上着をかけて、抱く。「フランク、出て来い」。逃げるフランクをパトカー追う。
 「彼は子供を連れて下水溝にいる模様」と警察無線。
 「赤ん坊は死ぬ運命だ。離れて逃げろ」。側溝へ逃れるフランク。赤ん坊、泣く。梯子を登るフランク。「フランク、聞こえるか? 止まれ」。側溝を出ると、周囲を警察が包囲している。「この子は渡さん、どうか殺さんでくれ。この子は傷ついている。誰も殺さん。撃てば私に当たる」。警官「弾丸をぶち込んでやる」。警官に飛びつく赤ん坊。銃撃。赤ん坊は警官とともに死ぬ。泣き崩れるルノール。フランクとルノール、パトカーに乗る。
 「家まで送ろう」「パーキンス警部、連絡が」。連絡を受けた警部「シアトルでまた生まれた」。パトカーが去る。

 なんてことない映画であるように思えましたが、どうなのでしょうか?

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