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吉田照美『ラジオマン 1974-2013 僕のラジオデイズ』その3

2017-03-10 05:20:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。
・「結局、数年前に報道番組を持ちかけてきた編成の人の『吉田もいい年なんだから』という言葉が、50を過ぎて、真実味を帯びて重くのしかかってきたわけです」
・「結果的には、このあと『ソコダイジナトコ』という番組と巡り合うことで、幸いにして自分がこれから進むべき道が見えてきわけです(後略)」
・「この時期に僕は絵を描きはじめたんですけど、それは、この不安な思いがどこか反映されていたのかもしれません」
・「そんなとき八代亜紀さんが油絵の教室を始められると聞いて、通い始めたんです」
・「『やる気MANMAN』が20年の歴史に幕を閉じて、『吉田照美 ソコダイジナトコ』が始まったのは、07年の春。朝6時からの生放送ということで、憂鬱な気持ちを抱えながら始まったこの番組が、これほど自分にとって意義深い番組になるとは、このときは夢にも思っていませんでした」
・「また、始まった頃は、自分のキャラクターが活かせないもどかしさもありました。この番組では、僕がニュースに明るくないということもあって、ジャーナリストの江川紹子さんや内田誠さん、詩人のアーサー・ビナードさんといった方たちを、コメンテーターとして配していて(後略)」
・「でもそのうち、番組の内容が全部ニュースじゃ面白くないということに、制作サイドも気づき始めるわけです。(中略)そんなムードの中で、ひとつの起爆剤になったのが、『クイズ!東京の街 ここはどこでしょう?』。僕がマイクを持って、東京都内のどこかの街に出かけて録音してきた素材を流し、リスナーにその場所はどこかを当ててもらう、というクイズ企画です。これは実を言うと、皆、永六輔さんの『土曜ワイド(ラジオTOKYO)』の中で、久米宏さんが表周りでやっていたことを、そっくりそのままパクっているんですよ」
・「それ以降、このクイズは、スペシャルウィークの恒例企画として番組の呼び物のひとつになっていったんですが、最初にやったのが、08年の秋。番組がスタートしてから1年半経って、ようやく光が見えてきたわけです」
・「また、ちょうどこの頃に、番組のアシスタントが唐橋ユミさんに代わりました。彼女の存在も、番組の活性化に大きく貢献したと思います」
・「こうして震災翌日の3月12日は、報道特集を手伝わせてもらいました。その日は一日中、報道体制が敷かれていたんですが、僕は、15時くらいから2時間ほど担当させてもらって、(中略)リスナーからのメールを紹介したり、新しく入ってきたニュースを読んだり、といった内容でした」
・「このとき一番問題だったのは、原発事故に関する正しい情報が、日本のメディアのどこからも出てこなかったということです。(中略)新聞・テレビは、みんな横並びの報道で、もういっそ、新聞は1紙、テレビは1局あれば、それで事足りるんじゃないかというぐらい、同じ情報が流れ続けていました。しかも、その情報はほとんどウソだった」
・「そんな中で、アーサー・ビナードさんや江川紹子さん、そして上杉隆さんといった、当時のレギュラーコメンテーターの方たちが、テレビでも新聞でも、他のラジオでも扱わないような原発事故の情報を、どんどん発信するようになっていきました」
・「ともあれ、『ソコダイジナトコ』が“真実を伝える”という独自の路線を打ち出して、他局と完全に差別化された形になると、応援してくれるリスナーがどんどん増えていきました。そうすると、聴取率も上向きになり、ついに整数、つまり1%を超えるようになったんです。実は文化放送の朝の番組は、この20年ぐらいずっと、聴取率が整数を越えたことがなかったんですね」
・「当時はラジオもテレビも、ほとんどの局が、『被災地への配慮』という理由で、歌番組やお笑い番組の放送を自粛していました。でも僕は疑問に感じていました。(中略)あの時期は、被災地のみならず、日本中の人たちが疲れ切っていたのも事実です。だからこそ、人々の疲れた心を音楽で癒すということも、今ラジオがなすべきことのひとつなんじゃないか。そんな思いから、『ソコトコ』では積極的に音楽をかけていたんです」
・「その意味では、『音楽喫茶 とまり木』というコーナーも、すごく意義のある企画だったと思います。『とまり木』は、僕と唐橋さんが、いろんなキャラクターを面白おかしく演じるラジオドラマのコーナー。(中略)この中で、唐橋さん扮する福島弁のおばあちゃんのキャラクターが出てくるんですけど、この福島弁は素晴らしかったですね。独特の味わいがあって、たとえ意味がわからなくても、聴いているだけで和まされるという、ものすごい癒し効果を持っていて」(また明日へ続きます……)

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